種まきを始める前に
とりあえずではあったが種まきのやり方がわかったヒルダは、レベッカと二人で種まきを始めても良いか? と代表に尋ねていった。
「……ふむ、そうですね。まあ、種まきのやり方はもうなんとなくではありますがわかりましたから、私達はそろそろ種まきを始めていきましょうか、レベッカさん?」
「……そうですね。おじさん! あたしとヒルダ様はもう種まきを始めていくけど、大丈夫だよね? 問題ないよね?」
「ああ、問題ないぞ、レベッカ……それにヒルダ様」
「わかりました! それじゃあ行きましょう、ヒルダ様!」
「あっ、ちょっと!? ま、待ってくださいレベッカさん! そんなに引っ張らないでください!」
代表から種まきを始めても大丈夫だと言われたヒルダとレベッカは、レベッカがヒルダの手を掴んで畑まで引っ張っていく形で移動し始める。
その途中でヒルダはレベッカに対してあまり引っ張りすぎないように、と頼んでいった。
しかし種まきが楽しみなレベッカは、ヒルダの頼み事をあえて無視して畑に直進する。
そうして畑に到着したヒルダとレベッカは、ヒルダがようやく手を離してもらえたと安堵しながら呼吸を整えている横でレベッカが早く種まきをしたくてウズウズしている、という状況になっていた。
「……さあ、到着しましたよ、ヒルダ様!」
「はあ、はあ……そ、そうですね、レベッカさん……はあ、はあ……」
「……あ、あははは……その、大丈夫、ですか? ヒルダ様……?」
「……はあ、はあ……ええ、まあ、なんとか。だいぶ息も整ってきましたし……はあ、はあ……」
「ご、ごめんなさいね、ヒルダ様……種まきが楽しみでしたから、つい……」
「……だから、私のお願いも無視してしまったと……なるほどねぇ……?」
「……あははは……はは……申し訳ありません、ヒルダ様……」
「ふぅ……まあ、いいでしょう。レベッカさん」
「は、はい」
「種まきを始めていきましょう。今のように話し合いを続けているだけでは野菜は作れませんからね?」
「は、はい、ヒルダ様」
ヒルダの言葉に若干の圧を感じたレベッカが即座に返事を行っていく。
そしてレベッカの返事を聞いたヒルダが最初の畝の前に立つと、その隣の畝にレベッカが立っていった。
こうして並んで立った二人は、ヒルダの合図で種まきを始めていく。
「……こうして、並んでいく、と……」
「……はい、ヒルダ様……」
「……よし、これで準備完了ですね、レベッカさん?」
「はい、ヒルダ様」
「よし、それでは種まきを始めていきましょう。種まき、開始!」
「はい!」
こうしてヒルダとレベッカの二人は、仲良く種まきを始めていった。
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