レベッカ、修行に向かう
ヒルダがレベッカの使っていた食器洗いに苦戦していた頃、その原因を生み出した張本人であるレベッカはダンジョンに向かう道中で自身が使った食器を洗う事になったヒルダに平謝りをしていた。
「ほっほっほっほっ……そういえばヒルダ様に、あたしがめちゃくちゃに使った食器を洗わせる事になっちゃったのか……すみませんヒルダ様……また後で面と向かって謝りますから、今はここでこうして謝る事を許してください……」
走りながら深く頭を下げていくレベッカの姿を、村人達が怪訝な表情で眺めていく。
しかしレベッカはそうして村人達が自分の事を見てきている事に気付かないままダンジョンに向けて走り続けていった。
「……なんだあれ……?」
「……レベッカ、か……?」
「……ああ、レベッカだ、間違いない」
「……なんで、謝りながら走ってるんだ……?」
「……それは、謎だな……」
「……どこに行こうとしてるんだろうな……?」
「……それも謎だな……」
このような村人達の声に気付かず走り続けていくレベッカ。
そうしてダンジョンの入り口にまでたどり着くとレベッカは、再度ヒルダに謝った後でダンジョン内へ入っていき、魔物を相手にした修行を始めるようにする。
「……ふう、ようやく到着しましたね……それではヒルダ様、もう一度だけ、今度は感謝の気持ちを込めた謝罪を……ヒルダ様! どうもありがとうございました!! ……よし、それじゃあ突入! 修行開始だぁっ!」
気合いの入った元気と勢いの良い声をあげたレベッカが、修行相手を探してダンジョン内を歩き始めていく。
そうして数十秒歩いたレベッカの前に二体のゴブリンが姿を現した。
この二体のゴブリンに剣を向けていったレベッカ対して、レベッカの存在に気付いたゴブリン達もこん棒を掲げてレベッカを威嚇してくる。
「……気合いを入れて突入したのは良いものの、肝心の魔物とまだ遭遇しない……どこにいるんだろう……むっ?」
「……ギャッ、ギャッ!」
「ギギャッ!」
「おっ、ゴブリンが二体か。最初に戦うならちょうど良い相手だね。さあこい!」
「ギ? ……ギギャッ!? ギギーッ!!」
「ギャギッ、ギャギッ!!」
「ふふっ、そっちもヤル気満々みたいだねぇ……どうした、こいよ!?」
「ギャゲーッ!!」
「ギシャーッ!!」
レベッカの挑発を受けた二体のゴブリンは、一切迷う事無くレベッカに突撃してきた。
この二体のゴブリンの行動にレベッカは単純だなぁ、と苦笑いをしながら迎撃の準備をし始めていく。
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