↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春風は魔女の名をまだ知らない  作者: カエデ
第1章 魔女、学園へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/13

第1話 私、イリスって言います!

本作は全話執筆済みです。

完結まで毎日1話ずつ更新する予定ですので、安心してお楽しみください。

 統一暦19年4月2日木曜日


 第一大学附属高等学校の校門をくぐる。無事、高校浪人する羽目にはならなかった。

 第一大学は四大名門校の一つ。その附属高等学校もまた、各邦の貴族が集まるエリート校だった。まだアルテンブルク王国がノルトマルク地域の小さな王国の時に、ウェストヘイヴン連合王国のパブリックスクールを参考に設立された王立の歴史ある学校だった。


(すごいなぁ。入場行進、生演奏だ。)


 オーケストラが曲を奏でる中、新入生は大講堂へと入場していく。全員が席に着くと、入学式が始まった。

 式次第に沿って、校長や保護者会会長など様々な人のあいさつが続いていく。舟をこぎ始める生徒もいる中、イリスは何とか睡魔と戦っていた。


「在校生代表挨拶、生徒総会会長。ヴィルヘルム・プリンツ・フォン・アルテンブルク。」


 そう呼ばれると、見覚えのある人物が登壇する。少し考えて思い出した、アルテンブルク王国の第一王子だった。


(どこで会ったんだっけ。多分、どこかのパーティーだろうけど。)


「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 在校生を代表して、皆さんをアルテンブルク第一大学附属高等学校にお迎えできることを、心よりうれしく思います。本校は、長い歴史と伝統を持つ学び舎です。これまで多くの先人たちが…」


(長い…。こういう式のあいさつはどうして、どれも長いのかな。下手な睡眠魔法より強力なんじゃないかとさえ思っちゃう。でも、第一王子のあいさつ、下手に寝ようものなら不敬罪もあり得るかも。いや、さすがにないと信じたいな。)


「…そして、もう一つ。この学校には様々な家柄や立場、考え方を持つ人々が集まっています。しかし、学問に向き合う姿勢や、友人を思いやる心に、身分の上下がありません…。」


 話は続いていく。だがイリスからしてみれば、睡魔と戦うことの方が重要だった。しばらくして、挨拶が終わり、新入生代表挨拶に移った。


「新入生代表挨拶、エリカ・プリンツェッシン・フォン・アルテンブルク。」


(え、エリカ殿下って同級生だったの?アルテンブルク王家の第2王女様だよね。お年が近いことは知ってたけど、まさか同級生だったなんて。)


「春の訪れを感じる今日の佳き日に、私たち新入生は、アルテンブルク第一大学附属高等学校への入学の日を迎えることができました。本日は私たちのために、このような盛大な入学式を執り行っていただき、誠にありがとうございます。」


 その後も挨拶は続いていった。式の終わりも近づいており、睡魔との戦いはあと少しだった。舟をこぐ生徒も、隣の生徒に起こされてだんだんと寝ているものはいなくなっていった。

 校歌斉唱をしたのち、入学式は終了した。新入生たちは順に、大講堂から退場していくのだった。


 教室の机には、入学祝の品や教科書などが積まれていた。着席すると、教師が自己紹介をしたのち、順々に生徒があいさつをしていく。


「皆様初めまして、エリーゼ・フォン・ヴァイセンベルクと申します。好きなことは、読書と、お茶を楽しむことですわ。特に、誰かとお話ししながら過ごす時間が好きですわ。

 こちらの学校には、様々な分野に興味をお持ちの方が集まっていると伺っております。皆様のお好きなことや夢中になっていらっしゃることを、ぜひお聞かせいただきたいですわ。

 もちろん、私のお話にもお付き合いいただけたら嬉しいです。皆様と楽しい学校生活を送れたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」


(ヴァイセンベルクって、確か名門の侯爵家じゃなかったっけ?私でも知ってるってことは、大きな家なんだろうな。)


 そのあとも自己紹介がしばらく続いた後、自己紹介の順番が回ってきた。


「私、イリスって言います!よろしくお願いします!」


 一度頭を軽く下げる。


「好きなことは、魔法の研究です。特に今まで知らなかったことを調べたり、新しい魔法を試したりすることが好きです!えへへ、わからなかったことが分かるようになると、すっごくうれしくて、つい夢中になっちゃうんだよね。…あっ、なっちゃうんです。」


 教室のあちこちから小さな笑い声が聞こえてくる。ただ、ばかにするようなものではなかった。


「これから、皆さんと仲良くなれたらいいなと思っています。よろしくお願いします!」


 再度、頭を下げると拍手され無事に終わった。


(あ~緊張した!初めて会う人がほとんどだし、ちょっとこれからが心配かも…。社交界、もう少ししっかり出ておけばよかったかも。)


 全員の自己紹介が終わると、教師が再び話し始めた。


「えぇ皆さん、授業は明日から始まります。ですので、まずは選択科目と教科書が一致しているか確認をしてください。科目ごとの教科書が書いてある表があるので、それを参考にしてください。もし違う教科書が配られていたり、落丁などがあったらこの後申し出てください。確認ができたら、各自教科書に名前を書いてください。」


(えっと、選択科目は化学と政治・経済と魔法史と音楽。うん、これで全部そろってる。)


「名前を書き終わったら今日は解散です。何か不明事項などがある人も私のところまで。それでは、以上。」


 そういわれると、各自教科書の確認を進め、名前を書いていく。イリスも名前を書き終えると鞄に教科書を詰め込み、寮の部屋へと向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。