ストーカーと年齢
あらすじ:マスターの貴重なお着替えシーン。それにしても酷い話だったな……。
可愛いお尻を見せているマスターと、それを見る私たち。部屋の中の時が凍り付いたような状態が一瞬構築されたのち、ハーミィがあわあわしながら部屋から退出した。
――バタンッ!
あらあら~。
私が部屋の前でハーミィと問答している間に事は終えていたのね。流石はマスターと言っておこうかしら。速度もマスター級なのね! なんちって。
それよりもハーミィちゃんの顔がまっかっかだわ~。初々しい反応ご馳走様です。
見事なラッキースケベに感服せざるを得ない! え、ショタのラッキースケベはいらない? バカ野郎! テンプレな需要など知るかー! 供給が少ないかジャンルにこそ、デカ過ぎる渇望が有るのだ!
っとそんな議論は後々するとして……。
ハーミィちゃんにはマスターのマスターはバレては無いよね? 着替え途中だったし、ベッドの上にあったく怪しい丸められた、くしゃくしゃした紙もハーミィは気づいてないはず!
「マ、マスター。着換え中にごめん。ちょっと急ぎの用だったからよ……」
ドア越しにハーミィがマスターに謝罪する。
「いや、いいって。鍵を閉めなかった僕も悪いからね。すぐ行くからちょっと待っててね」
よかったねー、ショッキングな映像を見なくて。いや、私にとってはご馳走様ですが!
え? お前さっき性的には見てないって言ってただろって? いえいえ、一人で身悶えている姿なんて可愛らしいじゃないですか。ショタが何やってようと愛おしいですとも! むしろ手伝ってやりたい!
まぁそんなことよりハーミィちゃんってば、耐性無さ過ぎない? ショタのお尻、もといお着替えシーンでそこまで顔が赤くなるもんなの?
ハーミィちゃんに連れられて昨日の酒場の所に行くと、客席に座る。大人しくしろよと言われたので、大人しくハーミィちゃんとお話しすることにした。
「ねぇハーミィちゃん? あなた今いくつなの?」
ハーミィはナツメが声を掛けるとハッと我に返る。そして火照った顔も戻って、少し厳しい顔つきになる。
「密偵かもしれないあんたと軽々しく話す気にはなれないけど。年齢くらいは別にいいか……私は14だよ」
「ぇえ!? そうなの! 思ったより若すぎる」
14だよ14!? そりゃあ、コルンくんのお着替えシーン見て恥ずかしがるわー……。見る人が見ればロリだよ! 私から見ても年齢的にはロリだよ!
まぁ出来ればもっと低い年齢が好みだけど、一応世間的にはというか定義的には18以下がロリとかいうのあるけど、18がロリとか何言ってんの? って感じだよね~。
じゃなくて! この子、私が17,8歳だと思うほど身長大きいし大人感あるよ? 私の身長が156センチくらいだから、この子は170センチ弱くらいかな。
はぁ~、異世界って凄いわね~。いや私が日本人だからそう思うだけで、外国とかの子供もこれくらいは普通なのかな?
考え事をしてると、ハーミィが逆に聞いてきた。
「そこまで驚くこたぁねえだろ? じゃあナツメはいくつなんだよ?」
ほうほう、そう来ましたかー。いやー、この流れで行くと、普通に私の年齢言ったらめっちゃ驚きそう。25とか。オバサンかよ。日本居た頃でも、まだJK時代の制服着れるレベルで幼いからな私。
いや……、それは流石に嘘だけど。まぁここは常套手段でいくか。
「え~、何才に見えるぅ?」
はっはっはー。
このウザ可愛い質問返しによりこの世界から見る、自分の適年齢を知ることが出来るのだ!
「ぁあ!? なんかウザったい質問だな! まあ、17くらいか? 私よりは年上だろう? パッと見ナツメの方が若いだろうけどな」
あらあらまあまあ! 聞きました奥さん? 齢14の娘さんから「あんたの方が若い」ですって! それに17って数値は盛り過ぎでしょう? 実年齢よりマイナス8歳だよ。これだったら真実は言えないね! どっかのアイドルよろしくこの世界では年齢を騙ろう!
「ふふ、私は18なんですよー。もうちょっとだったね~、おしい!」
と言ってハーミィの頭を撫でてやる。この子もロリかと思うと途端に愛でたくなった。容姿は大人っぽいけど、目をつぶればロリじゃ!
「な、なに撫でてんだよ、やめろ! お前は密偵の容疑が掛かってるんだからな! ほら、もう座っとけ」
ハーミィちゃんに怒られたので仕方なく座る。そしたらマスターが来た。
「ハーミィ、待たせたね」
さっきの混乱をまったく気にしないような素振りで澄ました顔をしてるね。済ましたからかな? なんてねっ! ははっ。
「あっ、マスター。さっきはごめんな。わざとじゃねぇから!」
「わかってるよ。それで急ぎの用って何かな?」
あっ、ちょっと顔が赤らんだ。やっぱり恥ずかしかったよねぇ~。カワイイわ~、超カワイイわ~!
「ああ、こいつ……、ナツメがよ、さっきマスターの部屋の前で聞き耳立ててやがったからよ。もしかしたらどっかの密偵じゃないかと思ってな。聞き耳立てるなんてすげぇ怪しいだろ?」
「へっ? きき……みみ? さっきって、さっき?」
「ん? ああ、なんか大事な話してたか? いや、着替えてたしそんな訳ねぇか。あれ? じゃあなんで聞き耳なんてしてたんだ?」
それを聞くと、コルンはすぐに真っ赤な顔になってナツメを見る。
コルンくんにばれちゃったか~。
いや、この場合はコルンくん"が"ばれちゃったのか。ごめんよー、私がハーミィちゃんに気付いていればなー。
一応、震えて涙目でこちらを見ている可愛いコルンくんに、なにかフォローをいれねば! 少年の心を壊すほど私の心は荒んではいないよ。
とりあえずナツメは親指を立てて、大丈夫だぜ、誰にも言わぬ! というアピールをする。ちゃんとウインクもする。そしたら案の定というかなんというか、コルンくんは泣いて私に罵声を浴びせながら外に走って消えた。
――ナツメの大バカァァアアア!
と叫びながら……。
うむ、強く生きろ少年!




