森の中のミノタウルス
「森の中でミノタウルスが出た?」
今町を騒がせているのはそんな噂だ
ミノタウルスとは二足歩行の牛が何らかの武器を持った魔物である
二足歩行の牛と言っても皮膚の色は白黒ではなく茶色だし何より筋肉がヤバイらしい
どうしてミノタウルスが出たのがそこまで珍しいのかというと
元々ミノタウルスとは迷宮の中にいる魔物。しかも初心者が戦いを挑んでもその圧倒的な身体能力ですぐさまミンチになるのがオチである
そんな魔物がこの初心者用と言っても過言ではない場所に現れるのは珍しさよりも先に恐れがたつ
しばらく森から冒険者の姿は消えるだろう
勿論ある程度腕のたつ人達には関係が無いのだろうが
「ミノタウルスか・・・・・・」
正直私も初心者だしミノタウルスとまともに戦えば瞬殺されるのがオチだろうが、正直興味があった
「スライムはなんか見た目がグロかったけど話を聞く限りミノタウルスって私のイメージとそう変わらないはずなんだよねぇ・・・・・」
いざとなれば移動魔法も使えるし離脱もできるだろう
そう考え私は森へと向かった
ただの好奇心で
~森~
「んー、ミノタウルスってどこにいるんだろ・・・・・」
私は道中群がってくる雑魚を倒しながら道を進む
「・・・・!!」
森の奥から悲鳴が聞こえた
「まさか!ミノタウルスが!?」
私は慌てて森の奥へと急いだ
襲われている人がいるなら一緒に移動魔法で助けるために
「へ・・・・・・?」
そこにいたのはミノタウルスなどではなく思いもよらない人だった
「クルちゃん・・・・・・・?」
「あれ?この前のお姉さんだ」
そこにはクルちゃんと巨大な正に巨人と言うのが相応しい男の人がいた
「あれ?さっきの悲鳴は?」
「悲鳴?」
確かにさっき悲鳴のような音が聞こえた気がしたんだけど・・・・・
「その者がヒカリ殿が言っていた?」
「うん、おじさんの後継者になるだろう人だね」
後継者・・・・?なんのことだかわからない
「ふむ、まずは腕を見てみたいな・・・・・クル殿・・・・彼女と手合わせしてみて貰ってもかまいませんかな?私がやると大怪我を負わせてしまう可能性があるので」
「わかってる。ママにも頼まれてるし・・・・」
「へ・・・?」
私の知らないうちに話が進んでいく
「クルちゃんはまだ子どもですよ?戦うなんて・・・・・」
「心配せずともクル殿が傷つくことはあり得んよ。逆にお主が大怪我をしないか心配なくらいだ」
その言葉に少しムッとする
「勝負が終わったら説明してくださいね!」
こう見えても私はかなりのペースで魔物を狩ってきた自信はある
この世界に来てから1週間足らずだがレベルはもう10になっていた
固定魔法のレベルも7に上がり少しできることも増えてきたのだ
「じゃあ・・・・はじめよっか・・・・」
クルちゃんが呟く
私は槍を構えた
「それでは手合わせ開始だ!」
おじさんの声と共に私は駆け出した




