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喫茶店で

いきなり現れたクリスさんとペアを組み、武術大会へのエントリーを完了させた私たちは近場の喫茶店へと入る


小さめな外見とは裏腹に広い内装に驚きながら案内された席へとつく


「それで、クリスさんは何者なのですか?」


先程ピスカさんが見せた反応はクリスさんが特別な・・・・それこそかなりの地位かかなりの実力を持っていることを表していた


武術大会への助太刀を申し出てくれたことから考えて後者なのだろうが


「私が何者かというのを今話すことはできないですがそのうちわかります・・・・とだけ言っておきましょうか。一つだけ言えることは私がここにいるのはヒカリに頼まれたからということだけですね」


『ヒカリに頼まれた』


その言葉を聞いて私はかなり驚いていた


理由の一つ目はヒカリさんのことを知っていたということだ


まぁ、ピスカさんがクリスさんのことを知っているのだからクリスさんがピスカさんの主であるヒカリさんのことを知っていてもおかしくはないのだが


もう一つの理由はクリスさんがヒカリさんのことを呼び捨てにしたことだ


今までヒカリさんのことを呼び捨てにしていた人を見たことがなかっただけでなく、元ゾディアックで自分の師匠であるシュナムさんでさえ「ヒカリ殿」と敬称をつけていたのだ


つまり、この目の前にいるクリスさんはヒカリさんとそれなりに対等の存在であるということだ


「あの・・・・・ヒカリさんと知り合いということは私の兄さんのことも?」


ヒカリさんは兄さんと旅をしていたと聞いている


だからヒカリさんと知り合いなら兄さんとも知り合いなのではないか?


と思ったのだ


「知っていますよ。それどころか剣を交えたことすらあります」


「剣!?」


いったい何があったのだろうか


「まぁ、この話は直接聞くのがいいでしょう」


どうやらこれ以上この話題を続けてはくれないらしい


「それじゃあ後一つだけいいですか?」


「答えられることなら」 


「大会に向けて明日にでも模擬戦をしてもらいたいのですが構いませんか?」


私の言葉にピスカさんが目を剥く


「ちょっ!?」


「いいでしょう」

 

私を止めようとしたピスカさんの言葉を遮るようにクリスさんが了承する


「今どのくらいの実力なのか、またどのような戦闘スタイルなのかを知っておかなければ大会の時に困りますからね」


「それでは明日の12時くらいにコノ町の外の森の中でやりましょうか」


「わかりました」


クリスさんがどうして模擬戦の場所を森の中にしたのかはなんとなく察することができた


武術大会までまだ5日ほどあるとはいっても私たちのようにもう到着している人たちはいるだろう


そんな人たちに自分の手の内をわざわざ明かさないために森に行くのだ


「それではまた明日」  


いつのまにか出された料理や飲み物を食べ終わっていたクリスさんが立ち上がる


「はい、また明日よろしくおねがいします」


私はまだ少し残っていたので会計をすませて出ていくクリスさんを見送ったのだった

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