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モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


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51話 命令に背きました

私が自室でお茶を飲んでいるときに、フリュイ様の訪問があった。


どうも急いでいるらしく、玄関先で私を待っていると、ショコラが私を呼びに来た。


おそらく、シューク様の呪いの苦痛が発現したのだ。


私はマントを掴んで、フリュイ様のもとに走った。




前回と同じように、私はフリュイ様と一緒に馬車に乗る。


マントを着けて王宮に入ろうとしたら、フリュイ様が足を止めた。


「聖女様、シューク様は聖女様を呼ぶなと言われましたが、私はその命令に背きました。私には退勤命令が出ておりますので、一緒には行けません。どうか、おひとりでシューク様のお部屋に行ってください。どうか、どうかシューク様をよろしくお願いします」


フリュイ様は、深く頭を下げてから立ち去った。




「シューク、入るぞ!」

まるで開けゴマの呪文のように声を張り上げて、私はシューク様の部屋の中に入り、中から鍵を閉めた。


静まり返った部屋の中には、シューク様の姿はない。

おそらく寝室にいるのだろう。


防音魔法が施された部屋で、今も苦しんでいるのかもしれない……。


マントを外し、寝室の中に入ったら、シューク様はベッドの端に腰を掛け、頭を抱えて必死に何かを我慢しているようであった。


「ううっ……」

堪え切れずに、漏れ出るうめき声が痛ましい。


私はシューク様の前に立った。


「シューク様、顔を上げてください」


シューク様は、何故あなたが? とでも言いたげな目で私を見た。


顔色は悪く、冷汗まで流れている。

私が来るまでの間、ずっと苦痛を我慢していたのだろう。


私はシューク様の頬を両手で包んで顔を近づけた。


シューク様は、きょとんとした顔で目を見開いていたけれど、私はお構いなしに、唇を重ねた。


いつもだったら、シューク様が舌をねじ込んでくるけれど、今は私から……。


シューク様の唇を、舌でこじ開け忍ばせる。


シューク様の上あご、歯茎、頬へと舌で舐め回し口腔内を蹂躙して、私からシューク様の舌を誘う。


シューク様も私に応えて、舌を絡ませてきた。


ああ、私はやっぱりこのキスが好き。


シューク様のねっとりするような舌の動きに、私は翻弄される。


長い長いキスの後、銀色の糸を引いて唇が離れた。


私はこのキスの間、ずっと神聖力を流し続けたのだ。


「シューク様、苦痛はなくなりましたか?」


「あ、ああ、ありがとう。助かった。でも、何故あなたが……? いや、フリュイが呼びに行ったのだな」


「フリュイ様を叱らないでください。彼はあなたのことを大切に思う忠臣ですわ」


私は、失礼しますと、シューク様の隣に座った。

ベッドが私の重みでギシッとへこむ。


「シューク様、苦痛は収まったようですが、まだ呪いの文様は残っているのですね」


「エクレーヌ、あなたには、それがわかるのだな」


「はい」

口づけで神聖力を流したけれど、私の身体は終わりを告げなかったから……。


「どうして苦痛を我慢してまで、私を呼びに行かせようとしなかったのですか?」


「それは……、あなたを困らせたくなかったから……言えば、きっとあなたは受け入れてくれるだろう。だからこそ、言えなかったのだ」


「そう思うのは……、呪いの場所が問題なのですね」


シューク様は驚いた顔で私を見た。


「見える文様はすべて消えました。だから残っているのなら、まだ隠されている場所だろうと思ったのです」

  


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