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継炎ノ残響  作者: 秋島蒼天
反撃ノ開始
45/46

第035話 〈武装せよ・Ⅱ〉

2075/4/17 p.m.4:52 学校地下聖遺物倉庫


皆が聖遺物の説明書を読む。


「うおおお!こりゃすげぇぜ!」

「これがあれば…」


四つの聖遺物はそれぞれ


日本刀:Cランク聖遺物「村雨」

奇跡「水滴流」を持つ。刀身から常に清らかな水が滴り、刀の汚れを洗い流す。使用者の精神力に応じて威力が上昇する水刃を発生させ、飛ばすこともできる。


腕輪:Cランク聖遺物「精神腕輪」

奇跡「不屈なる意思」を持つ。装備者が気絶しても起き上がらせ、精神力を回復させる。精神汚染にも軽い耐性を持つ。しかし、あまりにも頻繁に使うと逆に使用者の精神が破壊される。


流星鎚:Cランク聖遺物「万里鎚」

奇跡「無限延長」を持つ。使用者の意思に応じて鎖の長さが変化する。また、鎚部分は非常に密度が高く、オスミウム(約22.6g/㎤、水の22倍以上)と同等である。


狙撃銃:Bランク聖遺物「飛来狙撃銃」

奇跡「意思飛翔」を持つ。発砲後、使用者の意思が弾丸へ移り、弾丸の軌道を自在に曲げられる。同時に使用できる弾丸は1発のみで、再び打つには着弾を待つ必要がある。


「おいおい、これで俺たち全員が平均してBランクになったようなもんだよなぁ!」


始が興奮気味に話す。

彼が一番喜んでいるだろう。精神腕輪は彼の能力による変身解除後の気絶を無くし、即座に次の行動へ移れるようにする。戦闘力自体に変化は無いが、はるかに生存能力が上昇したのだ。


舞が万里鎚を持ち上げる。


「わっ、見た目より重い!」

流星鎚を振り回し、そのまま前方へ放った。


「うん、私もこれすっごくいい感じ!風で鎚の軌道も変えられるみたいだし!」


白斗と史郎は各々の物を観察している。史郎のほうは珍しく目が輝いていた。


「ほう…原型はM82A1、バレル長が少し長いですね。重量も軽い。9kg程度ですか? 細部は異なっているようですが…口径はM82と同じく12.7mmで、使用弾薬は12.7×99mmNATO弾ですね?装弾数は8発、こちらは少ないですね…」


ブツブツとつぶやいている。


「あー、そういえばこいつ銃大好きだったな…」

「逆に聞きますが、このロマンがわからない男がいますか?」


始の言葉に史郎が返す。


「まぁ俺も好きだけどよぉ…でも型番とかは全然わかんねぇわ。」


悠真はその様子に若干引いていた。

(おいおい、ノンデリだけど敬語だし眼鏡キャラだしこうなるとは…)



白斗は意外にも冷静だった。刀を鞘から抜き、刀身の水滴を払うように振る。


「悪くないな…」


納刀し、みんなに振り向く。


「なぁ、せっかくだし実戦しないか?」


「賛成ー!最近精密コントロールの訓練ばっかりで戦闘は全然やってなかったし!」

「俺も賛成だ!普通に戦いたい!」


舞と始は即座に返事する。


史郎は少し迷ったのち、答える。


「いや、私のすごく遠距離攻撃なんですけど…」

「それじゃぁチームマッチでどうだ?」


悠真が提案する。


「んえ?でも5人だぞ?」


始の問に答える。


「実はな…白斗は知ってるかもしれないが、俺はAランクの聖遺物を使えるようになった。」

「はあああ!?Aランク!?」

「それってCランク生徒が手に入れていい代物なんですか!?」

「?????」


始と史郎は心底驚き、舞はあまりの衝撃で脳の処理が追いついていないのか、フリーズしたような表情になった。


「まぁいろいろとね。うん。」

「お前なぁ…」


白斗はあきれ気味に言いながら悠真寄に耳打ちする。


「騎士のことはこいつら知らないからあんまり派手なことはやるなよ…」

「まぁ確かにそうか…」


悠真も小声で返し、史郎をちらりと見る。


「でだ、この聖遺物近接は強いけど遠距離はあんま得意じゃないんだよ」

「つまり、私と組んで3人を相手にするって感じですか?」

「そういうことだ。」

「そりゃいい!じゃぁステージは広いほうがいいな!早速仮想ルーム行こうぜ!」


-2075/4/17 p.m.5:01 仮想模倣室第04ルーム -


「ステージはサイバーシティでいいか?、今後の主戦場は市街地になりそうだしな。」


サイバーシティは近代的な市街地戦ができるステージ、ステージ内に高速道路があり、そこらへんの建物の中でバイクが手に入るので簡単にチェイスができる。


「ああ、それでいい。」


悠真が白斗に答える。


部屋の様相が変わり、5人がランダムビルへ飛ばされる。


ルームの設定をいじっているのでスタート時点から全員無線機とコンパスを所持している。悠真チームの周波数が140.85、白斗チームのほうの周波数が141.80。


テュリリンテュリリン


「ん?早速鳴ったな。史郎からの通信か。」


周囲を見渡し、無線に出る。


ザザ、チュイン


「こちら悠真、近くにはスカイツリーに似た建物、その南へ100mほどのビルの5階にいる。オーバー。」

「こちら史郎、スカイツリーに似た建造物を確認しました。私はそこから北に500mほどの場所にいます。周辺に敵影無し。オーバー。」

「ロジャー、では俺は地上から索敵する。オーバー。」

「単独行動は危険では?」

「俺の聖遺物は防御力が売りだ。任せておけ。」

「なるほど、ロジャー、アウト。」


無線を切り、指輪へ変化した如意合金へ触れる。


「悟さん、よろしくお願いしますよ。」

「もちろん、そんじゃいくぜ?」


如意合金が変形し、悠真を包み込んでいく。


数秒後、それは全身が黄金に輝く騎士風の鎧になっていた。


「おお!始めて使うが、すごいなこれ!軽くて動きやすい!」

「訓練時にお前のキントレのために高速衣に変化してただろ?それの逆だ。」

「なるほど、それじゃ、行きますか!」


ビルの窓からガラスを割りながら飛び降りる。15mの高さがあるが、黄金鎧武で身を包んだ悠真はそれを物ともしない。完璧なスーパーヒーロー着地で地面に降り立つ。

(これで少なくとも一人はこちらに気が付いたはずだ。一応合流していてリンチされるのを防ぐために移動するか。)


テュリリンテュリリン ザザ、チュイン


「悠真さん、音を立てすぎです!気が付かれますよ!」

「それが目的だ。あいつらをここへ誘導する。お前とここの間にほとんど遮蔽物もないしな。」

「そういうことですか、でしたらまぁ…」


-2075/4/17 p.m.5:03 白斗サイド -


三人は無線で話している。


「おい、今の音聞こえたか?」

「うん、私のほうからはもう悠真の姿を確認できるよ。どうする?叩いたほうがいい?届くけど。」

「まて、悠真のことだ。多分わざとだろう。絶対に史郎が虎視眈々と狙ってるぜ。やるなら室内に入ってからだ。」

「おっけー、それじゃぁまずは合流しよう。」


舞はそういい終わると同時に無線を切り、悠真から距離をとる。


50m、60m、70m…


「こっちには気が付いてないみたいね…」


万里鎚の延長可能距離はほぼ無限、しかし、舞が操れる距離の限界は50m、射程距離外。


「二人ともせめて史郎に見つからないといいけど…」


テュリリンテュリリン ザザ、チュイン


「こちら始、おそらく史郎の位置が分かったぜ。」

「本当!?」

「まじか、どこだ?」

「えーっと、俺の位置する場所から見るに、スカイツリーもどきから北に500m程度、俺は気が付かれてない。」


始めのその言葉を聞き、二人は笑う。


「よし、そのまま近づて倒せば、一気に有利になるぞ!」

「そのつもりだ!」


始は史郎へ接近を開始する。


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