次の予定は農作業
ヒルダが予想外に自分達の提案を受け入れた事へ村人達自身が驚いていると、ヒルダがにこやかに微笑みながら言葉を続けてきた。
「……え? 本当ですか……?」
「ええ、本当ですよ?」
「……それはまた、どうして……?」
「いえ、私もレベッカさんが今日の修行を終わらせて村に戻ってくるまで、なにをして過ごしていようかで頭を悩ませていたものでして……」
「……はあ……」
「なるほど、そういう事情があったのですね?」
「ええ。ですから皆さんが私を農作業に誘ってくれた事は非常に嬉しいお誘いだったのですよ。言い方は悪いのですけど、これで暇潰しが出来た、と」
「ははは、そういう事でしたか」
ヒルダから良い暇潰しが出来たと言われた村人達は、ほっと胸を撫で下ろしながら笑い声を上げていく。
そんな村人達にヒルダが、それではどのように農作業を始めていくのか? と、嬉しそうな表情を隠さずに尋ねていった。
「ええ。それで皆さん」
「はい、ヒルダ様」
「農作業は、一体いつから始めていくのですか? 私はもう楽しみで楽しみで……」
「はは、ヒルダ様、そんなに慌てないでください」
「そうですよ、ヒルダ様。慌てなくても農作業は逃げていかないのですからね?」
「これはまた……農作業が楽しみすぎて少し先走ってしまいましたね。申し訳ありませんでした」
「いえいえ、良いのですよ」
嬉しそうに話してくるヒルダの姿に、村人達も笑顔で言葉を返していく。
そうして村人達はヒルダに、農作業に使う道具を持ってくるから、自分達が戻ってくるまで少し待っていてほしいと頼んでくる。
「ふふ……それでヒルダ様、いつから農作業を始めていくか、なのですがね」
「はい」
「我々は今ここに農作業に使う道具を持ってきていなかったものですから、まずはその道具を取りに行かないといけません」
「ふむ、なるほど」
「はい。ですからヒルダ様は、我々が道具を持って帰ってくるまでの間は待っていてもらう事になります」
「ふむ、皆さんの帰りを待つ、と。了解しました」
「はい。よろしくお願いしますよ、ヒルダ様?」
「わかりました、ここで皆さんの帰りを待っていますね?」
「はい」
「それではヒルダ様、我々は少しだけ帰ってきます」
「出来るだけすぐに帰ってきますから、それまで待っていてくださいね?」
「わかりました。それでは皆さん、パパッと行って、パパッと帰ってきてくださいね?」
自分達が戻ってくるまで待っていてほしいと、念入りにヒルダへ頼んでいく村人達。
そんな村人達の言葉に、ヒルダはずっと笑顔で頷いていた。
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