ヒルダの畝立てと昼食
レベッカが三体のゴブリンをあっという間に返り討ちにして、また一つ強くなっていた頃、ヒルダは村人達と一緒に畑を耕していた。
「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」
「おお、凄い!」
「お見事! 本当にお見事ですよ、ヒルダ様!」
「そうですか? 本当にそうなら嬉しいのですけど……」
「本当にそうですよ! ほら、後ろを振り返って見てくださいよ!」
「うん? 後ろを、振り返る……?」
「はい」
自身の耕し方を村人達に褒められているヒルダが、どのような感じになっているのかがわからずに困惑していると、村人達はヒルダに後ろを振り返るように声を掛けていく。
そうして村人達に言われたように自身の背後を振り返ったヒルダは、自身が耕してきた畑の畝が綺麗にまっすぐ出来ている光景を見る事になった。
これにヒルダが嬉しそうに笑っていくと、ヒルダの反応を見た村人達も嬉しそうに笑っていく。
「……うわぁ……綺麗……」
「凄いでしょう? これが我々がヒルダ様の耕し方が凄いと言っている理由ですよ」
「……そうでしたか……これは確かに、綺麗な凄い耕し方だと言えるのもわかりますね……」
「そうでしょうそうでしょう」
「これを見ている我々も、ヒルダ様に負けないように、と気合いが入るというものですよ!」
「それなら、私も皆さんに置いていかれないように頑張るだけですね」
「……ふふ……はっはっは……!」
「うふふふ……」
「……お、こっちの皆はここにいたか。おーい、そろそろ昼食にしよう!」
「む、わかった!」
「ヒルダ様、もう昼食の時間だという事ですから、一旦向こうに戻りましょう」
「ええ、わかりました」
ヒルダと村人達、それぞれがお互いに笑い合っていると、別の畑で作業を行っていた村人達が、昼食の時間だとヒルダ達を呼びにやってくる。
この呼び掛けに応じた村人達とヒルダが呼ばれた方向に歩いていくと、そこには畑の側に複数のテーブルが設置され、様々な料理が並べられた昼食会場が設けられていた。
その光景にヒルダが感嘆の声を上げ、一緒に歩いていた村人達に声を掛けていく。
「……うん? あれは……」
「……ほう、昼食は立食形式にしたのか。悪くないじゃないか」
「凄い……あの、皆さん」
「うん? どうされましたかな、ヒルダ様?」
「あの、私、あそこにどんな料理が並べられているかを見てみたいんですけど……」
「……ええ、我々の事は気にせず、先に行って確認をしてきてください」
「なんなら先に食べ始めていても大丈夫ですよ?」
「……わ、わかりました……それではまた、後で……」
こうして村人達に断りを入れたヒルダは、昼食会場に向けて駆け出していった。
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