第10話:明日に向けて
財務省の中に入ると決まれば新しい職員として入るのが一番自然よね。
偽名でも作って置かなくてはいけないわ。
あぁしばらくフェルミナ様に会えないなんて。
ほんっと無情な仕事だわ。
「皇太子権限で財務省の中にわたくしを推薦してくださいますか?」
流石にこれくらいはないと困る。頼みますわよ。
「わかった。推薦しておく。名前は後ででも教えてくれ。」
いかにもめんどくさそうに返事しているけど貴方が命令したのよ?
わかってるかしら?
「ありがとうございます。」
そしたら偽名はどうしようかしらねぇ。
「そろそろ俺は行くが、お前も気をつけろよ。」
お前呼ばわりなんて最悪だわ。
あっち行ってくださいます?シッシ!
「わかりました。お気をつけて。」
その面倒事だけ人に押し付けて堂々とどっか行けるのはすごいと思いますわよ。
私も帰りましょう。
あっいい名前をお思いつきました。[ハピナス・ セリチュリー]なんてどうでしょう。
幸せな秘書を少し文字いじりをしてみましたの。
意味は結構変わっているし流石に分かりづらい。
それに意外と自然だしこれにしましょう。
次はスーツを買いに行って、とりあえず寝ますか。
その前に髪型変えておきましょう。
寮に帰って鏡の前に座る。
普段なら頑張ってくるくるドリルにしている横髪をストレートに。
後ろ髪は下の方でお団子、こんな感じて秘書に見えるかしら?
新人という設定だし別にいいわよね。
次は質素なパンツスタイルの服に着替える。
これでいいわね。
「転移」
転移は苦手だし本当はやりたくないけれど、しょうがない割り切っていきましょう。
この店、何回来てもなれないのよね。
「こんにちは。オーダーメイドスーツをお願いしたいんですが。」
店の奥からガタガタと音を鳴らしながら女性がやってくる。
「はぁーい、しょうしょうおまちくださぁーい!」
今にもてぽてぽと音が聞こえてきそうなほどの間抜けボイス。
出てきたのは首にメジャーをかけたエルフの女性だった。
「スカートですかぁ?、パンツですかぁ?」
「パンツでお願いします。」
こちらにてぽてぽて歩いてきて女性話した。
「最近はパンツ希望のお客様多いんですよぉ。」
そろそろ来る。
彼女の魔法は魔力で人の身体のサイズを測る事ができる。
「測るので魔力にきをつけてくださぁい。」
ふんふん、と息をしながら測り終えた彼女はこう話す。
「新しいお仕事ですかぁ?がんばってくださいねぇ。」
サイズピッタリのスーツを用意して飛ばして顔にバサッととかける。
「また来てくださいねぇ。」
顔にかけるのはやめていただきたい。
これで準備は整った。書斎の本に偽名を書いた紙を挟んで置いたし。
ベットに軽い保護魔法をかけて身の安全を確保。
温かいベットの中に全力で飛び乗って布団を手繰り寄せると
つい、「ふぁ」とあくびが漏れる。
明日から潜入調査ですし、今日は早めに眠りますか。




