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ストーカーは異世界でも女暗殺者(ストーカー)やってます☆   作者: 後伸季孝
1章 私ストーカーだけど異世界転移しました
25/86

ストーカーと通勤

あらすじ:一緒に朝ごはん食べた。




「「「いってらっしゃいませ!」」」


 朝食を食べ終わったので、探偵ギルドに出発。見送りの侍女さんたちの声を聞きながら馬車に乗った。そして隣に座るハーミィちゃんが、はぁ、とため息を吐く。


「どうしたの、ため息なんか吐いちゃって? そんな疲れた顔しちゃカワイイのが台無しよ?」


「ナツメぇ……。お前よくあんな侍女に囲まれて平然と出来るな? やっぱりどっかのお嬢様だったんだろうな。慣れてやがる。私には無理だよ、気が休まらねぇ……」


 ハーミィちゃんが弱音を吐いてきた。うん、それは私も最初は思ってたけどさぁ。流石にハーミィちゃん慣れなさすぎじゃない? あの状況になってもう2か月も経ったし、少しは慣れてもいいと思うんだけど……。


「もしかして本当に堪えられないほどダメだった……? 勝手に雇ったのは悪いと思ったけどね。私と二人だけであの広い屋敷に住むのは流石に寂しいし、掃除も大変と思ったから雇ったのだけど……」


 なんて嘘を吐いてみる。でも本当にあの屋敷にお手伝いさんが一人もいないってのはきついんじゃないかな! 30人は雇い過ぎだとも思うけどね。でも事情もあるしぃ~。


「そ、そんなことは言ってねぇよ! 寂しいよりは賑やかの方が良いに決まってるだろ! でもよぉ、あんないっぱいの侍女を雇っちまって金は大丈夫かよ? 流石に給料が格安だとしても30名の食費とか大変じゃねぇ?」


「大丈夫よ? 私探偵ギルド以外でも仕事してるからお金も、まあ増えはしないけど減る事もないくらいは稼いでるわね」


「え、それ初耳なんだけど、なんの仕事だよ!?」


「んー、それは秘密かなぁ~」


 モンスターギルドで稼いでいることはハーミィちゃんには教えていない。絶対心配するし、私モンスターギルドでは変装(・・)して偽名で登録してるから、なんと侍女たちにも知られてないのだぁ! のだぁ!


「なんでだよ、もしかして犯罪行為か!? そういうのはダメだぞ! まずはマスターに相談してからじゃないと……」


 事前に犯罪行為しますって事をマスターに相談してからならいいのか……?

 それにもう奴隷屋敷襲撃(犯罪行為)ならしちゃってるからなぁ、ごめんね!


「してないって~、もう、口調の割に心配性なんだから」


「そりゃあ心配するだろ……少し前まで記憶喪失で何も分からない状況だったんだから。教えてくれ、どんな仕事してんだ」


「ふふーん。ハーミィちゃんも探偵なら知りたい情報は自分で調べなくちゃダメよ?」


 なんて探偵のプライドを刺激するような事を言ってみる。そしたら案の定、むっと悔しそうな顔をしちゃうハーミィちゃんカワイイ!


「そ、そんなの、言われなくても調べてやらぁ! 馬鹿ナツメ! バカバカ!」


 そこまでバカバカ言わなくても……。でもそんなところもカワイイわ~。あー、身長を縮める薬とか売ってないかなぁ。そしたら断りを入れずにハーミィちゃんに服用させるのに! 涙目で縮んだことに文句を言ってくるちっちゃなハーミィちゃん! うん、絶対カワイイ! 錬金術でも学ぼうかな~。確か錬金術ギルドってあったよね? よし、金に余裕が出てきたら錬金術ギルド、入ってみるか。


「おい! 馬車下りろ! さっさとギルド行くぞ!」


 っと、どうやらギルド近くの場所に着いたらしい。探偵ギルドはギルド員以外に場所を知られるわけにはいかないので、ギルドからちょっと歩かないといけないとこで馬車を降りる。だからここからは歩きだ。その時、ふと思ったことをハーミィに聞いてみる。


「ねぇそういえば、どうして探偵ギルドは他に知られちゃいけないのかしら。というか知られてないのにどうやって依頼を貰うの?」


「ん、ああそうだな。探偵ギルドは潜入任務のようなものが多いから、私らがギルド員だってことを知られるわけにはいかないんだ。特にお偉いさんにはな。だから探偵ギルドではこの帝国の帝王の依頼も受けたことがあるが、帝王はギルド員の顔を誰も知らない。まあ、私くらいは知られているかもしれないけどな」


 そういってハーミィは胸を張って自慢に語る。しかしそれでまた疑問が増えた。


「なんでハーミィちゃんだけは知られてるの? そういえば出会ったときも普通に探偵ギルドのハーミィだ! とかなんとか言ってたし。普通はギルド員って事は秘密なんでしょ?」


「知られているかもしれないってだけだ。ああ、そっか。そういえば私の仕事をナツメは知らないよな? 私のギルドでの役割は、簡単に言えば探偵ギルドの受付なんだよ。だから私はギルド員だと知られても良い立場なんだ」


「受付?」


「ああ、まあ受付と言っても、ようこそお越しくださいました。とかする訳じゃ無いからな。そんな柄じゃねえし。愛想もねぇしな。私の仕事はギルドに対する依頼を回収する事だ、詳しく言えば――」


 その後、自分の仕事を話すハーミィちゃんによると、私たち探偵ギルド『イルスフィア』への依頼は一見さんお断りらしく、常連の方やお偉いさんの紹介などで依頼をしてくるらしい。その時に対応するのが、ハーミィちゃん! ではなくて街の一般探偵ギルドのギルドマスター達である。そしてその各ギルドマスターから依頼を回収するのが、ハーミィちゃん! ではなくて、とあるバーのオーナーが客と称してやってきたギルドマスターから依頼を回収する。そのバーのオーナーから回収する人こそ! ハーミィちゃんなのだっ! という事らしい。なんとも回りくどいね!


 しかも他の探偵ギルドがまるで部下のような、子会社かのような使われ方をしてらっしゃる! やっぱコルンくん率いる探偵ギルド『イルスフィア』は親会社的存在なんだなぁ。凄いなぁ。それに子会社で対応できない依頼も『イルスフィア』(うち)に持ってくるらしいから、完全に最上位のギルドだよねぇ。高額依頼しか舞い込んでこないし。


 これを考えたら、コルンくんってめっちゃくちゃ偉い人じゃない? 大手の親会社の社長さんみたいなもん? そう考えると皆が抵抗無く「マスター」って呼ぶのも頷けるな。日本で言う「社長!」と同じでしょ。世界初のショタ社長か……。なんか露出が高めのスーツを着た女性秘書に性的に責められたりしそう。ショタ社長は確実に受けですわ、なにそれめっちゃそそるわぁ。うへへへ。


「ナ、ナツメ、変な顔してどうした? もうすぐギルドだぞ?」


 うおっといけないいけない。これからコルンくんと会うのにこんな想像しちゃったら、またコルンくんをイジリ倒しそうになっちゃう。自重しないとコルンくん拗ねるからさぁ。




次話で一章が終了します。

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