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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第67話 魔法士ギルド附属魔法科分校

(*´ω`*)家名持ちは貴族以上ですね。なので平民の住所とかは◯◯町の大きな木の側の緑色の屋根の家の◯◯さん家の息子の◯◯みたいな?うちのばっちゃんの話だと昔郵便とかそれで届いたらしいぞい。

 フラッペは支払い時に御代わりを頼んで行ってくれた様で、新しい紅茶とケーキが出て来た。最初とは違う茶葉とケーキだったのだが⋯


「美味しいですね、コレ」

「!?⋯解りますか?」


 ウェイトレスの女性が驚く。クートはケーキは見ただけで、紅茶は香りだけで違いを見抜いたからだ。


「⋯フラッペ様の指示で、最初の物は一番安いケーキセットを⋯今お出ししたのが一番高い物となっております」

「はは、フラッペらしいな」


 笑うクートを不思議そうに見詰めるウェイトレス。どうせ直ぐに知られると思うので自分から言う。


「俺、スキルが食材鑑定なんですよ。だからって別にグルメの美食家は自称しませんよ?フラッペにはモンスターの肉を喰わされますし」

「!?⋯どうりで」


 ウェイトレスのクートを見る目が変わる。


「⋯今度試飲試食をお願い出来ますか?」

「良いですけど。俺初級ですよ?」

「あのフラッペ様が選んだ人材です。舌は確かなのでしょう?」


 目が爛々としてる。そっち側の人だったらしい。


(いや、俺が言うならこっち側⋯か)


 ウェイトレスと軽い世間話をしつつケーキと紅茶を頂くクート。確かに最初の物よりも一段と美味かった。其の後は取り敢えずロビーをプラプラする。冒険者ギルド支部と違ってやはりお洒落な感じだ。最初来た時はダンジョン探索への期待とかで余り見る余裕が無かったが。


「本も読めるんだな」

 

 片隅のコーナーには閲覧自由な書物が置いてある様だ。冒険者ギルドのクエストとは違うが、掲示板の様な所に張り紙が沢山有る。素材募集や人材募集等が主である。個人で出すお願いの様な感じだ。魔法士ギルドからの依頼は直接名指しで指名が行くのだろう。


「んー⋯まぁ好きに見回って良いなら適当に行くか」


 ロビーだけでも結構時間は潰せそうだが、折角なので案内板を見て何処に行くか決める事にする。


「まぁやっぱフラッペお勧めの図書室かな。魔法士ギルドのモンスター図鑑とか有ると良いな。魔法素材の植物図鑑とかでも良いけど」


 冒険者ギルドに有るモンスター図鑑はあくまで冒険者ギルドが編纂している。内容は絶対に違う筈である。試験勉強には関係無さそうだが、クート的には是非読んでみたい。そんなクートを見てヒソヒソ話をする者達が居た。


「⋯何アレ?」

「冒険者?」

「でも此処に居るって事は魔法士?」


 図書室の有る別館を目指して歩いていると、明らかに若い魔法士が増えて来た。皆上等なローブを羽織っている。年はクートより少し下か上ぐらいに見える。ざっくりだが十三歳から十七歳ぐらいの振れ幅だ。初級か下級の魔法士達だろうか?


「ああ、学校⋯て奴か?」


 クートは学校と云うか、教育機関を知らない。村に住む物知りの爺婆達から色々教わったりしていたが、ちゃんとした機関で学んだ事は無い。そもそも高度な教育を受ける為には金が要る。此の世界では教育を受けられない平民も多い。


「貴族の子女が通う⋯えーと確か⋯そう此れ、魔法士ギルド附属魔法科分校」


 ふと見掛けた案内板に表記が有った。図書室は此の先、魔法士ギルド附属魔法科分校を横切るルートが近道だ。実は外に出て裏から回れば遠回りだが図書室に行ける。面倒事を避けたい魔法士はそちらを選ぶ。しかし、クートは最短ルートを進んで来ていた。平民出身の魔法士が避けて通る、厄介なルートを。


「なんだアイツ」

「怖いわ」

「おい、部外者が居るぞ?」


 クートは手斧やチョッパーを背負った、一種異様な姿で魔法科分校前の廊下を歩く。生徒達に奇異の目で見られるが、其れも含めて相手を観察する要素とする。


(コイツは弱い。コイツはまぁ手強い。コイツは殺せる)


 底上げされた感知能力の慣らし運転も兼ねて、若い魔法士達の魔力感知を行って行く。


(全員貴族なのかな?)


 戦闘力は無さそうなのに基本的に皆魔力が高い。王侯貴族に拠っては近親婚を繰り返す者達も居る。しかし大分平和になったとは云え、此の世界はモンスターが跳梁跋扈する弱肉強食の世界。貴族達は平民だろうが関係無く強い血を取り込んで来ている。そんな貴族の子女達はスペック的には平民より遥かに高い。


(俺達よりも恵まれた肉体に、潤沢な魔力)


 此れが貴族―――――――――――――――――――――――――――――――美味そうだ。


(魔法科分校か。面白い―――)


 此の町の魔法士ギルド支部の別館に有る、貴族の子女が通う魔法士ギルド附属魔法科分校。所属は魔法士ギルド支部では有るが、立場を考慮しあくまで貴族街に有る学校の分校と云う位置付けを取っている。だが実際は貴族街本校よりも高度な魔法教育が可能な特殊クラスだ。貴族街本校は通常の勉強に加え、ダンスやマナー、護身術等を学ぶ所だ。しかし此方の分校は望めば上級魔法士から直接指導を受けられる。此の分校に通う貴族の子女達は魔法の才の有る選ばれたエリートである⋯と云う意識が芽生えていた。


(けど弱いな。殺してもきっとつまらない)


 しかし、貴族の令息令嬢に危険な事はさせられないので、結局知識だけが詰め込まれた頭でっかちな連中の出来上がり。此処はそんな複雑怪奇な教育機関であった。


(まぁ良いか。どうでも良いし)


 自分達の聖域に突如現れた異物に拒否反応を起こす生徒達を無視する形でクートは廊下を突っ切る。あのダンジョンのGランクモンスター程の脅威も感じない。


(魔法士って本当ピンキリなんだな)


 やはりフラッペショコラは上澄みらしい。


「別館か。広いなぁ」


 クートは基本的に悪意や害意には敏感である。しかし、其れはあくまでも戦闘時の話である。普段の平常時での嫌悪感や拒否感には鈍感である。女達からの好意もそうである。余程命の遣り取りに直結しない限り、クートが他者からの感情に敏感に成る事は無い。


「⋯ねぇ貴方」

「俺?」

 

 そんなクートに話し掛けて来る者が居た。前髪で隠れていて顔は良く見えないが、可愛らしい女子生徒だ。


「⋯其れ、余りしない方が良いよ」

「?⋯ああ、そうか」


 魔力感知の事を指摘された。確かに相手を見る時、相手からもまた見られている。もしも其の相手が格上の場合、此方の力量や手の内を見破られる。そう、今の様に。


「有り難う。気を付けるよ」

「⋯うん。気を付けてね」


 そう言うと女子生徒は去って行った。クートはアドバイスに従い魔力感知をオフにする。


(魔力感知はあくまで自分のパーソナルスペースを軸に展開しよう)


 不意打ちを受けても回避すれば良い。余り広範囲に感知領域を広げ過ぎても、近くの伏撃を見逃したら意味が無い。感知範囲外からの遠距離攻撃とかはもう、来た時に対処するしか無いだろう。


「ふむ。勉強に成ったな。やるじゃん御貴族様」


 大した事無いと思ってしまった自分を反省する。生徒達は未だ子供だ。成人と成るのは十五歳からであるが、貴族社会では十八ぐらいで一応の成人扱いらしい。十五歳の成人はあくまで飲酒喫煙の解禁、若くして犯罪を犯した者を大人として裁く為の規定に過ぎない。だから目の前に居る有象無象も、クートを超える強者に成り得るのだ。


(⋯喰ってみたいな)


 強い奴なら喰ってみたい。魔力感知は閉じたものの、食指はより動く事に成る。そんなクートにまた話し掛ける者が居た。今度は男の声だった。


「よう、悪食のペットってのはお前か?」

(*´ω`*)目隠れ女子生徒はお約束通り美少女ですけども。強スキルかどうか?殺せるかどうか?でしかの判断基準が無いクートくんとフラグは立つのか?彼女は敏感肌?なのでクートの魔石感知を食らうと、素手で内臓を触られてる様な感覚に陥り失神失禁不可避です。アレはクートを心配したのでなく自分が不快だったから止めただけでつかね。引き篭もりのド陰キャです。たぶん

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