いよいよ本日の活動開始
朝食を食べ終えたヒルダとレベッカは、後片付けと洗い物を手早く終わらせると、二人揃って仲良く外出する。
そうしてダンジョン小屋がある方向に続く道と、畑に続く道の二つに分かれている場所まで来ると、お互いに手を振ってダンジョンでの修行と、畑での農作業に別れようとしていった。
そこに数人の村人が通り掛かり、ヒルダとレベッカに声を掛けてくる。
「……では、ここで一旦お別れですね」
「はい、ヒルダ様。農作業、頑張ってくださいね?」
「レベッカさんの方こそ、頑張って修行してくださいね?」
「……あは、あはははは……」
「ふふふ……」
「……それじゃあ……」
「はい、また後で……おや?」
「……え? あ、おじさん達だ……」
「……お? おお、誰かと思えばヒルダ様とレベッカか、おはようございます」
「おはようございます」
「おはようございます……ていうか何してるの?」
「何って畑仕事に行くんだよ! ようやく普通に水を使えるようになったんだからな!」
「ああ、そういう事か……同じ理由でヒルダ様も畑に向かっているんですもんね……」
「ええ、まあ、そうですね」
「ああ、ヒルダ様も畑仕事に行ってたんですか」
「ええ、その通りです」
「おお、そうですか!」
「いやいや、これはありがたい! 村には若者が少なくなっていますからな、若者の移住は助かりますよ」
「……え?」
「……うん? ヒルダ様……?」
「ど、どうなさいました? そんな目を丸くなされて……?」
「あ、いえ……ちょっと……」
「……は、はあ……?」
自分達の発言を聞いたヒルダが、呆然としたまま動きを止めた事に村人達の方が狼狽えてしまう。
そうして何故か動きを止めてしまったヒルダに、レベッカが声を掛けていく。
「……ヒルダ様、どうかしましたか? 固まっていますけど……?」
「……え、ええ、まあ……なんとか、大丈夫です……」
「……本当ですか……? なんというか、ヒルダ様の言葉とは違ってヒルダ様、なんとなく顔色が……いつもと違うような……?」
「……顔色が違う、ですか……確かに、そうでしょうね……」
レベッカから顔色が違うと指摘されたヒルダが、そうだろうと言いながら自身の胸に手を当てていった。
このヒルダの言葉を聞き、仕草を見たレベッカや村人達がどうしてヒルダがこのような言動をしていくのかが理解出来ずに困惑度合いを深めていく。
そうして困惑しているレベッカや村人達をよそにヒルダは、いつの間にか師匠から言われていた旅の目的、定住する土地を見つける、を達成していた事の感慨に浸っていた。
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