レベッカ出発、その前に
レベッカが走り出そうとした次の瞬間、ある事を思い出したヒルダがレベッカに声を掛け、ダンジョンへの出発を引き留める。
このヒルダの行動にレベッカが困惑するなか、ヒルダが思い出した事をレベッカに仕掛けていった。
「……あっと、ちょっと待ってください、レベッカさん」
「……え!? ヒルダ様!? なんですか!? あたしもうダンジョンへ向けて全速力で走り出そうとしてるんですけど!?」
「ごめんなさい、レベッカさん。ですがちょっと、ド忘れしていた事がありまして……」
「……え? ヒルダ様が、ド忘れしていた事……?」
「はい」
「……それは一体……?」
「私が、レベッカさんに負荷増大魔法を使う事、です」
「……あ」
ヒルダの言葉を聞いたレベッカは、そういえばそうだった、という表情で固まってしまう。
そんなレベッカにヒルダは一言声を掛けてから負荷増大魔法をレベッカに使っていった。
「レベッカさんも思い出してくださったようですね。そんなわけで、いきますよ、レベッカさん」
「……あ、はい……お願いします……」
「……それっ、負荷増大魔法、発動!」
「……む……おっ!? あれ? こんな感じでしたっけ、ヒルダ様?」
ヒルダに負荷増大魔法を使ってもらったレベッカが、昨日までの感覚と違う事に違和感を覚え、即座にヒルダへ質問していったレベッカ。
このレベッカの質問にヒルダは、昨日よりも少しだけ負荷を軽くしてみた、このように答えていき、物足りないなら昨日と同じ負荷にしてみるが? とレベッカに尋ねていく。
するとシオンのこの逆質問にレベッカは、今のままの負荷で大丈夫です……と小さな声で答えてきた。
「いえ、昨日よりも負荷を軽くしていますよ? 今日はレベッカさんが一人で修行されるのですから……」
「……あ、そうですか……」
「……あの、レベッカさん、もしかして、負荷が物足りない、という事ですか? でしたら昨日と同じ負荷にしますが……?」
「……あ、いえ……今のままの負荷で大丈夫です……」
「……わかりました、レベッカさん。それでは、私の用件は終わりました。レベッカさんが大丈夫なら、もう出発していただいても問題ありませんよ?」
「……わかりました! それでは改めまして、行ってきます、ヒルダ様!」
「ええ、お気を付けて行ってきてくださいね、レベッカさん」
「はい! それでは!」
ヒルダの言葉に応じると、すぐにダンジョンへ向けて全速力で走り出していったレベッカ。
このレベッカの走り去っていく姿を見届けたヒルダは、すぐに朝食の後片付けを始めていった。
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