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ごくごく普通の学生の朝

name 五十嵐 赫弥

skill 鍛冶人

Height 172cm weight 57.6㎏

登下校中、高頻度で鳴る緊急連絡。鳴ってしまったら最後、近くにいるSkillsphere隊員もしくは生徒は必ず現場に急行しなくてはならず、毎朝ギリギリに家を出て登校するオレにとっては、かなり出席日数に響く。とはいえ走れば間に合うので、つまりはまあ...

「オレが怠惰なだけなんだがな。」


「自覚あるなら直しなよ...」

セセラギに軽く刺されながら、俺たちはのんびりと校舎へ向かう。

もう遅刻は確定。今さら急ぐ理由もない。


ダンジョンを閉じた後、更地になってしまった土地を買いとり建てられた東京第一育成校。

この校舎はA舎とB舎の二つに分かれていて、それぞれに約1500人の生徒がおり合計3000人の生徒たちがこの学び舎に通っている。地上には校庭などはなく代わりに地下に魔鋼コーティングにより塗装・合金が施された厚さ30cmの壁に囲まれた激広訓練場が設備されている。


「入ったばっかりのころは、よく教室どこかわかんなくなってたよなぁ。」


「Skillsphereはもともと国家直属の団体だし資金も桁違いだしね。」

そんな話をしているうちに校門が見えてくる。


現在時刻は8時45分...校門の前にはオレ達を心待ちにしている人物がたたずんでいた。まあこれも毎回同じ人。


「やぁやぁよくもまあ堂々と遅刻してくれたねーって素通りするんじゃァないよ君たち?」

逃げようとした瞬間、首根っこを掴まれる。

正直絶対にかかわりたくなかったこの先生は、うちの学年の理科全般を担当している真視先生である。本名は蛇守真視(じゃのがみまさみ)、Skillsphere4番隊隊長で少しだがメデゥーサの血が混ざった半魔。厳しい人ではあるが...まあ生徒から嫌われている訳では無い。

「校則上、通常の学校と比べて、遅刻に関してはかなぁり緩く注意をするようにはなってるが...流石に多すぎだ。」


「まっまあ...」


「お前たちなら駅から走ればまだ間に合ったよな?それなのに堂々と歩いてきたよな?お前たちは?ん?」と詰め寄ってきた。

ぐっと顔を寄せられる。逃げ場がない。

かといって「走るのヤだから歩いてきた」なんて言えば確実にコロされる。


「「あっいやぁぁそれは~そのー」」


「...世話のかかるやつらだ。」

ため息交じりに手を放す。


「お前らは大事な戦力である前に生徒だ。そこの両立を忘れないように。」


「...」

まあ、ここにいる限りそれが当り前だよな。生徒として訓練するし、いずれ使われる。ごく普通の話だ。それが今この学校での普通だ。

「....っぱメンドーだねぇ...」と小言をぼやく。

生徒って立場だけならいいのに...

大体いつもこんな感じである。まあそれでもオレたちにしっかり接してくれているのだ。感謝すべきだろう。そんなことを考えながらオレはロッカーを開いた。

............

.........

遅刻といっても、授業が始まる前に教室につけたのは不幸中の幸いだろう。


「おぉ?我らが遅刻魔二人組の登校だ!」


「うるせーなー(笑)」


教室に入った瞬間、そんなヤジが飛んできた。いつも通りのことだ。テキトーにいなして席に向かおうとした瞬間...


「おはようございまぁぁす!」


ととんでもない大声を上げながら鉢巻きを巻いた黒髪の男が、堂々と窓を突き破って教室に入り込んできた。


「あぁあぁこんな散らかしてぇ...今日掃除当番俺だから勘弁してほしいんだけど...」


勢いよく飛び込んできたのは天闇灯夜あまやみとうやだった。とにかく明るく。なら明るすぎるくらいなので正直オレはニガテである。騒がしいしすぐもの壊すし。

それにしてもこんなド朝からあのテンション。元気過ぎない?


「いやぁ、緊急任務の連絡が入ったので現場に向かっていたら、いつの間にか騒動も終わってしまっていてな!」


「別線のくせして、わざわざお前が向かう必要もないだろう。ほかの生徒に任せればいいものを...」


呆れた声が割って入る。

当然のように窓から入ってきた先生に愚痴をつぶやかれながらも元気にさーせんっしたぁぁ!なんて頭を下げ、眩しいまでの笑顔を振りまいている。

ってかこの人たち階段ってものを使わないのか?まあ面倒なのはわかるが...。


「さて、そいじゃー授業始めていくとしますかぁ。お前らグダグダ言ってないでさっさと座れぇ」


気付けば真視先生が教卓に立ちテストを配り始めていた。そういえば今日一限化学だったなぁ。反省文授業中に進めちゃおっかなー、なんて思ってたけど...


「ちなみに。今日遅刻した三名は一限中に反省文一文字でも進めてみろ?眉間に風穴が空くぞ?」


うん、まあ無理だよな。いつも通り。

............

.........

(今日食堂のメニューなんだったっけかなー?)なんてことを考えながらセセラギは食堂へ向かっていた。異能力者を育成する、この制度以外はただの学校であり学内にはもちろん学食もある。

彼は常連なのでメニューは覚えている。

じゃあなんですっとぼけってるんだって?本人曰く学生っぽくて、なんとなーく気に入っているらしい。


「おっ!ちょうどラス1じゃん!ラッキー♪」


今日は水曜、彼の目当ては100個までの限定のカツサンドだった。まあ、しかしラス1というのは必ず取り合いになるもの...最後の1個に手を伸ばした時、指先が触れ合った。


「「げっ!?オマエ!?」アンタ!?」


その相手は、紅月エリスだった。


「まただよ!毎回毎回、僕の大事な昼食の調達の邪魔しないでもらえる?お嬢様なんだし作ってもらえばいいじゃん!弁当くらい!」


「別にいいじゃないの!そんなこと言ったらアンタだって、私の週一の楽しみを奪わないでよね!?」


これは食堂では名物となってしまった恒例行事で、このバトルを見るためだけに食堂に弁当を持っていく生徒もいる。だが...


「いや学べよ。毎回オレの漁夫の利になることぐらいわかるだろ?」


そういって五十嵐が、昼食を獲得する、これもまた恒例である。


「...別に何個か入ってるんだから分ければいいのに...何にこだわってるんだか笑。食いたかったら放課後取りに来い。オレに勝った方にやる。いいだろ?」


「それじゃあ僕らの昼食問題解決しないんじゃ...?」


「知るか!腹すかせて待っとけ!これに懲りて二度とオレに取られるような真似すんなよ~」


そして、たま~に放課後に延長戦が行われることがある。今日は五十嵐の機嫌がいいようだ。

特別な力を持っているだけで、その他の行動心理・性格は学生そのものである。

............

.........

name セセラギ ナナト

skill 医学者

Height 171cm weight 55.2㎏

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