53話 離れたくない
今まで服は自分から脱いでいた。
でも、今日は違う。
シューク様の手で、私の服が脱がされる。
フリュイ様が迎えに来てくれたとき、私は脱ぎ着が楽な、前ボタンが付いたブラウスに、青いロングスカートをはいていた。
シューク様の指が、首元から一つ一つボタンを外していく。
私はドキドキしながら、終わるのをじっと待っていた。
最後のボタンを外すと、シューク様はブラウスを私からはぎ取った。
スカートはウエストベルトを外して足元から抜きとろうとしたから、私は腰を浮かせて協力した。
とうとうシュミーズとドロワーズも脱がされて、私は一糸まとわぬ姿になった。
「エクレーヌ、とってもきれいだ」
シューク様は愛おしそうに私を見て、目を細めた。
見られていることは恥ずかしいけれど、シューク様の視線が私の身体をいっそう熱く火照らせる。
シューク様も自分の服を脱ぎ捨てた。
美しいシックスパックの筋肉が、私の目に飛び込んで来る。
そして最後は、今まで脱いだことがなかった下穿きを脱いだ。
彼の彼自身が、太く大きく猛々しくそびえ勃っている。
だけれど、それには黒いつる草の文様が一本浮き出ていた。
こんなに大きなものが私の中に入るのかと思うと、一瞬恐れを感じたけれど、私の愛で、竜の最期の呪いを消せるのだと思うと、怖くはなかった。
「エクレーヌ、愛している」
シューク様は私にキスをしながら、背中に手を添えて、優しくベッドに押し倒した。
そしてベッドからはみ出ていた足を持ち上げて、ベッドに上げてくれた。
頬を両手で包まれて、舌を絡ませる濃厚なキスをした後、シューク様の左手は私の胸のふくらみへと動いた。
シューク様の指の動きに合わせて、私の身体がビクッと跳ねる。
刺激的で、それでいて甘美な快感。
感じた私は自然と声が漏れ出てしまう。
「んん、あっ、ああん」
シューク様の指も唇も舌も、私の敏感な部分を知り尽くしているように、何度も私を攻め立てる。
「ああ、ああん、も、もう……それ以上は」
刺激が強すぎて、やめて欲しいのか、もっとして欲しいのか、自分でもわからなくなる。
シューク様から十分すぎるほどの愛撫を受けて、意識が朦朧とし始めたときに、シューク様は言った。
「次は、俺の番だ」
私はとろんとした目で、彼の濡れて艶めいている唇を見ていた。
「できるだけ痛くないようにするから」
シューク様が、私の目を見てそんなことを言うから、私はこくんと頷いた。
それが合図だった。
「うっ」
私は痛さに顔をしかめてしまったけれど、愛する人のそれ自身を受け入れるのだと思うと、嬉しさの方が強かった。
「んんっ」
私は痛さを堪え、シーツを両手でぎゅっと握った。
私の中に、シューク様が入っている。
「あっ、ああ」
破瓜の痛さよりも、私がシューク様を包み込んでいるのだと実感できて、それが嬉しい。
全てが終わり、シューク様はしばらく余韻を味わった後、私の身体に覆いかぶさって来て、そして私を優しく抱きしめた。
「エクレーヌ、ありがとう。すごく良かった」
私は彼の大きな身体が、とても愛おしく思えて、背中に腕を回して抱きしめた。
そのとき、―終ったよ― と、私の身体が最後の呪いを消したことを告げてくれた。
私たちは、しばらくずっと裸のままで抱き合っていた。
私の腕の中にいるシューク様が、愛しくてたまらない。
ずっとこのまま、あなたを抱いていたい。
その思いが溢れる泉のように、私の心に湧き上がってくる。
ああ、ずっとずっと、このまま離れたくない。




