第28話:魔法使い
隣国に潜入するならパスポートが必要ですよね。
それももフェルミナ様に最近隠し事しているって言われたばかりですのに。
はぁどうしましょうかっ。
視界が暗転していく、もしかして睡眠や
ユーリ、早く、来て。待っているから。
貴方がこの国を助けてくれるのを。
ここは、どこかしら。
見たことのない場所ね。転移魔法陣も範囲外。
つまりは少なくとも王国の外に私は連れてこられたのね。
突如、私が起きたことをリアルタイムで見ていたかのように男が入ってくる。
「起きましたか?起きていても喋れないんですがね。」
ええ、起きてるわよ。最近の男ってみんなプライバシーとかへの配慮にかけてるわ。
女性が寝ている場所に入ってきているのだから。どいつもこいつも.....
「ここはリーカイン帝国。最も、そろそろ国名は変わりますが。」
わぁー、なんか首謀者らしき人いたわ。捕虜に話すとか頭いかれてるのかしら。
「私はシキロルです。ここの魔法全部私が作ったんですよ、きれいでしょう?
この帝国は平民の手柄を皇族の手柄にする横暴な国です。
これは私が作りましたが、すぐに皇族に知れ渡り私の功績ではなくなりました。」
唐突な自分語り。それは私が起きていないと信じているからこそできること。
普通捕虜に全部話すのは戦争に負ける決定打ですもの。
それに、こいつがルエさんが言っていたシキロル・フラシノンね。
なんか、めんどくさいタイプの匂いがプンプンするわよ。やる気が失せたわ。
「ルエが首尾よく捕まえてきてくれて助かりました。
あの子は皇族の末裔でありながら我が陣営に協力してくれている予言しなので。」
同じ陣営、ねぇ。
ルエさんはきっと貴方の敵よ?
彼女は本気で貴方のことを殺したいと思っている。
彼女の内側に渦巻く魔力の淀みは大きかった。
それだけの殺意が湧いている証拠。
ルエさんはすべてを知っていた、私に頼めば少しは改善すること。
けれど、そのためには私だけのちからでは足りないということも。
私は”生徒”の中で強いだけ。
”世界”に出れば一瞬で倒されてしまう下々の魔術師。
教師の結界を私が破ることができたのも学園の先生たちには
生徒死守義務があるからすべての魔力を使うことができなかったため。
私とルースト様ぐらいの戦力をぶつけないとだめかしら。
教師の七割ぐらいの強さだから、1.4倍の戦力!素晴らしい!
うん、先生一人派遣したほうが早いわね。
「どうせ聞いてはいないだろうけれども
貴方もこちらについたほうがいいと思いますよ。それでは」
なんか色々話していたんだろうなって思いますわ。
本当に聞いてなかったのが少し申し訳ないぐらいに。




