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モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


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50話 最後の呪い

ああ、今回もエクレーヌに救われた。


催眠術に掛かったシャルロットを、俺はどうして良いのかわからなかった。


そもそも、催眠術に掛けられたと言うことも、認識できなかったのだから……。


本当にエクレーヌの知恵と献身には脱帽する。


彼女ほど、聖女に相応しい女性はこの世にいないのだろう。

そんな彼女だから俺は惚れたのだが……。


だが、エクレーヌの心は、やはり、クリードにあるのだな。


クリードのために献身的に治療を施し、呪いを消し去った後は、二人で手を握り喜び合った。


あの幸せそうな顔を見て、俺はもう、嫉妬する心も消えてしまった。


クリードを想う一途な思いが、神託にもつながったのだろう。


だから、俺には言えない……。

俺の最期の呪いの文様を、消してほしいなんて……。


もし言えば、責任感の強い彼女だから、きっと自らその身体を差し出して、俺を受け入れてくれるだろう。


だからこそ言えないのだ。


エクレーヌ、俺はあなたを手に入れることができるのなら、魔王にだってなれると思った。

だが、結局、俺は魔王には、なりきれなかったようだ……。


ううっ……


とうとう、最後の呪いが俺を襲ってきた……。


ううっ……く、苦しい……だが……俺は我慢するしかない……。




俺が寝室で苦痛に耐えていると、フリュイが現れた。


「退勤時間なので、ごあいさつに来ま……、シュ、シューク様、いったいどうされたのですか?」


フリュイに不味いところを見られてしまった。

「いや、なんでもない」


「それほど苦しまれているのに、。なんでもないはずがないでしょう。もしや、竜の呪いでは? 今すぐ聖女様を呼んでまいります」


「フリュイ、行くな、これは命令だ。前のように、正気を失うほどではない。我慢していればそのうちに収まる」


フリュイ、お前は防音魔法が施された寝室の中で、何が行われているのか知らないから、そんなことが言えるのだ。


「何を言っているのです。呪いは放っておくと、いつかシューク様のお命を奪ってしまうのですよ。すぐに聖女様を……」


「だめだ、聖女を呼びに行くな。もうお前の退勤時間だ。俺のことはいいから、早く帰れ。これは命令だ」


「……わかりました。ご命令に従います」


ああ、やっとフリュイが出て行った。

俺は一人で、呪いの苦痛と戦っていた……。




私、フリュイは、モンブラン伯爵家の三男として生まれ、爵位も領地も財産も継承する権利はなく、剣術や頭脳なども、これと言って秀でたものはなく、先行きに不安を感じておりました。


ですが、変装魔法のお陰でシューク様に見いだされました。


シューク様が十五、私が十七の年に、専属侍従に取り立てていただき、それから七年間、ずっとおそばで仕えて参りました。


シューク様の専属侍従であることは、今では私の誇りでもあります。


シューク様のご命令は絶対で、かつ、間違ったことは一度もおっしゃったことはありませんでした。


私はシューク様のご期待に添えるべく精進を重ね、どれも完璧にやり遂げたと自負しております。


ですが、今回は、今回だけは、シューク様は間違っている。


シューク様、私は初めてあなたのご命令に背きます。




私は馬車を、聖女様がいるマドレ侯爵邸へと向かわせた。





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