第25話:わたし、私
ずっと、パーティーでお父様が話す政治のことが嫌いだった。
何歳の頃かは忘れた。
どれだけ立ってもこの記憶だけはしっかり覚えていると思ってる。
フェルミナ様に出会った。
金色の髪のきれいな女の子だった。
当時パティーの途中暇だった私はその事一緒に抜け出した。
もちろん、その後お父様とお母様の2人からお叱りは受けたけれど。
フェルミナちゃんが庇ってくれた。嬉しかった。
いつも私のことを政治の道具としか思っている両親とも。
赤髪のせいでからかってくる他の子息、子女とも。
切り離されている、少し上にいる人物だった。
その日から私は勉強を頑張った。
フェルミナ様に似合う人物となるために。隣で守るために。
思えばこの頃からおかしかった。
頭の中に別の感情が乗り込んできたようにフェルミナちゃんに倒れていった。
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
パティーで初めて王子様に会ったときにその意識を自覚した。
私の中に別の人格が入ってきて、そっと感情だけを置いて帰っていった。
『 あいつが憎い あいつが憎いあいつが憎いあいつが憎い あいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎い あいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎い あいつが憎いあいつが憎い あいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつが憎いあいつ』
『フェルミナ様を殺そうとするなんて許せない。』
違う。私はフェルミナ様なんて呼ばない。
「フェルミナちゃn」
「フェルミナ様、私は貴方様に降りかかる障害を払います。」
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだい
こんなの”私”じゃない。
でも声は私もの。
輪廻の魔法、それは呪と同じ性質。王族は最高の結果を迎えるまで一生繰り返す。
輪廻の魔法は王族にしか許されていない。が、
ときたまに魔力量の多い少女や、少年は輪廻魔法に影響して記憶が戻ることがある。
別の世界線からの記憶が。
そうだ。これは私の記憶。
フェルミナ様を狙うルースト王子を殺さなくては。
いじめから何度も繰り返されるたびに助けてくれた彼女を守るため。
このままこの人格に任せよう。
私はたまに呼び戻されるときだけでいい。
フェルミナ様には突っ良い私を見てもらいたいもの。
しかし、暗闇に沈んだこの人格は、一生戻ってくることはなかった。




