ヒルダ、後片付けを始める
後片付けを始める前にヒルダは、走り去るレベッカの姿を見ながら、ボソッと呟いていく。
「……うん、レベッカさんは今のところ今日も元気が良さそうですね。あれなら修行の方も問題なくこなせるでしょう」
このように呟いて頷いたヒルダは、後片付けを始めていき、まずは食器洗いを行う事にする。
「……さて、まずは食器を運んでいかないと……最初は私の方から、ね……よし、と……」
ヒルダは最初に自分が使っていた食器から洗い場に運んでいった。
そうして自身の食器を運び終えたヒルダは、続けてレベッカが使っていた食器を洗い場に運び始める。
そこでヒルダは自身とレベッカの食べ方の違いについて思わず口に出していってしまう。
「さて、次はレベッカさんが使っていた食器を持っていかないと……って……え……? こ、これが、レベッカさんが使っていた食器、ですか……? お、思っていたよりも汚い……レベッカさんって、こんなに汚い食べ方をする人だったんだ……ちょっとショックですね……」
レベッカの食べ方は汚い、これがヒルダが使った食器を片付ける時に理解したレベッカの減点ポイントだった。
そうしてレベッカ本人がいないところでレベッカに軽く幻滅したヒルダであったが、洗い物を終わらせないと次の作業に取り掛かれないと判断する。
そこでなんとか気を取り直し、洗い場にレベッカが使っていた食器を運んでいき、自身が使っていた食器から洗っていった。
「……ふむ、私が使っていた食器は難なく洗えましたね……さて、問題は……」
自身が使っていた食器をあっという間に洗い終わらせたヒルダは、覚悟を決めてレベッカが使っていた食器に目を向けていく。
その後深呼吸をして心を整えると、レベッカの食器に手を伸ばし、レベッカの食器洗いを始めていった。
「……むう……やっぱり思っていた通り、なかなか汚れが落ちませんねぇ……もう少し水の勢いを強くした方が良いのでしょうか……?」
洗い始めてみたものの、なかなか汚れが落ちないレベッカ使用の食器に苦戦するヒルダ。
そうして何かこの状況を打開する方法がないかと考えたヒルダはふと、水の勢いが弱いのでは? と思い付く。
そこでヒルダは試しに、使う水の量を増やしてみた。
「……おっ、水量を増やしたら先ほどよりも簡単に汚れが落ちるようになりました! これならすぐに洗い終われますね!」
水量を増やしてみた結果、汚れ落ちが劇的に改善した事に喜んでいくヒルダ。
こうして二分後、すべての食器を洗い終えたヒルダはすぐに魔道具の修理に取り掛かっていった。
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