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VS.ジェミニ(後半)

「来たか・・・・・・」


アスカが呟く


場所は結とクリスが模擬戦を繰り返した場所である森の中にある広場


その広場に佇むアスカとヤヨイに対して向かい合う二つの人影


「ルールは前に聞いた通りでいいのかな?」


その人影の片方である結が問いかける


「あぁ、勝負は俺とあんたの一対一、相手を一撃で死に至らしめる技を使うのは禁止だが、ある程度の傷なら問題ないんだよな?」


アスカが問いかけたのは結と一緒に行動していたもう一人の人影であるピスカだった


「えぇ、それで問題ありません・・・・念のためという名目で死亡さえしていなければどんな傷でも癒せる『超回復薬』を持たせてもらってます」


こんなことになることまで予想していたのだろうか?だとしたら一体どこまでがヒカリさんの予知通りなんだろう・・・・・


ピスカの言葉から結は戦慄を覚える


それはアスカも同じだったようで


「全く、こんなこともあろうかと・・・・・ってどんだけの事態を想定してんだよ」


一人で突っ込みを入れていた


「とまぁ、ルールはわかったな?」


その言葉に結が頷く


「じゃあ、こっちも準備させてもらうか!呪詛(カース)暴走(オーバードライブ)!」


アスカが叫ぶ


付加(エンチャント)暴走(オーバードライブ)


それに合わせてヤヨイも叫んだ


その効果はアスカに集約し、アスカの体からは黄金と黒が入り交じった光が吹き出していた


「さぁ、俺はこの状態でいかせてもらう」


「私も・・・・・『顕現せよ!金牛(タウラス)(ホーン)』!!」


結の呼び掛けに応えて金牛(タウラス)(ホーン)が顕現する


始まりに特に合図などはなかった


しかし、二人ともが同時に地を蹴った


速さはほぼ互角


パワーもほぼ互角


その時点でこの勝負は一貫してアスカの有利で進められる


なぜならアスカは一発でも結に当てることができれば結の身体能力の一部を呪詛(カース)の能力で削れる


現時点で互角であるなら一発でも呪詛(カース)をくらえば下がった身体能力が足を引っ張り、二撃目以後を容易に受けてしまうだろう


それは悪循環となり、その循環にはまりきったが最後、結が勝てる可能性は限りなくゼロに近くなる


それを理解している結はアスカの拳による攻撃を全て槍で凌ぎながらなんとか付け入る隙を探していた


しかし、アスカの拳は2つ


それに比べて結の槍は一本


更に本来の槍と拳の回転数の違いもある


どうしても手数で負けていしまう


だからと言って攻撃を受け流すにしてもそれを攻撃のヒットと判定されて呪詛(カース)を受けてしまっては本末転倒である


だから結は槍の中心を持ち、槍術というよりも棒術のような攻撃、突くよりも払う攻撃を中心に勝負を組み立てていた


これにより、手数と回転数の問題を補い、なんとか凌いでいる状態なのだ


ちなみにこの段階では二人ともまだ様子見


結は移動魔法などの切り札をまだ切ってないし、アスカにもまだ切ってない手があった


どちらが先に切り札を使うか・・・・・・


そのタイミングを測りあっているところで、先に切り札を切ったのはアスカだった


もっとも、切った切り札は「手」というよりは「足」であったが


結は即腹部に衝撃を感じて思わず距離を取る


アスカの姿を確認すれば右足を振り抜いたアスカがいた


(ぐっ、しまった)

 

悔しそうな顔をする結に対してアスカは嬉しそうな顔をする


なにせ、一度でも攻撃を入れたらほとんど自分の勝ちで決まりなのだ


今、結に一撃を入れたとき、確かに呪詛(カース)は発動していた


後は適当に何発か入れれば結が立てないくらいに力を削げる


「これで終わりだな・・・・・・悪く思うなよ?呪詛(カース)付加(エンチャント)だって俺たちの力だ」


そう言いながら結に向かって突っ込むアスカ


「そうね、だったら悪く思わないでね?移動魔法(これ)も私の力なの」


そのアスカの後ろに跳んで槍を振るう結


アスカはなんとか回避し、拳を放つがそれも移動魔法でかわされ、追撃がくる


「くっ」


今度はアスカが防戦一方になる番だった


「どうして!?」


確かに呪詛(カース)を打ち込み、結の身体能力を下げたはずなのにどうして自分の攻撃が反応され、また、反撃されているのか


アスカにはそれが理解できなかった


ちなみに、アスカの呪詛(カース)だが、きちんと結には効果を及ぼしている


確かに呪詛(カース)は強力な能力だが、下げるのはあくまでも身体能力のみであり、思考能力や知覚能力まで奪うものではない


だからこそ結は呪詛のせいで下がった身体能力を移動魔法で補い、攻撃を繰り出していた


アスカが落ち着いて結の攻撃を観察していれば、僅かにだが結の攻撃の速度や威力が落ちていることに気づいただろうが、結の神出鬼没の攻撃に対象するのと、「もしかして(こいつ)には呪詛(カース)が聞いていないのではないか?」という疑問によるパニックのせいで落ち着いて結の攻撃を観察する等という余裕はなかった


そんなパニックの中で結の攻撃を受けきれるのか?という問いの答えは勿論ノーであり、アスカは結の攻撃の一撃一撃によって、追い詰められていた


そして、勝負はあっけなくついた


「そこまで!」


拳を振り抜いたアスカの後ろから結が槍を突きつけていた


何が起こったかというと簡単な話だ


激しい連撃の中から結はわざと一旦少し距離をとり、迎撃しやすいようにあえて隙をつくって突きを放った


いつものアスカならそんな見え見えの罠に引っ掛かりはしないだろうが、パニックに陥ったアスカは見事にひっかかり、手を出してしまった


それを確認した結は移動魔法により、アスカの後ろへと移動


咄嗟の迎撃によって体制を崩したアスカに槍を突きつけたのだった

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