VS.ミーシャ後編
「どうしたんだい?後ろを見たり前を見たり忙しいみたいだが?」
問いかけながらも振り回し続けている短剣を槍で迎撃しながらミーシャの短剣の秘密を考え続ける
(短剣を手元へと転移させてる?いや、それなら私の頬についた傷の説明がつかないし、まずそんな細かな転移魔法なんて使えるはずがない)
もし、結の前に立っている人物が熟練の魔法使いだというのなら可能性はあったが今結の前に立っているのは少し前まで往生際だったと言っていた
そんな人間がいくらなんでもそこまで転移魔法を使いこなせるとは考えにくいのだ
(だとすると何か他の方法を使っている?だとしたらそれはどんな方法なの?)
もう一度くらい見ればもしかしたら何か分かるかもしれないのにそういうときに限ってミーシャは接近戦を中心に攻めてくる
次第に焦りが募っていくが、焦りとは裏腹に頭の方は冷静だった
何となくではあるがミーシャの短剣の秘密がわかったような気がしたからだ
おそらくミーシャの方も私が気づいたことに気づいて接近戦を主体としているのだろう
しかしこのままでは勝負がつかないし・・・・
「こうなったら・・・・・一気に決着をつける!」
そう宣言し、後ろに大きく跳ぶ
ミーシャも私が何かすることには気づいたようだがもう遅い
私はミーシャの周辺に魔法を固定しそれを一気に解放する
「ああぁぁぁぁぁぁぁあ」
いきなり自分の周囲に起きた爆発に巻き込まれ悲鳴をあげるミーシャそこに槍を投げて移動し首筋に槍を突きつけようとするが突然飛んできた短剣に邪魔される
スコン
後ろの木に何かが刺さっていたような音がする
「それを待ってた!!」
予想通りなら・・・・・
槍を大きく降る
プツン
何かを切った手応えがあった
そのまま距離をつめて首筋に槍をつきつける
「私の勝ちだね」
そう宣言するが
「どうかな?また短剣が手元に戻ってきたりあんたの後頭部に何かぶつかって隙ができるかもしれねぇじゃん」
「それはないね」
私はきっぱりと言い切っていた
「ほぅ、根拠は?」
「だって、さっき短剣を引っ張っていた見えにくくされていた糸を切ったからね」
その言葉に少し目を見開くミーシャ
そう、ミーシャは艶消しなどの処理を行った糸を使って短剣を手元へと引き寄せていただけなのだ
そして、結はその糸を切ったという手応えを感じたからこそ勝利を確信した
「はぁ、そこまでばれてちゃ仕方ないか・・・・あたいの敗けだ。だけど参考までにどの辺でばれたか教えてもらってもいいかい?」
その言葉に頷き
「最初におかしいと思ったのが後頭部に一撃もらった時。普通はあんなところから攻撃を受けたりしない、それに私の後ろにあったはずの短剣も見つからなかったからそれを使って攻撃されたことは予想できた」
うんうんと頷くミーシャ
「次に刺さっていたはずの木から抜けていた時はなんとも思わなかったけどその後の『後ろを向いたり前を向いたり』という言葉で私を中心にミーシャさんと刺さっていたと仮定される傷のついた木が一直線上にあったことに気づいたの」
自分がヒントを与えていたことに気づいたのか渋い顔をする
「後、極めつけだったのが短剣がいつの間にかミーシャさんの手元に戻ってくる直前に右手を引いていたこと・・・・・まぁ、ただ単純に引くんじゃなくて色々と工夫してたみたいだけど。それのせいで魔法とかで転移させてるんじゃないて引っ張ってるっていう予想がついたんだし」
「はぁ、そこまで沢山の理由があったらばれるのも突然ってことか・・・・ならしょーがない、また1から鍛え直すだけだしな」
そう言って座り込むミーシャ
「戦闘力もそうだけど戦闘中の分析力とかも流石は勇者だな・・・・やっぱりあたい達の仲間に・・・・」
「ごめんなさい・・・・」
言葉を重ねて遮る
「私たちは一刻も早く魔王を倒さないといけないから・・・・」
そういうとミーシャは少し寂しそうな顔をしたが
「そうか・・・・それなら何かあったらすぐに連絡してこい!あたい達森の王狼はいつでも助けにいくから!」
そういってミーシャさんは私たちを送り出してくれた
兵士を追い払うのを手伝おうか申し出たがもうすでに迎撃は終わったらしく何もすることごなかったからだ
私たちは再びジェミニ達のいるところへと向かった




