VS.乱入者(中編)
「くっ!」
「まだまだだな」
アスカの拳と黒ずくめの男の手刀が交差する
先程から何回も相手に攻撃を当てようと試みているのにアスカの攻撃は全ていなされてしまっている
牽制のために放ったヤヨイの魔法も回避され続けていた
勿論、アスカにはヤヨイの付加がかけられている。それでも尚さばかれているのだ
これだけ攻撃を続けても涼しい顔でさばかれ続けているという事実は二人の心に一つの疑念を抱かせる
((今、目の前にいる敵は自分達より遥かに強いのではないか))
という疑問だ
そして、いくらアスカとヤヨイが強くともまだ10歳の子どもなのだ
だから敵がさっきからこちらの攻撃をさばいていることだけに注目して、どうしてこちらに攻撃を仕掛けてこないのかということまでは頭が回らなかった
「くそ!猿みたいにかわしやがって!大人気ねーぞ!一発くらいくらってくれてもいいだろーが!」
「バカをいうな、お前の拳からは嫌な感じがする。わざわざ食らうつもりにはなれんよ。バカなことを言うのは赤星のやつだけで十分だ」
とアスカの挑発にものらずアスカの攻撃をさばき続けている
「くそ!こうなったら!ヤヨイ!あれやるぞ!」
アスカがとっておきを使うとヤヨイに宣言する
それを聞いたヤヨイが頷き呪文の詠唱を始める
「何をするつもりかは知らんがその攻撃が私に通じなかったときが貴様らの最後となるぞ?」
「詠唱を止めないとか余裕だな」
「貴様らごときでは私に傷をつけることはできんからな」
男が自信たっぷりに言う
それと同時に詠唱が終わる
「付加暴走」
その言葉とともにヤヨイの体から金色の光が吹き上がる
「そんでもって、行くぜ!呪詛暴走」
今度はアスカの体から黒色の光が吹き上がる
「ほぅ」
男が少し目を細める
「先程よりはだいぶマシといったところか」
「なめるな!これはここからだ!」
アスカとヤヨイは頷き合い、歌い出す
『我が身に宿りし祝福よ』
『我が身に宿りし呪いの力よ』
『我が力受けしものに大いなる加護を』
『我が力受けしものに絶対なる破滅を』
『我が前に存在せしは我が同胞』
『我が前に存在せしはわが宿敵』
『『今こそ同胞を守れる力を』』
『『双星のもとに敵を打て!我らが祈り!!』』
二人の詠唱が終わり二人の光の輝きが増す
『『双星の滅光』』
いつの間にか手を繋いでいた二人の間から金と黒の混じった光線が迸る
「なっ!?」
男は驚愕に目を見開いたまま光の奔流に飲み込まれる
「はっ、余裕ぶっこいてるからそうなるんだよ・・・」
そう強がるアスカの体ももう力が入らない
ヤヨイももう立っているのがやっとだ
しかし、もう倒しただろうし・・・・・
しかし、アスカは後ろから微かな気配を感じ取った
感じ取ってしまった
もうしばらくは戦えないレベルで疲労している状態で
ばっと後ろを見る
そこにはボロボロになってはいるがまだ普通に動いている男がいた
「くそ!まだやってなかったのかよ」
アスカが毒づくが男は黙ってアスカの方に近づいてくる
「くっ・・・・・」
男が武器を振り上げ、アスカは幼いながらも自らの死を確信した
「....っっ!!」
しかし、もう少しで止めをさせるというところで男が後ろへと下がった
その次の瞬間光の槍がさっきまで男のいた場所に突き刺さる
それだけではなく男の逃げた方に新たな光の槍が何本も襲いかかる
男はそれをなんとかよけている
アスカがそれを呆然と見ているといきなり抱き抱えられその場から離脱させられる
「....!?」
いきなり男が回りを見回した
「ボム」
アスカを抱えてその場を離脱した人物、結が呟くとさっきまで男を追っていた槍が一気に爆発する
「ふぅ、間一髪だったかな?」
そう呟き、アスカをヤヨイのそばに下ろすと爆風の中でまだ生きていた男へと向かい合う
「さぁ、ここからは私が相手だよ」
そう叫ぶと結は男に向かって走り出した




