転機
僕に才能など...あ゛り゛ま゛せ゛ん゛ッッ!( ;∀;)
『燐!一旦休戦!先生呼んできて!』
そう言われ燐は突き飛ばされた。
彼は今木々がうっそうと生え茂る森の中を、B組出発地点へと走っている。
赫弥に肩を強く押し出され、戦場の外へ弾き飛ばされたその瞬間。
見えた光景は閃光、血晶、紫電の霧、吹き荒れる突風。
一瞬の間に視界に広がった激閃...
(...誰一人目で追えなかった...)
元来、燐は決して速度特化の戦闘スタイルとは言えない。
だがそれでも「一切の動作を追うことができない」と言う大きすぎる壁と、まるで彼を庇うかの如く突き飛ばした赫弥の行動は彼の心に少しばかり傷を残していた。
(でも...明らかな足手まといだったのも...事実...)
守られた、より生きる確率が高いほうへ誘導された。
「ならせめて...助けにはならねぇと...!」
彼らを何としてでも生かす。
その覚悟だけを足に込め、燐は先生のもとへ駆けた。
赫弥ほど速くはない。
それでも、一歩でも速く。
.........
......
戦闘開始5分
つむぎがバテているような気がする...
攻撃と攻撃の間の頻度と時間が増え、オレの出る幕も増える。
無呼吸。
リゼットに与える隙は一切そぎ落とした。それでもなお、彼女は生き一つ切らさず、武器にリードされながら踊り狂っている。
「つむぎちゃんテンポ落ちてるよ?」
「気のせいじゃないですかッ!」
否定しながらも、その呼吸は荒い。
その瞬間、明らかにリゼットに届かない一手が放たれる。
「見つけた♡」
双剣が交差し、つむぎの懐へ滑り込む。
甲高い金属音。
オレの短剣が双剣を受け止めた。
「赫弥さん!」
「悪い!」
つむぎの腕を掴む。
そのまま腰を落とし、一本背負いの要領で、思い切り後方へ投げ飛ばした。
「こっからは単騎戦と行こうか?」
「いいね♪キミとの戦闘も楽しそうだし♡」
返事と同時。
リゼットの姿がふっと掻き消えた。
(速ッ...!)
反射で短剣を逆手へ持ち替える。
火花。
オレの短剣が、リゼットの手に握られていたレイピアに弾かれる。
その反動を利用し、オレは身体を半回転し、回し蹴り。
「おっと♡」
リゼットは踊るように身を反らし、蹴りを紙一重でかわす。
着地した瞬間には、もう武器が変わっていた。
「ほいっ♡」
大槌。
地面へ叩きつけられた衝撃で土砂が爆ぜる。
(コイツ、いくつ武器持ってやがる?)
ただの武器の召喚魔術にも、武器を補完する別空間が必要になる。
それを保持し、維持し続けるには莫大な魔力、体力が必要となる。が...
先ほどから魔力を空間の維持に割いているような気配は、毛ほども感じられなかった。
「その武器、どこ産?」
「私のお国です♡」
「ふざけてんじゃねぇぞ!」
踏み込み一つで死角へ潜り込み、喉元へ短剣を走らせる。
だが、
「ほらね♡」
そこには、いつの間にか盾。
甲高い音とともに刃が滑る。
「まだまだ!」
盾がトランプへ崩れ、次の瞬間には槍。
さらに鎖鎌。
武器が、息をするように入れ替わる。
「もっと楽しく踊ろうよ♡」
「上等!」
瞬間、さらに景色を置き去りにした。
.........
......
「っっととぉっ!」
赫弥によって投げ飛ばされたつむぎが、なんとかバランスを取り戻し着地する。
赫弥の魔力による身体強化に「加速」が加わっていたことで、かなりの距離を飛ばされてしまっていた。
「もうっ...飛ばしすぎですよ、赫弥さん...」
それでも耳を澄ませば、金属がぶつかる高い音が絶え間なく響く。
(問題ないといいんですが...)
振り返る。
木々の隙間では、赫弥とリゼットの姿が一瞬ごとに現れては消え、火花だけが戦いを物語っていた。
そのさらに横では、紫電の霧が森を覆い...
「短期で仕留めるとしよう。」
数十本もの腕が血晶に巻き込まれながら暴れていた。
(みんな...。)
誰も彼も、自分より何段も上の戦場に立っていた。
だからこそ。
(私が今できることを...)
そう考えた、その時だった。
森を吹き抜けた風に、ふわり、と微かな違和感が混じる。
濃い錆と鉄と血。
武器庫でもひっくり返したような匂いがする。
「ほかの生徒のもの...ってわけでもないですよね?」
四つん這いになり足に力をためる。
太もも、ふくらはぎの肉に力がたまり膨らむ。血管が浮き上がる。
そこに猫装による強化が加わり、つむぎは爆発的なスタートダッシュを決めた。
地面が弾ける。
木から木へ。
枝から枝へ。
風をまとったつむぎの身体が、森を駆ける白猫のように音もなく跳ぶ。
そして視界に写る、枝の上に座っている藤紫色の髪をした男。
白い獣毛が腕を包み、鋭い爪へ風の刃が宿る。
狙うは男の喉元。
周りの狂騒に紛れて一瞬だけ、鉄のぶつかり合う音が森に響く。
つむぎの爪は、男の前へ現れていた漆黒の大剣に受け止められていた。
「武器提供者さん、アナタですよね?」
「あれま。見つかっちゃいましたか?」
男は困ったように笑う。
その瞬間、空中に波紋が広がり無数の武器が、一斉につむぎへ切っ先を向けた。
.........
......
「...この校に侵入者ねぇ...」
さっきまで報告が入っていたスマホを片手に真視は歩みを進める。
画面を切り替えるとそこに映ったのは、大森林全体の地図とぽつぽつと置かれた赤と黄色の点。
「うちのは12番~23番までがリタイヤ...動いてるやつらもいるがこの感じだと迷子か...」
「そして、五十嵐、セセラギ、紅月、白峰は今も元気に戦闘中と...」
スマホを胸ポケットに投げ入れ、手首足首を適当にフラフラと揺らす。
首に手を添え、軽く鳴らす。
「...俺が着くまで、くたばるんじゃないぞ?エースども...」
.........
......
テストつらいです...春夏秋冬代行者、見始めちゃって...もっと見たいです...
☆タイトル別案
エースと教師




