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vs紅月

咳がつらいですね。風邪ひいてました。

正直今の時代、魔物、ダンジョン、異能力者による犯罪行為。これらを完全に無視しきれて平凡に生きることができる場所は絶対にないだろう。断言するね。んじゃどうやって平凡にするかって?そりゃ...

......

...

放課後、オレは地下5階の訓練場、兼体育館に来ていた。だだっ広い訓練場には射撃場、柔道場、などなどの様々な施設がそろっている。生徒は使用内容と使用時間さえ言えば貸し出してくれるシステムとなっている。


「あいつら結局昼飯は別で食ったみてぇだな。まあ、それとは別でこのカツサンドはどうしても食べたいと...食い意地の張り方キモォ...」


なんて独り言をつぶやいていると例の二人、セセラギと紅月+天闇が到着した。


「...いやなんでお前いるの?そっちの二人しかオレ呼んでないけど?」


「いやなに。君と一戦交えることができると聞いてな!俺も混ぜろ!」


セセラギとも紅月とも、模擬戦をすることが少ないこともあって今回はこんな当てつけをしたのだが...まあこの際天闇の力量も久々に計ってみるのも悪くない。


「...よし!三人とも相手してやらぁ!」

............

.........

初戦は紅月。前回、前々回とかなりあっさりオレに負けてしまって、かなり悔しかったらしい。まあそれでも鬼強ぇんだがな。

「前回ほど簡単には負けたりしてやらないんだから!」

そう言って彼女は構えをとる。オレも同時に長剣を構える。別の武器もたまには使わないと、身体がなまってしまうからね。

「期待しちゃうじゃん?」

「生意気!」

そういうと紅月の掌から鮮血が溢れ出す。

血液は彼女の掌の上で宝石のような紅い輝きを持った、長柄武器――ハルバードの形を作る。

そのまま、躊躇なく叩きつけてきた。


(速い……!)


確かに振り上げ時の無駄な動きが解消されている。単なる鍛錬の結果じゃない、戦闘そのものに最適化された動きだ。


「見惚れてる隙なんてないんじゃない?」


気づけば長剣をからめとられて身動きが取れなくなっている。その状態のままハルバードをひねりオレの武器を遠くに放り出した。

「私を体慣らしの練習台程度にしか見てないんなら、このまま痛い目見るわよ?」

さすがとしか言えない見事な技だ。まあ言われた通り、正直だいぶなめてかかっていた。めっちゃ強くなってる。

「ワオ」

「情けない声!さっきの威勢、何処に行ったのよッ!」

そのまま紅月は猛攻を仕掛け続ける。なんだかんで結構押され気味だ。この短期間でずいぶんと強くなったな...などと考えていると気づけば少しずつペースをつかまれてきてしまっている。このままだと敗色濃厚...


「こぉんな序盤に使うことになるなんて...正直悔しいよ。」


「使いたくないなら使わなければいいだけのことじゃない。負けてもいいならって話だけど。」


それもそうだ。手を抜いていたら負けてしまったなんて、バカらしいの一言だ。でも、その加減の取り方がわからない奴は二流だ。自分が押し返せるぎりぎりまで耐えて相手の手の内をすべてさらさせる...これが対人の正解だ。

まあ、その手の内をこのまま出せきれないのは三流ってもんだから...

「それじゃあ遠慮なく...【零の双刃】...!」

............

..................

............

異能力者たちが獲得できるスキルにはスキル発現時に獲得できる「固有スキル」と、自己研鑽によって得ることのできる「エクストラスキル」の二つがある。

【零の双刃】

五十嵐赫弥あかねを暗殺者たらしめているのは、せいぜい希少(レア)ランクの短剣を召喚するだけの、このスキルである。

............

.........


「成長速度は相変わらず早いもんだんだね。戦闘中にも相手の技術を見て盗む...いい心がけだと思うよ。」


「お世辞は嫌いよ。それにそんなこと抜かしてる暇なんか上げないんだから!」


それはそう。これはそこそこ奥の手よりの技だ。こんな短時間で使わされるとは思ってなかった。強くなったねぇ。セセラギと例の勇者クンには届かないけど。これは負けらんねぇや!

「じゃあ...こっからが本番だ...!」


右手の短剣を逆手に持つ。

紅月の目が鋭く細まる。


次の瞬間。

オレは真正面から踏み込んだ。


「速っ!?」

振り上げられたハルバード。

その柄を短剣で受け流す。

火花。

さらに一歩前へ。懐へ。


閃光が散るような鋭い視線同士が交差する。

.............

.........

「前々から思ってたが、赫弥の【零の双刃】には魔力の()()()がないんだな...」


「召喚魔法とか、そう大層なものじゃなくて基礎的な空間魔法に近いらしいよ。」

物とか入れられるアレとかいう話を僕と天闇(あまやみ)はしていた。

目の前では現在進行形で赫弥と紅月が切りあっている。ただ先ほどよりも明らかに赫弥の動きにキレがかかっている。


「絶対ほかにもあるだろう?バフ系統の効果とかさぁ」


「多分ないよ。」


「嘘はよくないぞ!...え、ホント?」

これに関しては本当によくわからない。言えることがあるとすれば、赫弥が気分屋であるということ。

あいつはもともと漫画大好き、とくに短剣を扱うキャラが大のお気に入りらしい。

前々からあこがれてようやく手に入れたスキルだ。きっと使えて気が高ぶってしまうのだろう。

つまりは根性論とかに近い。果たしてこれは解説になるのだろうか?こんなこと言ったって天闇は納得しないだろう。一番根性論好きそうだが...

「気分ってやつ...だと思う...うん。」


「そうか。気分か...それでいいや...」


赫弥~あきれられちゃったぞ~...

............

.........

「へっぶしっヵっぶねぇ!? 誰?俺の噂してるやつ?」


「こンの〇△◇?~!」

「お嬢様の口調がそんなんでいいんか?」

まあくしゃみされながら簡単に避けられたんじゃそりゃイラつきもするわな。

ハルバードを振り下ろしかけている紅月(くれづき)に足払いを食らわせたが躱される。だが無理な体制からよけようとしたせいで崩れる。

もちろんこんな好機を逃すようなことはしない。

オレは右手で突きをお見舞い。先刻からハルバードのつかの部位だけを狙って攻撃し続けたおかげでついにひびが入り始めた。


そして続けざまにオレは左手でひびのど真ん中に短剣を突き刺した。するとガラスが割れるような音とともにハルバードが粉々になった。

「なっ?!」

そのまま紅月の体がさらに大きく崩れる。その隙に占め技をかけ...

「はいオレの勝ちぃ!」

そういって彼女の首筋に刃を当てた。

............

.........

魔物、ダンジョン、異能力者による犯罪行為。これらを完全に無視しきれて平凡に生きることができる場所は絶対にないだろう。ならせめて自分の力を使って、平凡を維持し壊されないようにすればいい。そのためにオレは戦い、学び、強くなり続ける。矛盾している?


まあ、既にまともじゃなくなったこの世界なら、これくらいの矛盾してるくらいが心地いいんだよ。

name 紅月セゼ


skill 深紅の戦乙女ヴァルキリー


Height 160.6cm weight 48.2㎏

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― 新着の感想 ―
今回も最後まで読ませていただきました。 最後のセリフから七行目のセリフのところ 「初めからそうすればいいものを...追いつめられることまいでしょうに、違うの?」 これって日本語おかしくないでしょうか?…
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