第四十三話 「砦のォカマエル」
「帰ってこないわねぇ・・・」
随分と筋肉もとい人?の密度の減った砦内。
ォカマエルは騎馬戦の様に三人の天界兵達を馬にしてその上で物思いに浸っていた。
今朝までは1000は居たはずの天界兵たちは、今やその半分しかいない。
いや、出撃を命じたのはォカマエル自身なのだが。
予定では今頃1000どころか奴隷にした村人達でごった返していたはずなのだが。
「もうすぐ夜よぉ?どうなっているのかしら」
「ォカマエル様」
「あら、副官どうしたのかしら?」
「はっ、報告します。食料備蓄の為周辺域の魔獣をかなり狩った為、食料のほうは問題ありません。」
「そう。あとは奴隷ね」
「ですね・・・」
「・・・」
二人の会話は途切れてしまう。
「そ、そのう・・・まさかとは思いますが。返り討ちにあってたり」
「馬鹿おっしゃい!たかだか魔族の農民が天界兵に勝てるわけないじゃないの」
下で馬をしていた男の発言に呆れたと言わんばかりにため息をつくも不安は拭えなかった。
「帰還兵だぁああああ!」
「おかえりー!」
「ヒャッハー・・・あ?」
副郭の方から、声が届いた。
「帰ってきたようね。お馬さんたち!ほら!向かいなさい!」
「「「へい!」」」
意気揚々と副郭へ言ってみれば、背中や腕からハリネズミの様に矢を生やした男たちが十数名転がっていた。中には光の粒子になりかけている者までいる。
「何があったの?」
「た、大将・・・アーーッ!」
問答無用で虫の息の天界兵にトドメを突き刺し、え?どこに?まぁきにすんな。
別の兵に声をかける。
「何があったの?」
「は、はい・・・お、俺は天界の第十二域で誕生しました。それはそれは可愛らしいプクプクとした赤ん坊」
「そんなこと聞いてないわよおばかさん!今の状況を説明しなさい!」
「は、はい。俺達は矢対策の盾を持って二度目の襲撃をかけたんですが・・・。前、左右からの挟撃を受けて・・・全滅しました。隊長もその時・・・光になって・・・」
「・・・そう。」
「みんな!みんな!光になっておごの割れたジャクソンも!腹筋が8つに割れてるロボートも!金を貸してるミランドも!!み、みんな!消えちまって!」
「そう、もういいわ・・・今は休みなさい。・・・誰かこの者たちに治療を!」
「「「Hey!」」」
「さぁ!治療のお時間だ!この矢を抜いてやるぜヒャッハー!」
「ブっ抜いてやるよ!」
「傷は消毒だぁああああああ!」
後ろから聞こえる傷の治療の声を無視して思案にふける。
たかが魔族のそれも村人が攻め寄せる我々天界兵に勝つ・・・。
それも全滅にまでするほど圧倒的に・・・。
ありえない。
それがォカマエルの考えである。
だが、そのありえないことが今現在起きている。
ならばなんなのか。
実は村人ではなく正規兵とか・・・。
否、一度は奴隷として捕まっていたのだ。ならば非戦闘員の農民。
そこで思考に一つ何かが掠める。
奴隷たちは一人の魔族によって解放された。
そう報告が来たのを思い出した。
「誰か!西の村に偵察に行きなさい!」
ォカマエルは傷の治療にヒャッハーしている面々に向かって命令を出す
「俺が行きます!」
「いや俺にいかせてくだせぇ!」
「いやいや俺がっ!」
「・・・ぉ、俺が行ってやる!」
「「「どうぞどうぞ」」」
「ぇー・・・」
「決まったならさっさと行きなさい。今西の村では何かが起きているわ。正確な情報が欲しいの。些細なことも報告するのよ?ほうれんそうよ?あ、さっきの譲った3人もいきなさい」
「「「ぇー・・・」」」
「あ”?」
「「「「へい!行ってきます!!!」」」」
慌てて門から飛び出す4人を見つめまたため息をつく。
はぁ・・・
ため息をつくと幸福が逃げるのに・・・。
気持ちを切り替えォカマエルは部屋へと馬を向ける。
「あ、お馬さんたちはあとで私の部屋に来なさい?体はあらってくるのよ?」
「「「・・・はい」」」
馬は顔を赤らめながらォカマエルを部屋へと運んで行った。
最近頭痛がひどくて更新できない日が。
申し訳ありません。




