ヒルダ、村人との会話で考える
ヒルダの提案に応じて畑に向かおうとしていた村人達の中から一人が、別の方向に向けて歩き始めようとしていたレベッカを不審に思い、声を上げていった。
「よし、それじゃあ今日も元気に、畑に行きましょうか!」
「おー!」
「おおー!!」
「……うん? あ、あれ?」
「……うん? どうされました? 変な声を上げられましたが……?」
「あ、いや……レベッカの奴が、変な方向に歩いていくから、気になってしまって……」
「ああ、そういう事でしたか。レベッカさんは畑仕事はしませんよ? 今日もダンジョンで修行する予定ですから」
「え!? そうなんですか!?」
「え、ええ……いけませんか……?」
レベッカの行動に疑問の声を上げる村人に、ヒルダが首を傾げていく。
そんなヒルダに村人が自身の考えを話していった。
「……いけなくはないですけど……でも、自分達で食べる野菜なんですよ? 自分達の手で作りたいとは思いませんか?」
「……まあ、それは……まあ……」
「修行をして強くなるのも大事なのはわかるんですけど、きちんと食事をして体作りをする事も必要だと思うんですよね」
「……それも、そうですね……」
「……一日ぐらいは、ダンジョン内での修行じゃなく、畑仕事で自分が食べる野菜を作っても良いんじゃないですかね……?」
「……確かに……言われる通りかもしれませんね……」
「そうでしょう? ヒルダ様もそう思いますでしょう?」
村人の話を聞いたヒルダの心が揺れていく。
その上でヒルダは、今日レベッカがダンジョン内での修行を行った方が良いのか、それとも今日は畑仕事をした方が良いのかを考え始める。
「……う~ん……確かに実戦経験を積むならダンジョン内での戦いなんだけど、基礎体力を鍛えるとなったら別にダンジョンに入らなくても良いからなぁ……それにレベッカさんは昨日も一人きりだったし……今日も一人きりでの修行はちょっと可哀相かも……そうなると……」
「……え? あ、あの、ヒルダ様? どうしました?」
ヒルダが自身の今日の修行内容に疑問を感じていると理解したレベッカは、若干焦りながらヒルダに言葉を掛けていく。
そうして言葉を掛けてきたレベッカに対してヒルダは、今日はダンジョンでの実戦修行は止めて、負荷を掛けた状態での畑仕事をして体力の強化を行おう、と提案していった。
「……レベッカさん、今日からはしばらく、畑仕事で基礎体力の強化をしていく、という修行にしてみませんか?」
「……えっ!?」
「……駄目、でしょうか……?」
ヒルダは自身の提案を聞いてすぐに返事を出来なかったレベッカに対して、目を潤ませながら尋ねていく。
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