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暗がりから

やほやほ

天闇による夜坂撃退から十二秒後――


「いやぁ、相変わらずいい戦い方だったなぁ...」


地面に埋まった夜坂とともに天闇は苦笑する。

森の奥では、未だ爆音が鳴り響いていた。

「...さて、次は誰を捕まえようか...」


「キミのスキル面白ーい!よかったらうちに来ない?」

「天闇君!」

その瞬間、天闇の認識する前に全く知らない人間が彼の手を取り握っていた。

瞬時に状況を飲み込もうと天闇の思考が高速で回る。


(誰だ?B組の生徒?いや違う。それじゃ別の組?見た目は20代。外部からの侵入者?ここまでまがまがしい魔力を持った人間?否、まず人間なのか?魔物?でもしっかり意味を持った言g...)


「ねーえー、入るの?入らないの?どっちぃー?」

「それに答えることはできないかな?」


天闇は両手を握られている状況を起点とし、即座に現時点で天闇の出せる最大出力の『絡禅(らくぜん)改 (らく)』を使用。しかし...


「アッハハ!こっちの世界でいう柔術?ってやつかなッ?更にスキルで重さも加えられるんだもんねぇッ!相性いいカンジッ!」

(コイツっ)

女の膝がわずかに沈む。地面がめきりと軋んだ。だが、それだけ。大したダメージも見られない。


「それじゃあこっちも、お・か・え・しっ!」

その時、天闇の体が宙を舞う。だが本人がそれに気づいた時には、地面にたたき落され血反吐を吐いていた。薄れゆく思考の中で天闇の考えが飛び交う。


(肋骨...二、三本。呼吸が浅い。反撃も警告も...不可能か...せめて何か情報は、いや少なすぎる...アイツは一体...?)


その後、天闇が戦闘不能に(ノックアウト)されたことにより即座に防御結界が彼の周辺に展開される。何者かがその結界に阻まれ押し出される。

「天闇君、灯夜君っ!目を覚ましてっ!」

「あれっ?防御壁?んーそれならもっと優しく扱ったのにぃ...まあいっか!狙ってる子はこの子じゃなさそうだし...」

『ヴェルグ~そっちはどんな感じぃ?』

.........

......

『恙なく、とったところだな。目標が見つかった。位置は順次そっちで確認して応援に来てくれ。』

「さて...二日前の()()がすべてという訳ではないだろう?赫弥君?」

.........

......

「おいおい……訓練だよな、これ」

「……さあな」

変に熱が上がってしまった...らしくない...とはいえ、なるべく次で仕留めたいのも事実!

「「...行くぞ」」

同時に拳を構える、が

(左真横から乱入者?なんだ?やけに早い...)

この感じ、燐も気付いてるっぽいし...仕掛けてみるか...

(加速度6倍速+腕の精錬...)

「「『ドラゴナックル』!」


燐の拳がオレへ向かって放たれる。

が、その軌道は途中で不自然に逸れた。


オレ達の左側から突っ込んできた()()が、音波ごと吹き飛ばされる。

「やっぱ居たか」

「気づいてたなら言ってくれ...ヒヤヒヤしたぞ?」

「お互い様だろ?」

まあ、それよりも...今吹っ飛ばしたやつが誰...いや、()()()って話だよな。

少なくとも生徒じゃない。まず生徒だったら意識外の攻撃かつオレら二人分を受けて無事でいられるわけない。断言できる。まず人間かどうかも怪しい。あまりにも不気味すぎる気配だ。


「いやはや、安心したよ。」

その瞬間、肩にかかった重圧ったらもう...

ダンジョンボス戦を感じさせる、心臓を握り合っているような緊張感。呼吸一つでさえ、神経を削られる。


「キミが王の器に選ばれたとき、俺は心配だった。こんなにも浅はかな人間が王の現身になるのか?とね。」

王?現身?

『縺翫≧が縺翫≧が謌代iがくらがりから』

「だが君からの撃を受けて確信したよ。確かに王とは真反対、だがだからこそふさわしいと。」

昨日の事件が脳裏を勝手に走る。

『巡繧雁ササ繧!險弱▽蜉が在る壊すか?捧げるか?』

「暗がりからおいでになる我が王の現身として。」

『おいでになる』


「さて語りが過ぎたな。ここからは人間ども(オマエ達)の大好きな()()といこう。」

「奇遇だな...オレもお前に聞きたいこと山のようにあるんだ...!」

ほやほや

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