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ストーカーは異世界でも女暗殺者(ストーカー)やってます☆   作者: 後伸季孝
1章 私ストーカーだけど異世界転移しました
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ストーカーと初任務

あらすじ:マスターが逃げた!




 こんにちはー! みんな大好きナツメちゃんでーす。今日はハロルダス家というお貴族様のお屋敷に来ていまーす! はい? ハロルダスって誰だよだって?


 ふっふっふー、物覚えが悪いなー。依頼ですよ! あの報酬一千万越えの依頼! このハロルダスって人の屋敷から何やら資料を盗……お借りするという依頼でなんら怪しい事はアリマセン。


 ……いや、ごめん普通に怪しいわ。でも私が生きるために会ったこともないハロルダスさんは没落してくれ。


 え? マスターがマスターしていた件はどうなったのかって? そりゃあもう、大変でした……。あの後お顔を真っ赤にしたマスターが朝の街に消えて行って、私はハーミィちゃんからの密偵容疑が晴れないから動けないしさ~。


 まぁその後、ユベ爺がマスターを探し出して、なんとか一緒になってハーミィちゃんを誤魔化しましたとも! なんとかフワフワした感じで誤魔化しましたとも! ついでに密偵の疑いも晴れましたー。いえい! そしてなんと、ハーミィちゃんは穢れ無き乙女でしたわ。だってまだ14歳ですからね! "少女"ですからね!


 それにこの異世界、そういう知識がインターネットなんかで、ポチッと簡単に入手できる私らと違って情報の入手難易度は高いらしい。本当かよと思うかもしれないけど、学校とかも普通は行かないから性教育も無い、性知識の無い一般市民の男女の関係は割とピュアピュアだよー。悪戯に(なんとなく)赤ちゃんの出所を聞いたらハーミィちゃんったら。


「お互いに愛し合っていれば、神様が授けてくれるんだろ? そんくれー、誰でも知ってるっつーの! 大切なのは真実の愛を貫き続ける事、らしいぜ」


 ってカッコいい事言ってたよ……。


 邪な気持ちで聞いた私はとても心痛んだぞ! つらい! 私の心ってなんて汚れてるんでしょうね……。あぁ~辛すぎて幼女抱きしめたい。なので、せめてもの罪滅ぼしに、私は然るべき時(気が向いたら)にハーミィちゃんに正しき知識を授けると誓うのだ。決して無知な彼女に変な事を教えるわけではない、決して。


 あっ、それはそうと無知シチュっていいよね? いや他意はないけどさ。



 まぁ、そんなわけで無事戻ってきたマスターと私は現在依頼遂行中と言うわけである。とりあえずハロルダス家の屋敷の大きなお庭にまでは余裕で侵入したなう。


「ナツメくん、いいかい? 昨日僕が教えた通りにすれば安全だからね? 頑張ろうね」


 コルンくんは隣で初任務の私を気に掛けてくれている。


 笑顔がカワイイ! さっきまで私と二人で居心地悪そうだったけど、任務となるとシャキッと良い顔になる。男の顔やわー。こう下腹辺りにジュンって来るものがあるね! ……っといけない、私もシャキッと集中しますね。


「わかりましたマスター。じゃあ行ってきますね」


 今の目的は、現在地点であるお庭から家の中に侵入する事である! どこの部屋に行けばいいかとかはもうすでに頭に入っている。ナツメちゃんは優秀なのでね! とりあえず今は一番の難関になるであろう、玄関前の見張りにばれずに玄関から侵入だ!


 まず私は玄関の扉の前に居る二人の見張りの人にばれない様に。



 ――見張りの目の前を匍匐前進(ほふくぜんしん)で移動した!



 …………。



 うおい、マジかよ! 私、目の前だよ!?

 別に私の服が地面の色とも全く同化しているわけではないよ!? 確かに土色ではあるけどもね! 完璧な茶色のよくある探偵スタイルで見事な深緑の芝生の上を寝転がっているだけだよ!?


 正直コルンくんが冗談半分で提案してきたと思っていた、正面突破なんだけど全くばれないわー。いやいやないわー。まじないわー。意気揚々と任務をしに来たのに、これじゃあモチベーションダダ下がりですわー。スリリングでミッションでインポッシブルなのを想像してた時のワクワクを返して!


 ……いや、分かってるよ。これが"スキル"って事でしょ。確か【隠蔽LV45】【隠密LV83】って二つのスキルが関係するのよね?

 【隠蔽】は自分自身を隠す。

 【隠密】は自分自身の気配を消す。

 って感じで。


 でも、ないわー。ここまでばれないと声とか出したくなっちゃうなー。まあ、ここは匍匐前進(ほふくぜんしん)をしながら玄関まで行こー! おー!


「よいしょ、よいしょ。あ……」


「ん? 誰だ?」


 やべぇ……普通に声出しちゃった。やべぇ。これ絶対ばれてるよー。チラッチラッ。


「おい、今声しなかったか?」


「あん? まぁ、なんかよいしょよいしょ言ってるのは聞こえたけどなー」


「だよな? まあ誰もいないし屋敷の中からか……」


「そうだなー。侍女が掃除してんじゃねーの? ……あ、そういえばよ、最近入ってきた侍女さん見た? スゲーでかいおっぱいだったぞ!」


「あぁ、そうだったなぁー。ああいうのに挟んでもらいてぇよなぁ~。しかもあの侍女さん――」



 …………。



 悲しいわー……。

 何が悲しいって、こいつ等私を挟んで会話してるのがとても悲しいわー。ナニを挟む話は別に良いけどさ……。それを私を挟んでしないでくれるかな? 何が悲しくてナニを挟む話を男に挟まれて聞かなきゃならんの?


 まぁええわ。

 こいつらが新入り侍女さんの爆乳トークに華を咲かせてる間に、私は玄関から堂々と入らせて頂きますとも。




 ――ガチャ。




 あ、ヤバい!




 ってことには、ならないんだよなー。この世界の扉は金具とか装飾程度で中身にはほとんどついてない。鍵も付いていない本当にただの木の板みたいなものだから、開ける時にあんまり音がしないのでしたー。へへーん、ビックリした?


 え? じゃあ鍵はどうすんねん、セキュリティ糞やんけ。だって? セコ○してますか? だって? それは大丈夫! それはコルンくんに聞いたら、なんと鍵魔法とかいう便利な魔法があるらしい。セ○ムは流石にないけどね。


 すごいね~。魔法だって魔法。実は昨日見せて貰ったんだよー。教えても貰ったから、私も出来るぞ~。ふふーん、よいだろー。昨日いっぱい魔法とか教わったからスキルもいっぱい増えたのだー。帰ったらあのスキルカードでもう一度確認するのだ。わぁーたのしみぃ~。


 ただ、今日の任務で魔法を使うかと言われれば……使いません! まじショック! まぁ、魔法を使うほどのことでもない任務ってことですわ。なので私はさっさと任務を終わらせて帰りますん。


 では、おじゃましまーす!




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