第二十九話 「確認」
4時間ほど睡眠を貪り、現在昼前11時
遅めの朝食を食べて何処でもドアを潜る。
ポポチ村村長宅へ向かう道すがら、至所からカンカンと木を打つ音が鳴り響く。
喧騒を拾う限りまだ、天界兵の影は無いようだ・・・。
「これは、魔王陛下!ごゆっくりお休みになられましたか?」
「・・・っ!」
俺はサッと後ろを振り向くとすごいドヤ顔があった。
昨日まで、ヤンゴニは魔王呼びしてなかったはずだ。
「お前、なんかいったか?」
「はい!いたーい!」
俺は無言でメティルの頭を叩く。
ちなみに今まで使っていた雑誌は寿命が来た為、新しく「小悪魔パピヨン」を装備中だ。
コンビニで目に付いたため昔買ったのだ。中身に関しては「ガイヤが囁いている」の女性版だ。
「あのなぁ」
「よう!魔王陛下!」
「コモムお前もか・・・」
「昨日帰る前に説明しましたです!私!有能!いたーい」
「てめぇは黙っとれ」
俺は丸めて殴っていた雑誌をジーパンの後ろポケットに突っ込み
「あーなんだ。どこまで聞いたか知らんが、俺は自分が魔王?とかはあんま気にするな。実際まだ王位継承はしてないんだ。とりあえずジンとでも読んでくれ」
「は、はぁ・・・」
「では、ジン様と呼ばせていただきます」
「まぁ・・・それでいいや」
ヤンゴニやコモムは釈然としない顔をしつつも了承してくれた。
「なんでですk・・・あごごご」
めんどくさいのでメティルの口に雑誌を突っ込んだ
「今のところ物見からも森に変化はないってよ」
「ふむ」
「じゃあ、ギリギリまで柵を強化する方向か」
「それしかないですな」
「ちなみに・・・あいつらって羽生えてんじゃん?飛んできたら柵とか意味なくないか?」
「へ?あいつら飛べませんよ?」
「あ?」
「魔王さま!下級天界兵は飛行出来ません!」
「まじか!ならあの羽はなんだ!」
「しりませぬ!」
「使えねぇな!カスが!」
「Oh・・・」
スパーンっと良い音が木霊する
「ジン様は容赦ないですな」
「嬢ちゃん大丈夫かい?」
「はい!打たれ強さには自信ありです!」
とりあえずもう一発殴っておいた。
「・・・ジン様。天界兵でも空を飛べるものは中級天界兵以上でございます」
「ふ~ん?なら柵は有効か・・・」
「まっ!斧ひと振りで木っ端微塵だがな!」
「使えねぇじゃねぇか!」
「ジン様、天界兵は下級とはいえ我々魔族の身体能力を大きく上回ります。」
「・・・はぁ。さすがに今から砦みたいに堀を掘るのは無理だろうしな・・・」
「えぇ、ですので柵を交互に配置して、とにかく足止めし弓矢による遠距離攻撃を仕掛けるしか無いかと思われます」
「だな・・・弓と矢は何れ位あるんだ?」
「そっちは女達が全力で作ってるよ。」
「個数は?」
「全力で作ってるよ」
「・・・」
「・・・」
「あ、ないってことですね!」
「言わせんな恥ずかしい!」
俺はコモムを全力で雑誌で叩いた。
ポーン♪
変な音がした
「うぐ、結構イタイですぜジン様ぁ」
「自業自得だ。まぁ、弓は分かった。あ、そういや子供達は?結構いただろ」
「はい、子供たちは北東にある川の付近にいます。そこに隠れさせているしだいで」
「あの川を下っていけば街に付く。・・・俺達になんかあった時は」
その時だった。
村中に響けと言わんばかりの大声量が響き渡る。
「敵襲ぅーーーーーーーー!!」
準備は不十分。
負傷者多数。
「きたか」
俺達はそんな不利、承知で黙って立ち上がる。
「さて、ヤルか」
「「「応「はい」っ!!!」」」
俺は勢いよく扉を開けて外へと踏み出した




