↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
音色と色彩のキャンバス ―余命三ヶ月の僕が、君たちの親友になるまで―』  作者: 夜名


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/15

第十話:教室の崩壊と、救急車のサイレン

文化祭の熱気が冷めやらぬ翌週。月曜日の朝、冷たい秋風が吹き抜けるホームルームが始まる直前の教室。


「おっはよー、神宮寺!」

「おう、おはよう……って、どうした?」


いつものように教室に入ってきたクラスメイトに声を返そうとした瞬間、それまで視界の端でちらついていた世界が、一気に真っ黒な闇に塗りつぶされた。


「っ……!」


立っていられなくなるほどの激しい眩暈と痛みが脳髄を突き抜け、俺の身体は自分の意思とは無関係に、教壇の角に激しく打ちつけながら床へと崩れ落ちた。


「おい! 神宮寺っ……!?」

「嘘だろ、神宮寺くん……っ!?」


静かだった教室が一瞬でパニックの渦に飲み込まれる。葵の悲鳴が教室中に響き渡り、青ざめた顔で真っ先に駆け寄ってきた奏多が、震える手で俺の肩を必死に抱き起こした。

口元からとめどなく溢れ出た鮮血が、白いはずの制服のシャツを痛々しいほど赤く染めていく。


「しっかりしろ、神宮寺……! おい、誰か早く先生を呼べ! 救急車を……救急車を呼べよっ!!」


奏多の必死な叫び声が、遠くのトンネルの底から聞こえるように反響する。

ごめん、奏多。葵。最後まで病気を隠し通せなくてごめん。もっと一緒にいたかったよ。

急速に冷たくなっていく意識の中で、俺はみんなの泣きじゃくる顔を最期に焼き付けながら、静かに瞳を閉じた。


校庭の方から、ピーポー、ピーポーと、容赦のない救急車のサイレンの音が近づいてくるのが聞こえていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。