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第三十五話 「お疲れ」

あの後の話し合いで、とりあえず砦は村人が数人で監視しつつ放置。

ということでケリがついた。

食糧に酒、塩など大量の荷物を村に運び込む際、俺達は大々的に迎えられた。

気分は鬼ヶ島討伐後の桃太郎。か、・・・山賊だろう。

一応戦時?だが食糧等は各家庭に配った。

ちなみにカザドル村民の食料はポポチ村の納税用食料庫から出している。

貸しいちだ。

領主の軍団が来ても、こうこうこういう理由ですっていえばなんとかなるだろ。たぶん。

で、俺が今いるここが


「ジン様。配給。糧食の確保はこの流れで大丈夫でしょうか?」

「ん~いいんじゃないかなぁ~」

「ジン殿!うちの村への配給で!」

「いいんじゃないの~」

「魔王さま・・・もっとシャッキリしてください!」

「無理」

「即答!」

「だいたい考えても見ろよ。俺ただの大学生だぜ?村の運営なんてわかんねって」

「なら、方針だけでも」

「・・・はぁ、食料の配布終了後、食材確保班と村の土木班に分ける。食糧確保班は森と山と川だ。今砦から連絡がないってことはこの森周辺に敵がいないってことだしな?土木班は今回の襲撃で壊れてしまった外周の柵を第一に修復。で、もし敵が攻めてきてもまた直ぐ迷路なり、なんなりを作れるだけの柵を組立だけしておいてくれ。接地はしなくてかまわん。人員は村長二人で決めろ?俺はちょっと寝る・・・。疲れた」

「わかりました!」「はい!」「応っ」

三者三様の返事を返すのを見て、俺とメティルは立ち上がる。

「あ、そだ。メティル。ドアって出しっぱなしはOK?」

「出来ますよ~」

「おし、ならこの会議場所になってる居間の端っこに接地しちまおう」

「は~い」

「じゃぁ、なんかあったらこの扉を叩いてノックしてくれ!おやすみ!」

「おやすみなさいませ~」

パタン


ドアが閉まった居間に残された二人は感慨深く思う。

「指示が的確ですな」

「さすが魔王さまだぜ」

「まだ継承はしてないとは申しておられましたが・・・いやはや」

「なんか魔王さまについていけばなんとかなりそうな気がするよな」

「ですな。さ!班分けをせねば」

「おうよ!」

二人は人員を分けるためにあ〜でもないこうでもない言いながら、居間を後にした。



ドアを潜り自宅の部屋に帰ってきた。

なんか色々あったが実はそんなに時間は経ってない。

でも、思いのほか疲れた。

「とりあえず飯作るか・・・」

「はい!お手伝いします」

「おう、・・・いや、邪魔だから居間でTVみてろよ」

「ぇー・・・酷い!私が邪魔だなんて!あんまりでございます!」

「だ~うぜぇ。殴るぞ?俺は女でも容赦なく殴れる男だ」

「知ってます!TV見てますね!」

「おう」


さて。所変わって台所。

ご飯は昨日5合炊いてたのでまだある。

冷蔵庫には・・・豚肉の細切れと長ネギがあるな・・・あとは適当か。

俺は戸棚のタレ関係の瓶を見ていく。

醤油に各種ソースあり。

晩飯は決定した。

豚の生姜焼きだ!

まず、フライパンに豚の細切れを食べたい分焼く!

長ネジを刻んでブチ込む!

そして、生姜焼きのタレをぶっかけ絡めたらはい完成!

はやい!うまい!かんたん!

素晴らしいな。エBAラ生姜焼きのタレ!


「おい!できたぞ!」

「は~い!うっわなにこれ超おいしそうな匂いですね!」

「うまいぜ?」

「ではでは!」

スパーンと手元の台ふきをメティルの顔面にぶち当てる。

「あぶ!くっさ!なんてことするんですか!」

「ちゃんと『いただきます!』言わんかこのクソが!」

「す、すみません!頂きます!」

「おう!頂きます!」

そうして殆ど一瞬で食事を終え、風呂で疲れを汗を洗い流し布団に潜り込んだ。

時刻はまだ全然寝るには早いが、疲れが結構ピークだ。

大量に押し寄せる敵を撃破し、敵の砦から物資を奪取した。

やったことを書けば一行だが、実際重労働だった。

明日か明後日にはもしかしたらエリゴス領の軍団とかいうのが村に来るかもしれない。

そしたら、また忙しくなりそうだ。


俺はそんな予感を頭に思い浮かべながら、意識を手放した。



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