水はどれだけやれば良いのか?
ヒルダが魔道具を起動させると、途端に畑全体へ雨のように水が降り注ぎ始める。
その様子を眺めながらどのぐらいで水を止めるかを考えていたヒルダに、村人達が水を止めてほしいと声を掛けてきた。
「よし、魔道具、始動!」
「……うむ……先ほどと同じように、水は問題なく放出されていますな、ヒルダ様」
「ええ、そうですね……問題は、いつまで水掛けをするのか、ですねぇ……」
「ああ、そうですねぇ……あまり水を掛けすぎても作業が出来なくなってしまいますし……」
「ええ……さて、どうしましょうか……」
「むぅ……あっ、ヒルダ様! そろそろ止めてください!」
「え? あ、はい、わかりました……魔道具停止。これで大丈夫ですか?」
村人から頼まれるままに魔道具を止めていったヒルダへ、村人達が感謝の言葉を伝えながら畑の様子を確かめていく。
そこでこれなら大丈夫だろうと判断した村人達が、作業の続きを始めていこうとヒルダに話してくる。
「ええ、どうもありがとうございます、ヒルダ様……これで少し畑の様子を見てみて……ええ、これならちょうど作業をしやすい湿り具合になっています。これなら先ほどまでよりも楽に作業が出来るはずですよ!」
「おお、そうですか! それなら良かったです、安心しました」
「ははは……」
「それではヒルダ様、そろそろ作業を再開させていくとしましょうか?」
「……そうですね。皆さんも大丈夫ですね?」
「ええ!」
「はい!」
「大丈夫ですよ、ヒルダ様」
「わかりました。それじゃあ作業再開の号令は……誰がすれば良いのでしょうか?」
作業を再開させる事が決まった一同にヒルダが、誰が作業再開の挨拶をするのか? と尋ねていくヒルダ。
このヒルダの質問に村人達は、全員で作業再開と叫んでいけば良いのではないか? と疑問符を付けながら答えていく。
これにヒルダも頷いて賛同していった為、全員で作業再開と叫ぶ事にする。
「……う~ん……そうですねぇ……」
「……あ、そうだ」
「うん? なにか思い付いたか?」
「ああ。この場にいる全員で作業再開! って叫んでいけば良いんじゃないか?」
「……ああ、それが一番お手軽かもしれないな」
「ヒルダ様はどう思いますか? これでよろしいでしょうか?」
「ええ、そうですね。私もそれで良いと思いますよ」
「了解です。それじゃあ皆!」
「おう!」
「これから作業を再開させていくぞ!」
「おおー!」
……こうして、全員で腕を突き上げながらの号令が終わった後で、畝立ての作業が再開されていった。
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