第35話
いつからだろう、ユーリに何かを感じるようになったのは。
最初パーティーで友だちになった時は、まだ対等な存在として話していたとおもう。
私にはもういつからかわからない。
そんな私にユーリを友だちだと思う資格はない。と思った。
守られているんだ、私は。ずっと、ユーリに。
ただの同い年の女の子に、私の命を背負わせていたんだと。
私には言えない何かをしているのもわかった。だからこそ支えようとも思った。
「私もただの女の子じゃないんだから。一人で暮らしていくことだってできる。」
目指すは東領。一人の少女が馬に乗って進んでいく。
その先には暗闇に包まれた黒い、黒い森が広がっていた。
場所は変わり、書斎にて。
「おい、今なんて言ったんだ。もういっぺん言ってみろ。」
「ですから、国境をすべて塞いでくださいませんか。」
とりあえずフェルミナ様が国外に行き大変なことになる前に止めなくては。
「無理だ。いくら優先的にフェルミナ嬢の事をするといったって渡航禁止はリスクがでかすぎる。それを王国の上層部が納得すると思うか?ただでさえ監視をつけてきているというのに。今までユーリが自由に動けたの国丸ごとの影響を及ぼすことがなかったからだ。国に関係することとなれば上層部が邪魔をしに来る。」
やはり、動けないのね。
これは最後の手段を使わないといけないかもしれないわ。
「どのようなときなら大丈夫なんですか。」
これに聖女が当てはめれば、国を上げて探すことになる。
それなら、私にも勝算はある。
「聖女や、王族なら優先されるだろう。あとは高位貴族など。」
「そうですか。それなら今すぐ探さなくては行けませんね。
フェルミナ様は光魔法を使うことができます。
これは聖女の条件に当てはまります。それからふんわりとした黄みを帯びた茶髪。
ああ、そうですわ。一番の証拠を言い忘れていましたね。
それはルースト様、貴方がフェルミナ様の魔力適性を見たことがないことです。」
この国の誰も知らない一人の聖女。
回復魔法を自在に操ることができるあの手腕。
魔力の消費が激しいためいつも魔力が少なく見える。
光魔法の魔力適性がある少女は学園を卒業するまでそれを誰にも言ってはいけない。
その後、教会から正式に聖女の名前を発表されるのだ。
「そうだな。確かにいくら調べてもフェルミナ嬢の魔力適性はでてこなかった。
お前がいつもフェルミナ嬢のことを持ち上げるたびに信じられなかったが、」
そう。今まで一回もフェルミナ様が聖女なことはバレたこともないし、
だれにも話したこともなかった。
幼い頃の私は光属性の友だちを周りのみんなに自慢したくてしょうがなかったわ。
ルースト様は長考し、
書類を少しまとめる。
「教会に確認を取る。」
受話器を取り教会との会話を始めるルースト様を横目に私は髪をいじる。
「ふむ、そうか。わかったこちらから連絡する。」
受話器を置きこちらを振り返ったその人は
苦笑と一国の王子としての決断が混じった顔をしていた。




