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継炎ノ残響  作者: 秋島蒼天
反撃ノ開始
46/46

第036話 〈チェイス・オブ・ロード・Ⅰ〉

2075/4/17 p.m.5:06 仮想模倣室第04ルーム


始は能力を使用し、変身する。


「『鎧骨・不屈巨人(フォートジャイアント)』」


それは全身に分厚く骨を纏う、防御の姿。全長は2m以上になり、飛来狙撃銃で撃たれても数発は耐えられる。その代わり、速度は大幅に落ちるうえ、攻撃力も殲滅戦車(エクスチャリオッツ)形態に劣る。


「さっさと仕留めないと、悠真と合流して詰みそうだしなぁ。」


史郎がいるビルの前に立つ。エレベーターは気が付かれる。階段も音でばれるだろう。


「なら、これだ。」


史郎がいる部屋の反対の外壁から骨を出現させ、よじ登る。


史郎との距離が近づく。



しかし。


「なるほど、何か来てますね。」


ドン!


撃針と雷管が衝突する音。史郎が打ち出した弾丸は、複雑な軌道をえがき、ビルの周りを飛び回る。


ビルの陰から飛び出した弾丸が始の視界に映る。


「チィッ!気が付かれたか!」


始は反射的に左腕を持ち上げ、受けようとする。


だが、弾は軌道を曲げ、始の眉間に命中する。


「痛ってぇ!」


頭部装甲の骨が砕ける。


「さすがに無力化はできませんか。」


史郎は次弾の発射を用意しつつ、無線機を起動させる。


テュリリンテュリリン ザザ、チュイン


「こちら悠真。どうした史郎、発砲音が聞こえた。誰と接敵した!?」

「始です。私一人では分が悪いので支援を!」

「わかった、1分ほど耐えてくれ!」


悠真は史郎のほうへ走る。飛来狙撃銃の装弾数は8発で、発砲音は1回。つまり残り7発。このままでは確実に史郎がやられるだろう。


悠真は道路を駆ける。


黄金鎧武によって増強された脚力にアスファルトが耐えられず砕ける。


(あと300m――)


「おっと、そうは問屋がおろさないよ!」


上から水刃が飛んでくる。


「白斗か!」


水刃を殴り、霧散させる。


「こっちもね!」


後ろから舞の万里鎚が襲い掛かり、悠真に絡みつき、拘束する。


「うお!?」

「その鎧かち割ってやるよ!」


白斗は村雨を振り上げる。水を纏い、その水が白斗の冷気で凍り付く。


「たしかに、ただの金属ならそれで破れるだろうな、だが、こいつは!」


村雨が振り降ろされる。だが、黄金の鎧はそれを弾く。


「ぐお、Aランクは伊達じゃないか!」

「さらに、こんなこともできる!キャストオフ!」


悠真は如意合金を変形させ、内部から飛び上がり、舞の拘束から抜ける。


「おいおい、それじゃぁがら空きだぞ!」


再び水刃が飛んでくる。


「俺自身も防御技持ってるんだよ!炎盾えんとん!」


水の刃と炎の盾が対消滅する。


「私を忘れてない?『圧空乱斬(あっくうらんざん)』」


後ろから竜巻が迫る。


「それは対策済みだ!『火炎ノ(まとい)螺旋体(らせんたい)』!」


竜巻が悠真を切り裂こうとするが、全身にまとった炎の回転でそれを受け流す。


「まぁそうなるわよね!『圧空疾風(あっくうしっぷう)』!」


鋭い空気の弾丸が打ち出される。


「こっちも行かせてもらう!『冷熊(れいゆう)』!」


巨大な氷の熊が召喚される。


「もう遅い!」


如意合金が変形し、再び悠真の体にまとわりついて黄金鎧武を成す。


「そんじゃさらば!史郎を助けに行かなくちゃなんでな!」


悠真は近くに止めてあるバイクへ走る。


「あ!待て!」


白斗と舞はそれを追うが、速度的に追いつく前に逃げられる。


「おまえらとやりあってたら史郎がやられそうなんでね!」

「させないよ!ふん!」


舞が万里鎚を投擲し、バイクの破壊を試みるが、悠真は如意合金を変形させ、それを防ぐ。


「白斗!凍鷹でバイクを壊して!」

「言われなくとも!」


氷の鷹が出現し、バイクへ迫るが、到達前に悠真はバイクへ乗る。


「じゃぁな!」


バイクで逃げだすが、凍鷹の特攻により右のサイドミラーが飛ばされる。


「ぐ、こうなりゃ俺たちもなんか乗り物探すぞ!」

「あ、あっちにもバイクある!」

「よし、お前はそれに乗れ。俺はもう一回凍鷹出して空から追う!」

「おーけー!」


二人は追跡を開始した。

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