第17話:学園に帰ろう、早く帰ろう。
私が放った火炎魔法が広がる。
あーあ。避けられてしまいましたわ。
でも第二波があるし、いいですわよね。
うん。そろそろ聞いてきましたかしら?
睡蓮の第二波の水霧。移動速度低下と視力低下を引き起こすわ。
「こんなもので勝ったとおもわないで!」
ふ、もうそこから動けないぐらい疲れているのに何言を言っているのかしら。
「こんな魔法すぐに解いて...」
エリザが目の前で悶える。そんな簡単にほどけるわけないけどね。
「貴方、きちんと訓練を受けていれば良い資格に慣れたのに残念ね。
あぁ怖い。そんなに睨まないでくれる?私は可能性の話をしているのよ。」
こんなに反応するのはいいわね。あとは追い打ちをかけるだけ。
「ねぇ、私と一緒に皇太子側につきません?」
惹かれるでしょう?自分がボロボロに負けた相手が自分の陣営に誘ってくるなんて。
本職プライドがある人なら負けることが嫌でも自分を磨くために選ぶ。
「私は待っているわよ。連絡してちょうだいね?」
財務大臣が家に帰る頃合いだから財務省に情報を抜き取りに行きますか。
「それではごきげんよう。また会えることを楽しみにしてるわ。」
後半は私が一方的に話してしまったけどいいわよね。
どうなるか楽しみだわぁ。ルースト様も戦力が増えるなら喜ぶでしょう。
転移魔法を駆使して移動。
ふう、ここね。朝来たときに転移用のマップにマーキングしといて良かったわ。
普通に魔術妨害結界破っても良かったのだけど、疲れるし楽できる方がいいわよ。
ここらへんに大臣の黒歴史ノートとかないかしら。
おっと、そんなものを探しに来たわけではなかったわね。
わかりやすく二重帳簿とかここらへんにあるか........あったわね。
それも不用心にテーブルの上に。
偽物な可能性もあるけれどこれは回収しておきましょう。
これ残しておいたら良くないことが起きる気がするし
ルースト様へのプレゼントということで。
この鍵付きの棚も開けましょう。結構頑丈な鍵ね。
私も負けていられませんわ。
ここを、こう、ああここだったわね。これを合わせてと、開きましたわね。
一段目は、見なかったことにしてあげましょう。本当に黒歴史ノートがあるとは。
さて二段目は、ゴージャスな万年筆がいっぱい入っているわね。
これ数本くすねとって売りましょうか。
あっこれフェルミナ様が欲しがっていたモデルだわ!もらっていきましょうっと。
三段目は札束ねぇ。ここに全ておいてあるのは不用心じゃないかしら。
危機察知能力は高いのにリスク分散はできない。
幼稚園児かしらね?自分の家に隠し持ったほうがバレづらいと思うわよ。
皇太子側の私が言っても意味ないと思いますけれど。
四段目にも二重帳簿が入っているじゃないの!
さっきのは偽物ね。見つかってよかったわ。
ま、証拠の品は全部掴んだわけだし帰りますか。
ユーゴのときも思ったけれどスパイって基本夜中に行動するから美容に悪いのよね。
それこそルースト様の人使いの悪さがにじみ出ているのだけど。




