最初の畝、終了、続けて次の畝へ
代表に教えてもらったやり方で種まきを始めていったヒルダとレベッカは、ほとんど同じタイミングで最初の畝への種まきを終わらせる。
そうして二人共がほぼ同時に次の畝へ移動して種まきの続きを始めていった。
「……ふむ、私はもうすぐ最初の畝が終わりますが、レベッカさんはどうですか?」
「……はい、ヒルダ様……あたしももうすぐ、最初の畝が終わります……」
「……大丈夫ですか? たまに途切れ途切れの返事になっていますが……?」
「……集中して種まきをしていると……普段のような話し方が……出来なくなってしまうんですよ……」
「……ああ、集中して作業をしていると良くあるやつですね……私もたまにありますよ」
「ヒルダ様もあるんですね……っと! よし、これでこの畝は終わりました! やりましたよ、ヒルダ様!」
「ご苦労様です、レベッカさん。それでは次の畝に種をまいていきましょうか?」
「わかりました、ヒルダ様。それではまた、ヒルダ様と隣同士になって……と……」
「はい。それから同時に種まきを始めていく、と」
「ええ、そうでしたね、ヒルダ様。あたしは準備が出来ましたが、ヒルダ様はどうですか?」
「私も準備完了しています……そういう事ですから、この畝への種まきを、始めていきますよ、レベッカさん?」
「はい、よろしくお願いします、ヒルダ様!」
「了解です。それでは種まき、始め!」
「はいっ!」
このようにして始まった二つ目の畝への種まきで、レベッカが開始直後、思い出したようにヒルダへある提案を行う。
「……あ、そうだ」
「……うん? どうしたのですか、レベッカさん? 何か変わった事がありましたか?」
「いえ、変わった事ではありません。ただちょっと、思い付いた事がありまして……」
「……思い付いた事……? それは、なんでしょうか?」
「……ふふ……ヒルダ様、競争してみませんか?」
「え? 競争?」
「はい。どちらが先に今種まきをしている畝への種まきを終わらせる事が出来るか、という競争です。どうでしょうか?」
レベッカがヒルダに行った提案とは、種まきの速さを比べる競争であった。
この提案を聞いたヒルダは、提案を受けて競争を始めるかどうかで数秒間考えたのだが、特に変化もなく種まきをしているより、作業に変化が出るようなイベントをやるのもアリだと判断して、レベッカの提案を受ける事にする。
「……そうですねぇ……どうしましょうか……」
「……」
「……わかりました。その競争、受けて立ちますよ、レベッカさん」
「おお、そうですか、ヒルダ様! それじゃあ、競争開始!」
「……あっ!? えっ!?」
ヒルダが競争を受けると答えた次の瞬間には、レベッカは競争開始を宣言して種まきの速度を上げていった。
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