この日の朝食と評価
「それではレベッカさん、いきますよ?」
「あ、はい、ヒルダ様」
「それでは今朝も、いただきます!」
「いただきます! ……それじゃああたしは、まずスクランブル・エッグから……」
ヒルダに続いて朝食開始の挨拶をしていったレベッカが、最初に自身が焼き上げたスクランブル・エッグに手を伸ばしていく。
そんなレベッカの動きにつられる形でヒルダもスクランブル・エッグに手を伸ばしていった。
「ふむ、レベッカさんはスクランブル・エッグから食べるのですね。それなら私もそのようにして、どんな味になっているのかを確かめて、評価してあげますからね?」
「う……ま、まあ、よろしくお願いします……ただ、どうかお手柔らかに……」
「うふふ、それは約束出来ませんね?」
「な、なんで!?」
ヒルダが自身の作ったスクランブル・エッグの味を評価すると発言したことでレベッカの表情が一気に暗くなっていく。
そこでレベッカはヒルダにあまり辛口の評価をしないようにと頼んでいった。
しかしこのレベッカのお願いをヒルダはとても良い笑顔で断ってきた為、レベッカはどうしてそんな事を言うのか? と泣きそうになる。
そんなレベッカにヒルダは、時には甘い評価もしていくが、いつも甘い評価をしていてはレベッカの成長に繋がらないからだ、と答えていった。
「だって、いつもいつもレベッカさんを甘やかしていてはレベッカさんの成長に繋がらないですからね。時にはビシビシと、厳しくいかせてもらいますよ?」
「う……そ、それは……そうなんですけど……」
「……正論すぎて苦しい、ですか?」
自身の言葉を受けて悶絶しているレベッカに、ヒルダが穏やかに笑い掛けながら苦しいか? と尋ねていく。
このヒルダの言動にレベッカは苦笑いしながら頷いていった。
「え、ええ、そうですね……あは、あははは……」
「ふふ……まあいつまでもこうしていてはせっかくの料理が冷めてしまいますからね、そろそろ実際に食べてみる事にしていきましょうか?」
「……え、ええ……そ、そうですね……ふぅ、ふぅ……緊張、してきました……」
「ふふ……それでは食べさせてもらいますね……パク、モグモグ……」
「……どうでしょうか、お味の方は……?」
「……ふむぅ、そうですねぇ……」
「……」
自身のスクランブル・エッグを食べたヒルダに、評価を求めていくレベッカ。
その問い掛けに対して、すぐ返答せず考え込んでいくヒルダ。
そんなヒルダの姿を見守りながら、レベッカは息を飲んで評価が下される時を待っていった。
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