ストーカーの新たなお仕事
これより第三章となります。いえーい!
「マスター! 私頑張った。頑張ったよー!」
「にゃっ、ナツメくん!? どうやってここにっ!? むぎゅっ!?」
はぁぁっぁあぁ! ショタカワイイショタカワイイショタカワイイショタカワイイよぉぉおお!
数週間ぶりのショタ成分はとっくに枯渇していたのじゃ~! あぁ~ショタコンになるぅ~(もうなっている)。
「はぁはぁ、マスター! ナツメ、ただいま任務から帰還いたしましたぁ!
褒めて褒めて! いっぱい褒めてぇ!」
「むぐぐっ! むぎゅぐぐぐぐ」
「わっ!? いけない! マスターが私のおっぱいの中で溺れているわ!
でもなんだか幸せだからもうちょっとだけ……」
「むぐっーーー!」
「ぐはっ!?」
コルンくんのパンチが私のお胸に!?
くふぅっ……なんだか幸せな痛み。
「ぷはっ……。ナ、ナツメ君! 僕が苦しいの分かってたよねぇ?」
「ふにゅぅ……、マスターったら、おっぱいにパンチするなんていけない事だよ? もう、エッチなんだからぁ」
「くそっ、聞いちゃいねぇ!」
キタルダ領から馬車を飛ばして四日。
ニシルダ領に戻ったナツメは、任務達成と帰還の報告をするためギルドマスターであるコルンの部屋へ。サプライズとばかりにばれないように侵入したが堪えられずに抱きついてしまった!? コルンくんカワイイ!
「んで……、依頼の報告をしてくれないかな? シンシア君」
マスター、もといコルンは話を聞くつもりが無さそうなナツメを放置し、今し方部屋に入ってきたシンシアへ目を向ける。真面目な彼女ならば答えてくれるだろうと思い依頼の報告を求めた。しかし
「ご主人様。そのようなクソガ……こほん、マスターコルンのでん部を撫で回すなんてはしたないです。我慢が出来ないというのなら、私のものを代わりに撫で回して良いのです。さぁ来てください」
「あれ? シンシア君も僕の話を聞かないのかな? 僕ちょっと泣きそうだよ。あとクソガキって言おうとしてたよね? 僕何か君に悪いことしたかな!??」
シンシアったら、私に構ってもらえないからってコルンくんに八つ当たりなんて~。
嫉妬しちゃうシンシアも可愛いわ! ほんと私の周囲にはカワイイ子だらけで困っちゃう。
うんうん、よし! ショタ成分はたっぷり補充したわ!
「ふぅ……シンシア、マスターに今回の任務の報告をお願いするわ。さぁマスターは私の膝に座って一緒に聞きましょうね~」
「ぅえ!? ナツメ君、勝手に持ち上げないでって、もー!」
ふふふ、そんな嫌々言っちゃって~、でもあまり抵抗できてないぞ! 本当は満更でもないんじゃないかしらー。
「チッ……、それでは私から今回のキタルダ街での任務内容について報告いたします」
シンシアはこちらのイチャつきぶりを見て悪態を吐くけど、仕方ないじゃない。マスターと甘えられる時間はこのギルドに来ている間だけで少ないんだから!
シンシアは四六時中私の側に居るのにまだ居足りないらしい。欲張りさんの甘えん坊だから仕方ないなぁ。そしてそんな一面を極力隠そうと努力している(バレバレだけど)所も可愛いんだけどね!
それにしても相変わらずマスターは良いショタ具合だなぁ~。この短パンからスラっと出たスベスベのフトモモとかぁ。もうギューってしたくなっちゃう包み心地? それにこの小さな手も握りやすくていつまでも弄んじゃう!
「ちょっとナツメ君! 話に集中できないからあんまり触んないでよ!」
「あら、暗殺ギルドのマスターともあろう御方が、身体を触られる程度で集中を乱してしまうだなんて、なんて羨ま……、こほん、集中力がないんでしょうね」
シンシア、毒づいているようだけど本音が駄々漏れよ。修行が足りないわね(何の?)
まぁ目の前でいちゃつかれたら私もムライラするだろうけど。
「シンシア報告を続けて、貴女にも後でしてあげるから」
「えっ? も、申し訳ございませんご主人様。報告を再開いたします」
コルンくんの頭を撫でながらシンシアに注意をすると、シンシアは驚きつつも軽く頷き、心なしか私に期待の目を向け始めた。そして報告を早く終わらせるためかノンストップで話し始めるのだった。
そんなに撫でられたかったのかぁ……。
まぁでも私も幼女が誰かをナデナデしているところを見ると撫でられたいと思うからね! たぶんそれと一緒だね!
屋敷に戻ったらシンシアと、それに他の皆も一ヶ月ぶりに一緒に可愛がってあげないと! あー忙しくなりそー!
そんなことを考えながら、シンシアの今回の任務報告を聞くのであった。
*************
「うーん、キタリウス・キタルダの暗殺は成功。
勇者に妨害されてしまったが、姿を変えていたのでばれてはいない。そして何故か四人新しい子を連れて戻ってきた、って事でいいのかな?」
「そうです、皆可愛らしい子達なんですよ!
あ、でもアイちゃんとフィリスさんはもう恋人同士なので手を出すのは無しです」
「いや出さないよ。僕を何だと思ってるんだ……。で、もう二人の子は普通に拾った子なんだね? いや子供を拾うって事自体が普通じゃないけど……」
私たちはペコちゃんについて、「魔物を産み出す」という能力を持っている事を伝えず、ただ森で拾ってきたことにした。
いつかは教える必要があると思うけど今は黙っているべきだと思う。
この情報を多くの人に広めるにはリスクが高すぎちゃう。どこかから情報が洩れて誘拐とかされても困るし、普通の女の子で通すのだ! 別にコルンくんを信用してないわけじゃないけど、この部屋自体が盗聴されてるかもだし、世の中何があるか分からんからね! 特にこの世界の魔法は。
ユルユちゃんに関しては、普通に奴隷だったのを解放して私が連れてきたと伝えた。
「ああ、そうだ! 話は変わるんだけどね」
「な、なあに?」
でもコルンくん、いやギルドのマスターにペコちゃんの重大な秘密を話さないまま、手元に置いておくのは少し心が痛むなぁ。と考えていると、コルンくんが思い出したかのように話を変える。
「実は今回もナツメ君には葬って欲しい人物が二人ほど居てね。
近々この街に訪れることになっているんだ」
そう言ってコルンは一枚の依頼書を差し出す。
「えぇ~もう仕事の話なのぉ……? 何かのご褒美かなって期待したのにー」
私と久しぶりに顔を合わせたというのに、すぐにお仕事の話をしちゃうなんてコルンくんってばもう知らない! 依頼書なんて受け取らないぞ! プンプン。
「ナ、ナツメ君……そんな明らかに不貞腐れた顔をしないでくれるかな?
僕だって君が極力仕事をしないように手を回しているんだからね?」
そんなこと言われたって嫌なものは嫌なのだ! お休みを、長期の休暇を要求する! 子供たちとの触れ合いを! 至福の一時を!
そう思っていると側からシンシアが依頼書を私の代わりに受け取り内容を確認、訝しげな表情をする。
「マスターコルン、こちらの暗殺対象の二人、今回もまたお姫様の婚約者であると思われますが……。
この暗殺対象の一人、グレイ・ハヤブサはあの勇者の引き取った伯爵家ですね? まさか勇者と事を構えるつもりですか?」
どうやら今回の暗殺対象はグレイさんというらしい。中々かっこよい名前だね。覚えやすいし。
それよりもあの勇者君、確かユウシ・ハヤブサって名乗っていたけど、あの家名って日本から来た時の苗字だと思ってた。まさかこの異世界に来てから貴族の家名に変えてたんだね。まあ日本での苗字がハヤブサって見たこと無いからそう考えるとそうか。
「そんなことはしないさ。僕がしたいのはその逆、勇者君もそろそろ婚約者が必要だと思わないかい?」
「どういうことでしょうかマスターコルン?」
うーん? 私もよく分からん。あの男子高校生勇者に婚約者とか荷が重すぎるでしょう。
それもお姫様って……、一応物語的には勇者はお姫様は幸せになるんだろうけどさ。そんなことを現実で起こせるのかな? 勇者って言っても元は一般庶民だよ? キタルダ領で会った時は礼儀作法も出来てない小僧だったよ?
「簡単な話だよ。僕らはこの国のお姫様と貴族派の者に婚姻して欲しくない。ハヤブサ家は派閥としては中立の立場にあるけど、跡継ぎのグレイ・ハヤブサ、今回の暗殺対象なんだけど彼は貴族派よりで、将来ハヤブサ家が貴族派になることは目に見えている。でも今回で跡継ぎに死んでもらえばハヤブサ家の跡継ぎは勇者君になるよね。彼は一応勇者として不自由なく動けるために貴族の位を貰っているけど、貴族に染まっていない勇者君はとても庶民的な思考を持っている。そんな彼をお姫様の婚約者、というか夫の地位に位置づければ、貴族派の権威は著しく落ちる。僕が推し進める計画がまた一歩進むって訳だね」
「そんな簡単に上手くいくとは思えません」
「いいや、これからさらに多くの婚約者を暗殺される予定のお姫様は強い夫を望むだろうね。
折角婚姻した夫が殺されても困るし、だったら伯爵家の位にいる強い勇者君と婚約しても可笑しくない。いや僕たちがそんな状況を作るんだ」
まぁコルンくんの言うようなことが起きれば勇者が婚約者となる可能性も低くは無いかも。
でもお姫様の婚約者候補の暗殺に限っては、それたぶん全部私がやるのよね……?
むぅ、あと何名居るのか知らないけど、この私を便利な暗殺者に使おうだなんて、とっても生意気な子だなぁコルンくんは。
少しコルンを睨む。生活費も侍女と孤児院の子供たちへの支援もして貰っている事はすでに棚上げである。
だがそんなナツメの態度も一瞬で崩れる爆弾を投げ掛けられた。
「ごめんねナツメ君。一段落したら、僕が出来ることなら何でもしてあげるから」
私の扱いを分かってきたのか、コルンくんはさっきまで嫌がっていた私の近くまでにじり寄り、可愛さ百倍の上目遣いを決めてきた。
ぐっ、そんな……そんな目で見られたら……。
「やります! やるやる! マスターのためなら例え火の中水の中! どんなお仕事でもヤッちゃうよ!」
目の前にぶら下げられたマタタビに飛びつく子猫のように、提示された報酬に飛びつく。目にも留まらぬ即答である。
はい、ごめんね。私チョロいんです。
私の言葉にコルンくんは計画通り。と少し顔を綻ばせた。悪そうなショタに引っかかるのも悪くない。
でもね……。
「でもマスター、今回の報酬はちゃんと頂きますね? とりあえず今日から一週間、私がギルドに居る間、マスターは常に私のお膝の上に居ること!
うん、決めた。素晴らしい報酬だわ! ありがとうマスター、大好き!」
「え゛っ!? ちょっと、それは――」
「あぁ、明日から楽しみだわ!
ふふふ、この一週間の計画はきっちり立てなきゃね! 行きましょうシンシア」
そう言ってコルンくんの部屋を出ていく。後ろでコルンくんが何か言ってるけど、今は聞かないふり~。もうこれは決定事項なのです。諦めてね。
ふふ、任務帰りの女の子を労わらず次の仕事を振ろうとするコルンくんが悪いのだ。
楽しそうな笑みを浮かべてナツメはギルドから屋敷へと戻っていくのだった。
投稿間隔が長くなるかもしれませんので、だらだらとお待ちくださいますようお願い致します。




