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継炎ノ残響  作者: 秋島蒼天
反撃ノ開始
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第031話 〈跳躍の刻印・Ⅰ〉

投稿がめちゃくちゃに遅れてすみません。作者は風邪をひいて一週間ぐらいまともに話せなかった上に三週間たっても喉が痛くて小説を書くどころじゃありませんでした。

2075/4/13 p.m.7:12 アンダーガーデン本部


「お前が相手になるか、一応PDFで俺の能力を確認しておけ。俺はハンデとしてお前の能力を知らないで戦う。」


悠真たちは蒸雲の言葉に従い、能力を確認する。


「えっと、なになに、能力名『跳躍の刻印(リープマーカー)』、自身または自身の攻撃によって損傷を与えた対象に印を付与し、印同士の位置を入れ替える。一度使用すると印は消滅する。そして、入れ替える対象の質量差が60kgを超える場合は使用不可。また、1t以上の対象は入れ替えできない……悠真さん、あなたの体重っていくつでしたっけ?」


悠真が史郎にこたえる。


「58kgだけど…」

「まずいですね、ほぼ当たれば即死ですよこれ…」

「悠真、考え直せ、俺か始ならせめて60㎏ある。」

「あれ白斗、俺お前に体重教えたっけ?」

「お前どう見ても175㎝以上なうえにムッキムキじゃねぇか。」

「あ、たしかに。」

「そういえば舞さんは何k…」


始が素早く史郎の口を塞ぐ。


「バカお前女子に体重聞くなよ!」

「エピソード32の公式資料ですら体重黒塗りになってんだぞ…」

「史郎、さすがにどうかと思うぞ。」


その場の空気が一時的に緩む。


「んで、理解したな?始めるぞ。」


蒸雲のその言葉により、軽口が霧散する。

そこには焦りも苛立ちもない。

ただ、絶対に勝つ者の自信だけがあった。


悠真は無意識に唾を飲む。


(当たれば終わり……それだけじゃない)


一撃でも通せば、位置を入れ替えられる。


一度印を付けられれば回避も、防御も、攻撃も意味をなさない。


「……いいよ、やってやる!」


悠真が一歩、前に出る。


「グッド!」


その流れのまま悠真と蒸雲は仮想ルームへ入る。


「さて、ステージはどうする?ランダムか?」

「なるべく燃えやすいステージだとありがたいんですけどね。」

「んじゃお前が選べ。」

「大和城でいいですか?」

「へぇ、いいぜ。そこなら俺も得意だ。」


[ステージ『YAMATO-JOU』、痛覚1.0倍、再現開始]


悠真がステージを選択すると、ルームは複雑に入り組む広大な和風建築へと変る。


「では教育してやろう、本当の能力者の闘争というものを!」


蒸雲は言葉と同時にコートの下から大量の鉄片が結びつけられた巨大なスティレット(でっかい針みたいなやつ)を抜き放ち――


次の瞬間には、間合いを詰めていた。


「速…!」


迫りくるスティレットへ悠真は即座に炎を前方に放ち、防御を行う。

しかし、炎が蒸雲に当たる寸前、蒸雲は突如姿を消し、悠真が気づいたころにはすでに悠真の後ろへ回っていた。


(どうやってるんだ?まだ印を付けてない場所にもワープしている。いや、違う!ワープじゃない、PDFに書かれてる能力と表現が違いすぎる!)


悠真はいったん飛びのき距離をとる。


「こういう時は!逃げる!」

「逃がすと思うか?」


蒸雲が再び悠真の前に現れる。

だが――ほんの一瞬、何かが視界を横切った。


(……今のは)


蒸雲は転移する前にスティレットに括りつけられた鉄片を投げており、それと入れ替えを行っているのだろう。


(恐ろしく速い投擲、俺でなきゃ見逃してるぜ。)


転移してきた蒸雲の攻撃を弾き、悠真は周辺を見渡したのち、鉄片が散らばっている領域から離脱する。


(ステージがステージだからな、どこにばらまかれたのかよくわかんねぇ、やっぱり逃げながらヒットアンドアウェイを繰り返そう。)


「おいおい、逃げてるばかりじゃ戦いにならねぇぞ。」


蒸雲は周辺に鉄片を投げながら追いかける。


(そうは言うが、射程距離ならこちらに分がある。鉄片が尽きるまで逃げつずけりゃ、俺の勝ちだ!)


鉄片は大した攻撃力がなく、圧縮した炎をまとえば簡単に防げる。入れ替えによる転移以外に気を付ける必要はないと判断し、悠真は鉄片がある場所に入らないよう、一直線に逃げる。


しかし、突然正面に、鉄片がない場所に蒸雲が転移してきた。


「は!?」


スティレットの刺突をぎりぎりで避け、悠真は蒸雲に向き直る。


「お前、ちゃんとPDF読んだか?転移方法が鉄片との入れ替えだけなわけねぇだろ。」


悠真は蒸雲の能力を思い返す。


「傷を付けた場所との入れ替え!鉄片でステージにダメージを入れてたか!」

「正ッ解ッ!」


その言葉の直後、悠真の頭上から100kg以上はあるであろう巨大な木造構造物が降りかかる。


「これは!」


急いで炎盾で防ごうとするが、木造構造物は炎盾に当たったことで崩れ、悠真がその中に埋もれる。


「残念なことに直接攻撃じゃなきゃ印はつけられんねぇ。まぁ、こうすりゃいいがな。」


蒸雲は瓦礫にうもれた悠真に何度も刺突を繰り返す。

悠真はなんとか炎盾で防御しているが、崩されるのも時間の問題だろう。


「いいや、まだ俺には策がありますよ!」


蒸雲の後方から火球が襲い来る。


「久々に使ったぜ。知らぬ間に燃え広がる不知火からの火球攻撃コンボ!」

「まじかよ。そんなこともできんのか!」


蒸雲が少し驚いて振り向いて防御を行う隙をつき、悠真は瓦礫から逃れ、手にて炎を圧縮する。


(火炎螺旋!!)

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