ストーカーとお祝い
あらすじ: 乳を揉んで帰った。
「じゃあ、ナツメちゃんの初任務成功を祝って、かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
ゴクゴク……、プッハァ~! うん! まぁまぁ美味い! とっても美味い! じゃなくてまぁまぁ美味いね、このビールっぽいやつ。ビークって言うらしいけど、そこまで来たらビールにして欲しかったわ。どうでもいいけど。
「ぐっふっふ、やるじゃねえかナツメちゃ~ん! 新入りのくせに難しい仕事をすんなりこなしやがって~!」
「そだそだー! それに今日はナツメちゃんのおごりだなんてなぁー。いや~、ごちになりまぁあす!」
「はい! 依頼でたくさんお金を頂いたので、拾って貰ったご恩をギルドの皆さんに返さないといけませんからね。どんどん、飲んで下さいね!」
今、私はおっさん共に囲まれてます! あっつ苦しい!!!
私が依頼から帰った夜、私のギルド加入&初任務成功を祝ってギルドの皆が飲み会を開いてくれた。
ちなみに金額は、任務の報酬から支払っているため、全部私持ちなのだっ!
ふっ……、しかしこの程度の出費痛くも痒くもない。なんせ私には任務の報酬、1200万リュードを手にしたのだから!
だいたい普通の一軒家一つ買うのに300万リュード程度で買えるらしいこの国!
夢のマイホームも建て放題じゃないですか、やだー。
正直、任務だけでは一時間も経ってないし、移動時間込でも五時間。つまり時給だいたい250万ぐらい? おそろしや~。というか往復四時間とか、あの屋敷遠いよ……。てか、その往復4時間? そこで初めて馬車乗ったんだけど、あれって案外乗り心地悪いんですね。道が多少整備されて入るけど、コンクリートほどではないからめっちゃ揺れるんや。
凄くお尻痛かった……次乗るときはお尻に敷く物持ってく必要がある。
まあ、そんなことよりさぁ……現在私の周りでおっさんが絶賛絡んで来過ぎて困る。私の両隣に陣取って両手に花ならぬ、両手にオッサンなんだよなぁ。そろそろ低年齢層の集まりのとこに行きたいのでどいてくれないかな? うーん、トイレ行くフリして離れよう。はい、おっさんども~、席立つんで足どかしてくれ~。
ナツメがこの場から脱しようと、立ち上がっておっさん共の前を通り抜ける。
「えー! ナツメちゃんまだ居てくれよー!」
「そうだそうだ、主役が消えてどうする! オッチャン達は寂しいぞ!」
「そうだぞー、俺がお酌してやるぞー、その谷間になぁー! ギャハハハ!」
「今から一発芸大会しまーす! 優勝賞品はナツメちゃんのまぁまぁおっきい胸にタッチでぇーす!」
「「「おおっ!」」」
「はいはい! 一番オーリー! 綺麗な石を拾って喜ぶゴブリンのモノマネやりますっ! ゴゴ!? ……ゴブゴ! ゴブゴブ~♪ ゴブゴブ~♪」
何勝手に盛り上がってんだこのおっさん共。
くそっ、大人しくしてたらつけ上がりやがって~!
どんだけ女に飢えてるんじゃ。あと、気軽におっぱい見んな! アホ!
「おい、人のおっぱいを賞品にすんなっ。おっさん共が私のまぁまぁおっきいおっぱいに触る権利など1ミリすらもねぇよ! 欲求不満だったら娼館にでも行け! 自腹でな!」
まったく、なんて下品なボケかましてくるんだ。女の子に嫌われても知らんぞ、こいつら。飲む前から酔っ払いみたいになりやがって!
なんて思ってたら、おっさん共が目を丸くして、こちらを見ている。
「ナ、ナツメちゃん案外、下世話な会話もこなせるんだなぁ、はは……。どこかのお嬢ちゃんって聞いたんだが、勘違いか?」
「おい、聞いた話と違うぞ? 俺は清純なお嬢さんに下ネタで好き勝手いたぶるのが好みなんだが……」
あー、下世話な話はしたらダメなの? てっきりそういう返しを求めてるのかと思ったよ。心なしかおっさん達のテンションが下がってるんだけど……。
え、私のせいじゃないよね? 私がお嬢様っぽくなかったからじゃないよね? というかどんだけ清純な反応を求めてるんですか。「おっぱい」って言って「はしたないですわ」とでも、返して欲しかったの? でもまぁ、可哀想だからちょっくらお嬢様っぽい事して夢見させてやるかー!
「あー……。おほほほ、いやですわ、もう! おっぱいだなんて恥ずかしい。人前で口にしないで下さいまし! お嬢様であるワタクシは困ってしまいますわ! あー恥ずかしい恥ずかしいー」
ふふ、この完璧なお嬢様の演技! 完全にお嬢様でしょう、これ。
「おい、今更過ぎるぞ! おせぇよ、諦めろ!」
「そうだそうだ、それにおっぱいって言ったのはナツメちゃんだけだろ!」
「おっ! お嬢様のモノマネかー、一発芸としては弱いなー!」
「はい! 三番オーリー、綺麗な石を拾って喜ぶ最中に冒険者にやられるゴブリンのモノマネやりますっ! ゴブゴブ~♪ ゴブゴブ~♪ ゴブゴ――ぶらばぁ!? ゴ、ゴプッ……」
…………。
おい誰か笑ってやれよ! なんで酒の席で、滑ってるんだよ!
はぁ……、絶賛大会中の二人はアホみたいな事してるし。ちゃんと話してるオッサン二人しかいないし。テンションが妙に下がってるし……。
「ねぇ……、もう行っていいよね? そこのボケ大会してる二人の介護よろしくね!」
「――あっ! おい!」
私は颯爽とウインクしてオッサンの群れから去っていく。あー、やっとオッサンジャングルから抜け出たー。妙に疲れたわー。
よしよし、じゃあ気持ちを切り替えよう!
あそこの隅で固まってジュースを飲んでる若年層の卓に突撃だー! やっほーい!
「あ、ナツメお姉ちゃんきたー!」
「あんた、おっさんに絡まれ過ぎ……」
「ナツメ、凄いな!あんな厳ついおっさん共に物怖じしないなんて」
私がやってきた席は、メノンちゃん(8)、レノンくん(10)、ハーミィちゃん(14)のお子様席だ。
メノンちゃんとレノンくんは兄妹でギルド員の子供。兄妹揃って薄桃色の髪とくりくりお目目である。私が「奢ってやるから子供も連れてこい!」と言う一声で来た子たちだ。他のギルド員も子供がいる奴もいるけど、そもそもこのギルドの場所は家族でも知られてはダメらしく、ほとんど連れてこなかったっぽい。残念。
でも特別にメノンちゃんとレノンくんはオッケーらしい。なんでかは知らん。
「ナツメお姉ちゃん! すごいおしごと、してきたんだよね!」
はわわ~。メノンちゃんってば可愛すぎぃ~! お持ち帰りして抱き枕にしたいわ~。ほっぺにいっぱいチュウしてあげたいわ~。
やっぱオッサンとは違うね! 同じ人種とは思えない! きっとやつらは人の遺伝子が暴走を引き起こして突然変異で生まれたんじゃないかな?
「ふふ、そうだよ~。こーんなにでっかいお屋敷で誰にも見つからずに、すっごーいお宝を持ってきたんだよ~!」
凄いお宝かどうかは知らんけど……たぶんあの家の人の汚職の記録とかそんなんだと思うけど。
「そうなのか! それってピカピカか!? 綺麗なのか!? 高いのか!?」
そういって腰に抱き着いて来たのはレノンちゃん! じゃなくてレノンくん! いやー、この美形少年ったらマジでぐうかわ! 最初女の子と間違えちゃったくらいよ。
さっき会ったときは、お父さんの陰に隠れてびくびくしてたのに、私とちょっとスキンシップ取ったらすぐ懐いてきてさー。生意気にもナツメって呼び捨てにしちゃったりして、でも私を呼ぶ度に照れちゃうんだからね! 妹のメノンちゃんと飲み会が始まるまで、三人で遊んでて、天使かと思いましたわー。
いや、ここが天国なんでしょうね。きっと。
ぐへへ。
「ナツメ?」
おっと、あまりの心地良さに我の心ここに非ずだったわ。やべーやべー。
「そうだなー。偉い人がそれを失くしたら、死ぬほど絶望するぐらいのお宝かな!」
「おぉー! すごいな!」
うんうん、レノンくんは嬉しそうだね! 頭をよしよしと撫でてあげる。
「おい、ナツメ……」
ハーミィちゃんが私の言動に注意してきた。うん、分かってますって! 依頼内容は秘密厳守だからね。詳しくは話さないよ。ハーミィちゃんも14歳なのに仕事の事ちゃんとしてて偉いね!
後でナデナデしてやろう!
え? どこを、なにをナデナデするんだって? いやー、頭に決まってるじゃないですかー。逆にどこをナデナデすると勘違いしてるんですかね? え、ハーミィちゃんの平らな胸? ほうほう、悪くないね。選択肢に入れておいてやろう。
「おいナツメ……、私らを見る目がなんかやばいぞ。怖いからやめてくれ。あと涎拭け」
「んぁあ!? あらごめんなさい。……って、ああ! そういえば私、メノンちゃんとレノン君にお願いしに来たの忘れてたわ!」
「おねがいー?」「なんだー?」
くっくっく、酒に酔ったから私を優しく介抱して頂戴! 私の天使たちよ!
「私は飲みつかれたので、二人のお膝を枕に休憩したいの。ぐへへへ、よかったらお姉さんのお願いを聞いて――ブフォアヴェス!」
な、何事!?
私、今殴られた!? 頰が痛い! 右ストレートで殴られたよ! いったい何故? どうしちゃったのハーミィちゃん!?
「どうしたじゃねぇーよ! そんな今にも犯罪を犯しそうな顔で子供に寄んな! アホ!」
う、嘘? そんな怖い顔してました私? いや、仮に怖い顔をしてたとしても私の天使たちなら、分かってくれる! だよね!?
「え!? そ、そんな顔してないって~。ねー? お姉さん可愛いお顔のままだったよねー?」
「んー、ナツメお姉ちゃんちょっとこわかったかも……」
「うん、獲物を狩る目だった……、ブルブル」
んなんでやぁ! くそっ! 酒が入っているせいで私のポーカーフェイスが制御できてないのか! これじゃあ酒に酔ったフリをして|君たち≪ショタ&幼女≫にセクハラできないじゃんか! ハーミィちゃんもめっちゃ私を警戒していらっしゃるし、ハーミィちゃんが子供たちを守護している間は下手に動けんな……。
仕方ない……。
ここは床に寝転がるフリだ。ゴロロ~ン。ふふ、こうやってメノンちゃんの可愛らしいおパンチュを拝むだけで我慢しよう。
メノンちゃんはワンピースだからね! どうにかして拝んでやるよぉ! そうでなくても幼女のフトモモを見れているのでマイナスにはなり得ない! あー、良いフトモモ。枕にしたいなー。
「おい、酔ったからって床に寝るな、汚ねぇぞ。ほら肩貸してやるから起きな! てか、もう今日は寝ろな?」
くっ、恐るべしハーミィちゃん! 私のやる事成すこと全てに妨害を仕掛けてきやがる。
ふふ、いいわ。今日の所は負けを認めてあげましょう……。次こそはメノンちゃんのおパンツを掠め盗ってやるとも!
「えいえいおー!」
「耳元でうるせぇ! 黙って歩け!」
酷い……!? ハーミィちゃんがガシガシ蹴ってくるよ。酔っ払いに容赦なさ過ぎちゃう? うち女の子やで!? と、甘んじて暴力を受けている間に、どっかの部屋に到着~。
「そらよっ!」
――ばふんっ!
ベッドにブン投げられた……。
私のハーミィちゃんに乱暴されちゃった……、泣きたい。いや、でもむしろ乱暴されてもいいかも!
「だれがお前のハーミィちゃんだっ! さっさと寝ろ!」
ドアが思いっきり閉められて、お部屋が真っ暗になった。まぁ、確かに眠いっちゃあ眠いし、寝るかー。
おやすみー。
ぐー。
この話、前半いるの?




