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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第84話 シャロンと

(*´ω`*)第二章のボス戦の最中に汗と皮膚の老廃物と出血した血を魔力で硬質化させて変身ヒーローに成る技をマスターしますが⋯其れ書くのいつに成る事やら

 高級宿を出た後はプリメリアを屋敷まで送る。もう直ぐ夜である。


「シャロンどうしてるかな」


 クートは貴族街から繁華街まで走って行き、シャロンが働く店に入る。食事と酒を頼み、途中からだがシャロンの踊りを楽しむ。


(相変わらず綺麗だな)


 体付きは勿論だが、足運び、体幹バランス、間の取り方や手や指の細部の動き。


(やっぱなんかの戦闘職だろうな)


 気には成るが、其れこそ詮索は彼女の生き方に失礼だ。個人の生き方に口を出すのはクートが一番嫌う行為だ。


(食材鑑定って自覚の無い人も居るんだろうな)


 クートも何となく食材選びが上手く、獲物の解体も得意だった。自分は戦闘職だ、戦闘職が良いと云うバイアスが働き合理的判断が出来なかった。しかし、絶対に認めたくないと云う反骨心と戦闘職への劣等感が、彼に新しい扉を開けさせた。


(覚醒スキル魔食晩餐)


 だが其のチャンスも、彼が食材鑑定だからフラッペの目に留まったが故の事。並の戦闘職だった場合、此処までの戦果を上げられているかは不明だ。基本他人と組まないのは劣等感故の事。もしも満たされてしまっていたら、もっと安全に堅実に生きていたかも知れない。生き急いでる自覚は有る。だが止まらない。止められない。此れが今の自分の生き方なのだから。


(全ては繋がっている)


 家族からの無理解。家族を騙して黙って家出して上京した事。モンスターを殺せば殺す程高まる殺戮衝動。衝動を抑える為に抱く女達。


(まぁ良いか)


 今夜は変な事を考えてしまう。気分転換に酒を飲んだからだろうか。苦くて酸っぱくて不味い。酩酊感も無い。


(⋯もしかして解毒作用起きてるか?)


 モンスター食なんて云う致死性の毒物を喰らい続けていた為だろうか。以前飲んだ時のふわふわした感じすら無い。変な味のする色水を飲んでいる様な感じだ。


(今度毒も喰らってみるかな)


 ちなみにモンスターの血肉は毒物であるが、余り人間用の毒としては使われない。其れは何故か?答えは臭くて不味いからだ。食事や酒に混ぜたら一発でバレる。


「⋯!シャロン」


 伴奏がクライマックスに差し掛かったシャロンの流し目と目が合う。クートに魅せる為だろうか?より一層激しく情熱的に踊り狂うシャロン。


(誘ってるなぁ)


 扇情的な腰付きや揺れる谷間に、客の男達が釘付けになってるのが解る。


(まぁ俺の女なんだけど)


 そんなつもりでもなかったのだが、仕事が終わったシャロンと店の前で落ち合う。


「会いたかった」

「シャロン?」


 ギュッと抱き締めて来るシャロン。


「もう私の事飽きちゃったのかと思った」

「そんな事無いよ。シャロンの踊り好きだし俺」

「ふふ、嘘でも嬉しいよ」

「嘘じゃないって」

「本当?」


 お喋りしながらシャロンの部屋へ向かう。


「私を抱く時、何か遠慮してるでしょ。其れ止めて。貴方の好きにしてよ」


 話もそこそこに衣服を脱ぎ出すシャロン。


「なんか目が怖いんだけど?」

「だって―――」


 シャロンの顔が曇る。クートに好きだと言われたのは踊りだ。其れで満足してる⋯筈だった。


(うぅ⋯自分でも矛盾してるのは解ってる⋯)


 踊りも見ずに顔や体で判断して求めて来る男等お断りだ。クートはシャロンの踊り、技術や努力、生き方を見てくれる。だからこそ、女として見て欲しいと云う矛盾。


(いや、女として見てはくれてるけど⋯私こんなに独占欲強かったっけ?)


 シャロン自身もクートに好意を告げた訳ではない。偶に会いに来てくれるクートが全然来なくなったので、先日はシャロンから会いに行ってみた。そうしたらクートは不在だった。其れは良い。クートは冒険者なのだから。しかし話がおかしくなって来たのは其処からだ。クート不在に関して彼に関わりが有りそうな女達が続々と現れたのだ。特に誰かと張り合ったりした訳ではないが、何となく引くに引けなくなっていた。出会った時の、助けて貰った話まで引き合いに出して冒険者ギルドに居座った。其処に現れたのがあの魔女―――


(悪食フラッペ⋯)


 腕に覚えの有る冒険者達が黙らせられる程の圧倒的強者。そんなガチの人間兵器と張り合う気は起きない。潔く身を引くつもりだった。しかしクートは来てくれた。客席に彼の姿を見つけた瞬間、体の奥底から力が湧いて来た。まるで愛しい恋人に数年ぶりに再会した様な感覚だ。過去一番激しく情熱的に踊り切った。ショーの終わりに声を掛けて来た男達を無視してクートに飛び付いた。妬みの視線を向けて来る男達にまるで気付いていない様に見えるクート。


(クートに突っ掛かる奴は居ないと思うけどね)


 シャロンなりにクートに関して調べてみた。やはり彼は異常だった。ソロ活動でモンスターを大量に仕留めているらしい。普通はパーティーを組んで安全に狩りをする。一瞬の油断が命取りに成るからだ。

 

「私も喰らってみてよ!私は不味いっ!?美味しくないっ!?」

「シャロンの味は好きだよ。病み付きに成るね」


 クートはシャロンの挑発に乗り、望み通り好きに抱かせて貰う事にする。体の出来てないプリメリアと違い、抱き甲斐は⋯食出は有る。何時もよりちょっと乱暴に抱いてみた。肌に痕が遺るくらい噛み付く。傷口から血も滲み出す。


「痛っ」

「ぺろっ。シャロン?止めておく?」


 シャロンは体が資本だ。露出の高い衣装も着ている。歯型が見えるのは宜しく無いだろう。シャロンの血の味を愉しみながら確認する。


「良い、から」


 酒場の支配人には帰り際に話してある。


「明日休むから、平気」


 クートはシャロンの胸に付いた歯型に唇を寄せる。


「綺麗だよ。シャロン。俺が抱いた女の中で一番綺麗だ」

  

 プリメリアの様な初々しさや、ショコラの様なボリューム、ハーニャやレナの様な戦う為の筋肉とかとは違う。美しく魅せる為だけに研ぎ澄まされた肢体だ。


「踊ってるシャロンは世界一綺麗だよ」


 嘘偽らざる本心だ。


「この⋯生意気。年下の癖に」


 シャロンは照れ隠しに唇を塞ぎクートの上に跨る。しかし其れも長く続かない。結局途中で意識を飛ばし、最後の方は好きに抱かれるだけに成っていた。


「好きにして⋯て、そう云う意味じゃなかったんだけどなぁ⋯」


 どんなにクートが求めて来ても応えて上げるつもりだった。無理だった。其れもそうだ。シャロンのスタミナは精々が毎日、数十分のダンスを休み休み数時間踊る程度。クートは食糧自給自足で十何日もモンスターを殺戮し続ける冒険者。勝てる訳が無い。クートはシャロンを好きに抱いてはいたが、やはり優しく丁寧に扱っていた。


「はぁ、アンタが女たくさん囲ってる理由解ったわ。こりゃ一人二人じゃ無理だわ」


 クートに長時間、何日も抱かれて平気なのは、魔力消費を脂肪燃焼でカバー出来る特異体質のショコラぐらいだろう。其れで云えば、体力的に未だ子供なプリメリアがクートに抱かれているのも、魔力操作に依る魔力消費のロス軽減が大きい。一般人のシャロンでは太刀打ち出来ない壁である。


「悔しいけどさ⋯貴方の好きにさせてあげられない」


 クートの胸板に頬を寄せる。遠目には華奢にすら見えるクートだが、服を脱ぐと引き締まった鋼の様な肉体美が有る。明らかにモンスター食と云うか、魔石の心臓の生き血を啜っている影響だ。


(硬い。何食べたらこんなに鍛えられるの?)

「そんな事無いよ。シャロン可愛いし」

「だから生意気だっての」


 シャロンは少し頬を膨らませてクートを睨む。散々シャロンを抱いたクートはケロリとしている。とゆーか寧ろ艶々している。男性経験も然程無いシャロンだが、クートは明らかに異常だった。

(*´ω`*)クート君が娼館に行かないのは、彼の性行為が魔力を喰うからですね。魔力がたくさん有る魔法職や、良い血を取り入れ続けてる貴族とかのが美味しいらしいですね。

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