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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第95話 Cランク冒険者シェラザード

(*´ω`*)ゴールデンウィーク漸く終わりましたね。やったー!

(手槍を使うまでもなかったな)


 Dランクモンスターすら爆殺する自爆技だ。レベリア相手に使えば殺してしまったかも知れない。


「よいしょ」


 クートはレベリアを担ぎ上げる。大切らしい剣も拾って鞘に納めてやる。鎧は完全に破壊されてるので放置する。


「おい、もう帰って良いか?」


 そんなクートにアーシャが問い掛けて来る。まさか此れから女を抱くから其れまで待ってろとは言わせない。だが⋯


「直ぐに済むから時間潰してて」


 クートが銀貨を投げ、アーシャが受け取る。


「太っ腹だな」


 金で解決するのが傭兵の流儀。銀貨一枚で抱かせろなら殴り付けているが、女を抱いてる間の拘束時間代と考えるなら美味しい。


「御飯でも食べてて。途中だったでしょ」

「解った。手加減してやれよ?使い物に成らなくなったら意味無いし」

「解ってるさ。味見するだけだよ」

「味見ねぇ」


 クートは此れから倒した女を抱くのに罪悪感や気負いが無い。喜びや興奮も無い。淡々としている。


(まるで罠で仕留めた獲物を解体する様な作業感だな。怖い奴⋯)


 クートは強い。強い以上に其の精神性が怖い。


(いかんな。関わっちゃいけない奴なのは間違い無いんだがな)


 他の女達が惹かれるのも解る。惹き込まれる様な謎の魅力が有る。甘いマスクに優しい声音、死の匂いが同居する危険な少年。耐性の無い生娘ならコロリとヤられてしまうだろう。


「あのーーー、私は帰って良いです?」

「じゃ、本返して」

「解った、待ってます」


 ラビも不承不承頷いた。クートは大胆にも一番近くの宿屋へ向かう。確かに時間短縮には其処が一番だろうが、殴り倒して気絶させた女を連れ込む事を隠そうともしない。ヤっている事は完全に人攫いだ。


(クートの強さは本物だ)


 アーシャが先程の戦いを思い返す。レベリアも弱くはない。本当に弱ければとっくに今の様に解らされていたろう。


(ふん。少し興味が湧いて来たしな。まぁ良いさ)


 クートがレベリアを抱いてる間ぐらい待ってやっても良い。どんな風に女を抱くのかも興味が有るが、見物する気も無いので酒でも飲んで待つ事にする。


「あー、レベリアちゃんが⋯」

「あの女っ誑しの毒牙に掛かる娘がまた一人」

「助ける?」

「馬鹿言うな。レベリアに勝つ奴だぞ?」


 ギャラリーも特に反応しない。クートとレベリアは大声でそう約束して決闘をしていた。確かに女を殴り倒して気絶させ、連れ去ろうとしているクートは如何な物かとは思う。しかし全て自己責任なのが冒険者だ。其れに鋼の鎧を素手で破壊する様な奴と戦う気も起きない。更には⋯


「良い気味よ」

「ま、痛い目見るのも社会勉強じゃないかしら。貴族のお嬢ちゃん」


 手籠めにされそうなレベリアを見てせせら笑う者も居る。特に女性冒険者達だ。


「うわぁ、女怖ぇ」


 其れを聞いた男冒険者達が肩を竦める。ナチュラルに平民を見下し冒険者を卑下するレベリアは普通に嫌われていた。見た目が良い為に女達からは特に。


「ぐちゃぐちゃに犯されちゃえ」

「んーでも、クートって子に抱かれた子達、皆夢中よね?」

「じゃぁアッチの方は上手いのかな?」

「あはは、上手い下手関係無いって。御貴族様よ?下賤な平民にヤられたらショックで自刃するかもよ?」

「あは、愉しみぃ〜」

 

 冒険者に成りたくて成った者達ばかりではない。娼婦として生きるか冒険者として生きるかしか選択肢が無かった女達も居る。そんな中で貴族貴族、騎士騎士と煩い綺麗めな女は嫌われて当然である。


「いやでも、流石に不味くないか?」

「でも殺し合いじゃねーし、流血も無いしなぁ」


 野次馬達も少し困る。此のまま見捨てても良いか迷う所だからだ。女冒険者が酷い目に遭う。其れを見過せば冒険者ギルドからお咎めを受ける事も考える。所謂保身だ。ギャラリーの一人がアーシャに話し掛けて来た。

 

「冒険者ギルド職員さんは、此れを見て見ぬふりするのかい?」


 そうやって面倒臭そうな事を押し付けようとする。アーシャは最初から居た当事者の一人だ。場を上手く収めてくれるのを期待する。


(所詮野次馬。困ったら他人頼りか)

「知らん。今は受付嬢の業務外だ。私は傭兵だぞ。負ければ敵の慰み者にされるのは当然だ。まぁクートはレベリアを仲間にしたい訳だし、そんなに乱暴にはしないだろう。クートを止めたいなら金を払え、言い値で良いなら受けてやる」

「ええ⋯」

「いや、其処まであの娘助けたい訳じゃねーし⋯」


 傭兵としての立場で話すアーシャに、仲裁を頼むのを諦める見物人達。


「ま、仕方無いか」

「あーあ、変な終わり方」

「またあのガキが良い目見ただけじゃん」

「思ったよりスッキリしねーな」

「まぁ良いや、仕事仕事」


 こうして誰も、レベリアを助け様とはしなかった。其れに彼女の性格上、此の場で助けに入ってもまともに感謝してくれるかすら怪しい。余計な手出しをするなとか怒り出しかねない。結局はレベリアの人望の無さが彼女の運命を決定付ける事になっていた。しかし―――


「待て」

「ん?」


 レベリアを運搬するクートに声を掛ける者が居た。観戦していたギャラリーの中から姿を現す一人の男。二十代後半ぐらいだろうか。


「誰だぁ、アレ?」

「あ、彼奴は確か⋯」

「シェラザードだ」

「あぁ、貴族野郎か」


 周りが反応する。此の町の冒険者ギルドでは中堅レベルの実力者だ。


「彼女の非礼や侮辱は私が詫びよう。頼むから無体な真似は止めてくれないか」


 クートの行く手を整った顔立ちの男が塞ぐ。彼の名はシェラザード。Cランク冒険者。暗黙の了解で有るが、彼は貴族か元貴族の冒険者の一人である。所作は丁寧で物腰が柔らかく、人望も有る。ハングリーさにはやや欠けるし、危険なクエストには挑まないので冒険者としては中堅だ。しかし剣術に於いては此の町の冒険者ギルドで上澄みの方である。実力はレベリアの完全上位互換。武器破壊術や甲冑組手を高いレベルで修めている本物の騎士である。


「私はシェラザード。クート君だったね。其の娘を渡してくれないかな?」

「⋯⋯⋯⋯⋯あ?」


 正統派の美男子である。整った容姿は正に貴族令息だ。ちなみに妻子持ちなのでカヤルの守備範囲外だ。妻は平民なので、身分違いの恋の為に冒険者に成ったのだと噂をされている。


「彼女には前から言い聞かせていたんだ。何時かこうなるからと。私からしっかりと言い含める。此処は私に免じて―――」

「知らん。誰だお前」


 クートに剣呑な気配が滲む。クートはレベリアの誘いに乗り、正々堂々と勝負した。何度もやり直してやって何度も勝った。別に無理矢理犯すつもりも無かったが、レベリアの了承を得ている。売り言葉に買い言葉の口約束だが、何も問題は無い筈だ。命の遣り取りならば口出しされても仕方無いかも知れないが、ちょっと抱くぐらいでごちゃごちゃ言われる筋合いは無い。


「レベリアは未だ子供だ、だから―――」

「成人済みだろ。俺のが年下だ。子供の喧嘩に大人が口出しすんなよ」

「子供の喧嘩の範疇を超えているだろう」

(*´ω`*)クート君が悪者チンピラ枠で、シェラザードがヒーロー役な気がしますが気の所為ですな。

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