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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第52話

(*´ω`*)久しぶりにアラサー女子軍団登場でつ。うーん?男女逆にすると、アラサーの男達が十五の娘を取り合う形になるのでちょっとアレでつね。24案件でつ。

「じゃ、私仕事有るから」

「もう夜じゃない?まだギルドやってるの?」


 緊急事態に備えて夜間も冒険者ギルドには一応人が居るが、受付業務は夜までだ。シフトに入っても直ぐに上がりだろう。


「トロネが居るから」

「ああ、そうだったわね」

「私達無断欠勤しちゃったから一応顔出さないとだよ」


 そうして町の冒険者ギルドにアラサー女子三人組が帰還する。受付嬢カヤル、斥候職ハーニャ、弓術教官メリッサである。


「じゃぁそう云う事で」

「ええ、恨みっこ無しって事で」

「⋯ち、ちかれた」


 ガッシリと握手を交わすカヤルとハーニャ。その横でメリッサがぐったりとしている。何時カヤルとハーニャが取っ組み合いの掴み合いを始めるか気が気では無かったからだ。クートがレナとパーティーを組んでEランク昇格クエストをクリアしたあの時から、延々と話し合いが続いていた。時に酒が入り、白熱した。子供の世話が有るからと逃げようとしたらメリッサの自宅が戦場と化した。旦那は止める事をせず、子供を連れて避難してしまった。メリッサは見捨てられたのだ。其の短くも長かった良く解らない地獄の様な時間から漸く解放されたのである。時間的には一日と半日と云った所だろうか?


「私居る必要有ったかな?」

「居なかったら殺人事件が起こったかもね」

「メリッサの家でね」

「なんでよ!?」


 話の流れで一触即発に成りかけた二人だが、一応落ち着いた。クートと肉体関係を持ってしまったハーニャであるが、アレは事故の様な物だったと説明は出来た。カヤルも血涙を流しそうな顔で納得⋯した⋯多分。やはり共通の敵が現れた事が大きかった。


「槍士レナ」

「とんでもないダークホースよ」


 クートの同期で期待の新人レナ。クートと一緒にEランクモンスターデスファングボアを倒した槍使いだ。カヤルやハーニャは、洗練された大人の女の魅力でなら負ける気はしない⋯が、向こうは若さが有る。化粧してないのにピチピチの肌。インナーマッスルに支えられた脅威を感じる程の驚異的な胸囲。しかも若い。若くて可愛い。スタイルが良い。そして若い。⋯と、云う事はまだまだ伸び代が有ると云う事だ。能力的にも女としても、だ。アラサー女子からすると恐ろしい強敵である。


(ルカ⋯頑張って⋯陰ながら応援するから⋯)


 クートに想いを寄せる愛弟子の弓士の少女を思い浮かべるメリッサである。レナと同じくクートの同期である彼女の健気な姿を思い浮かべると、何故か罪悪感を感じてしまうメリッサである。


「そう云えば⋯」

「クート君見掛けないわね?」


 クエストに行かない時やクエスト終わりに、クートはギルドのロビーの書物を読んだり、高ランククエストの必要要項を読み込んでいる。居ないと云う事はクエストか、もしくは彼が拠点としている宿屋の手伝いだろうか。


「またモンスターでも狩りに行ってるんじゃない?」

「ええ、もう?」

「彼ならやりそうだけど⋯」


 流石に今更クートを心配はする事は無い。彼は下手な戦闘職よりも戦える。Eランクモンスターを倒した直後に飛び出して行っても不思議は無い。


「トロネ、クート君知らない?」

「流石に昨日の今日でクエスト受けないわよね?」


 時短勤務の子持ちパート受付嬢に訊ねてみる。


「ど、どうだったかなぁ〜⋯ぴゅ~っ⋯ぴゅす〜⋯」

「トロネ?口笛吹けてないわよ?」


 カヤルはカウンターに有る台帳から進行中のクエストを確認する。


「えーと、クート君は⋯クエスト受けてるのね?」


 有った。名前が有る。其れは問題無い。大体いつも何かを受けている。討伐クエストだろうか?


「え?指名クエスト?私聞いてないんだけど?」


 カヤルが台帳を抱え込む。一応職員以外は部外秘なので、ハーニャやメリッサからは見えない様にする。ハーニャは勿論、メリッサも半引退の雇われである。一時的にだが半永久的にクエストを受け続けている様なものだ。


「魔法士ギルド?」


 首を傾げる。クートの固有スキルは食材鑑定だ。魔法の固有スキルを持つ冒険者が魔法士ギルドにヘッドハンティングされる事は偶に有る。一応引き抜き防止として兼業を認める措置が有る。冒険者ギルド側からしても、専門職から手解きを受けて魔法使いとして成長して貰った方がメリットが有るからだ。


「最長一週間!?⋯いえ、場合に依っては多少の延長も有り⋯なんて事―――」


 カヤルが愕然とする。漸くハーニャと話が付いた所なのだ。暫くぶりにクートとお話出来ると思ったのに。


「指名クエストの依頼人は誰?」


 一心不乱に台帳を確認する。


「フラッペ?――――まさか魔食家フラッペ?悪食フラッペ?」


 其の名を見て戦慄する。


「しまった。失念してたわ」


 フラッペは一部では有名だ。モンスターの希少部位を高値で購入し、調理して食べたりしてるらしい。勿論モンスター等普通は食べれないので、食中毒でしょっちゅう死に掛けてるとか。其の所為なのか何なのか、見た目が全く老けなくなっている、らしい?


(若いままなのはちょっと羨ましいけど⋯あの年齢のまま固定されるのは辛いわね)


 何度か見た事有るし、受付嬢として会話した事は有るが、見た目はどう見ても魔法使いの格好をして遊んでる幼女である。確かカヤルよりも年上だ。クートとは親子程も離れている筈だが⋯


「食材鑑定⋯だけじゃないけど、彼女の趣味に有意義なスキル持ちは⋯そりゃぁ狙われるわね」


 失態を悟るカヤルとハーニャ。フラッペは気紛れにだが高報酬のクエストを依頼してくれたり、希少部位を高値で買って行く。冒険者ギルドと魔法士ギルドの関係は良好だ。閲覧権限は定められている筈だが、新人冒険者の固有スキルぐらいならフラッペなら調べられる。


「其れは⋯私は関係無いわよ」


 メリッサが渋面に成る。もう帰りたい。旦那と子供が待つ家に。


「誰よ。こんな指名クエストをやらかした担当受付嬢は⋯」


 トンチキな合法ロリ魔法士に、可愛い可愛いクート君を売り払った犯人を調べる。


「⋯⋯トロネ?」


 トロネだった。そう云えば⋯


「確かレナと引き合わせたのもトロネよね?」


 カヤルとハーニャが真顔に成り、ギギギと軋む様にゆっくりと顔を冒険者ギルドカウンターへ向ける。其処には夫と子供を持つ既婚パート受付嬢が居る⋯筈だった。


「おん?何時まで油売ってんだカヤル。早くカウンター入れよ。お前がブッチした分の仕事溜まってんぞ?」


 しかし、ギルドカウンターには支部長が居た。職員と不倫したりする屑だが仕事はちゃんとやる男である。小さい町の冒険者ギルド支部なので、トイレ休憩や昼休憩、そして子持ちの受付嬢が早上がりする時は代わりに受付業務をしてくれたりする。


「あん?トロネなら早上がりしたぞ?もうあいつの業務も終わりだしな。てゆーかカヤルが居ないから延長してくれてんだぞ?帰らせてやれよ。そしてお前等は何時までサボってんだよ」

「クート君⋯」

「トロネ⋯またアンタなの?」


 カヤルは悪い魔女に拐われた想い人に想いを馳せ、ハーニャはクートに次々新しい女を引き合わせるトロネに怨嗟の念を向ける。


「どうか、どうか悪い年増女に誑かされないでね」

「年増女ってお前其れなんて自己紹介⋯もがぁ!?」


 余計な事を言いかけた支部長の口をメリッサが塞ぐ。此れ以上トラブルは御免である。


「だ!大丈夫でしょ!期限は一週間!延長してもどうせ十日ぐらいでしょ!」


 メリッサが明るく言い放つが、場の空気は凍ったままだった。そしてメリッサの台詞がフラグとなったのか⋯クートは一週間経っても十日経っても、二週間経っても戻って来る事は無かったのであった。

(*´ω`*)丁寧に細かく設定しましたが漸くボス戦です。クート君の実力的にも尺的にも今回のダンジョン探索は此のボス戦で終了ですね。其の後はアラフォー合法ロリVSアラサー女子軍団の場外乱闘が始まりまつよ。こう御期待!←

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