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竜とガキと...

早く出さないとみんなから忘れられてしまう!

森に足を踏み入れ走って約三分、視界はすべて木々に覆われ、完全に外界と隔絶された空間が広がっている。


今走っている場所はわからないが、足元の荒らされ具合を見るに、すでに何人かはこのルートを通っているようだ。


肌にまとわりつくような魔力が、呼吸のたびに肺の奥へと入り込んでくる。

やっぱりここの空気はうまいけど重いな。


今回の訓練はAvsBってわけで、おそらくBの奴らはオレたちが出発した地点からちょうど反対側から出てくると思う。


そうすると...

「そろそろ、対敵するやつも出てくる頃かなぁ...?」

一度立ち止まり耳を澄ます。

......

静寂の中で爆ぜる金属の衝突音

やってるねぇ


何者かが5メートル隣を走り去る音

木ィばっかだからなー。視界悪すぎ。


そしてこちらに向かってくる足音。いや、足音じゃだけじゃないな。存在そのものが、うるさい。

(ってか、こんなキモいくらい心音ぶつけてくるって言ったら...)


足音が近く、より近くなっていく。まっすぐこちらだけ向いて進んでくる。

そして...


「『ドラゴフィア』!」

「お前だよなぁ!『バーティカルアーツ』!」

そいつは音波で木々を薙ぎ払いながら、一直線に突っ込んできた。


音波は空気の振動、それに対しオレの「バーティカルアーツ」は真空の刃。

オレの目の前でそれらがぶつかり合い相殺しあい、空気が弾ける。その突風がお互いの髪をふわりとなびかせる。


「よ!遊ぼうぜ!」

「遊ばれに来たんじゃないのか?」

.........

.......

斑鳩燐(いかるが りん)

竜人族の血を引く少年。

力を使いすぎると、竜としての本性が強くなってしまうため、それを抑え込むための自作のアーティファクトを装着している

正直めっちゃメカメカしいからカッコいいんよね♪

.........

......

燐の口元についていた装甲が外れ、今度は腕に移動する。

「去年の体育祭、オレはお前に負けてからアーティファクトと己の体質に向き合い続けた。今度こそ勝たせてもらう!」


彼は腕を振りかぶる。瞬間、腕に生えている竜鱗が増大、そして肥大化した。大きく膨れ上がった腕は装甲を今にも破りそうだ。


「その口上、先月も聞いたけど?」

(加速度6倍速+腕の精錬...)

オレが踏み込むと同時に燐も足を前に出す。あいつの拳はすぐ目の前。相殺できるかな...?


「『ドラゴナックル』!」

双方の拳と拳が衝突する。オレの体からは腕のきしむ音が、燐のほうからはネジががたつくような音が聞こえる。そのままお互い反動で後退し、距離をとって数秒様子を見る。


「ククッ...クッハハハハハ!いやはや、相変わらずすっさまじいスピードだな?最高速が出る前に受け止められてしまったぞ?」

数秒ののち、燐が腹を抱えるように笑いだす。

その肩が揺れるたび、装甲が小さく軋んだ。

自分の技を相殺されたんだから、もう少し暗い慌てるもんじゃないのかよ...


「いや逆にあれが最高速じゃないっておかしいだろ。どんな膂力(パワー)してんだ...」

「足技なら勝負つくかな?」

「試してみるか?」

来いよ、戦闘馬鹿。こいつを黙らせる方法は一つ。

真正面から、叩き潰す。


「付いてこれるのか?」

「そっちこそ、弾き飛ばされるなよ!」

お互い、背後の木を蹴り砕きスタートを切る。

蹴る。薙ぐ。斬る。

機械仕掛けのしっぽをのけ反りながらよけカウンターを入れる。燐も負けじと防御し、至近距離から音波をぶつけてくる。枝が折れ、幹が軋み、視界がぐちゃぐちゃに揺れる。骨が悲鳴を上げる音、装甲が陥没していく音、周りの木々が小枝のように破壊されていく様。そんなものは一切無視。

数秒間に数十のやり取り。お互い止まることを知らないガチ勝負。


「おいおい……訓練だよな、これ」

「……さあな」


だがそんな攻防は突然の乱入者によってさえぎられる。

.........

......

イマイチ!

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