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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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動き始める鉄道

「冒険者ギルド、ねぇ……」


私は机に肘をつきながら呟いた。

ゆきちゃんの領地には既にあるらしい。

そう言えば、こちらにはまだ無い。


私は顔を上げた。


「文官さん」


「はい?」


「冒険者ギルドの設置って、どういう基準?」


文官は少し考えてから答えた。


「基本的には――ギルド側から設置の依頼が来ます」


私は頷く。


「向こうから?」


「はい」


文官は続ける。


「人口が増え、依頼や魔物討伐の需要が増えるとギルド側が支店を設置します」


なるほど。完全に商売だ。


私は腕を組む。


「じゃあ、こちらから呼び込む事も出来る?」


文官は頷いた。


「可能です。ですが…‥」


「呼び込む場合は、基本的にこちらが費用を負担します」


私は眉を上げる。


「全部?」


「はい」


文官は少し笑った。


「ただしその方法で設置された例は、ほぼありません」


私は小さく頷いた。


「成る程ね」


そりゃそうだ。ギルドは商売。

儲かる場所に勝手に来る。

わざわざ誘致する必要は普通無い。


文官は続けた。


「ただ。こちらの人口増加を考えると近いうちにギルド側から支店設置の打診が来る可能性は高いです」


私は聞き返す。


「どれくらい?」


文官は答える。


「まずは小規模な支店です。本格的なギルドになるにはもう少し人口が必要ですが」


私は頷いた。


「なるほど」


地下工業都市。開拓地。農地。

作業員。職人。


そして経済奴隷の流入。

確実に人は増えている。


私は少し笑った。


「村か町になってきたわね」


文官も頷いた。


「ええ」


この世界で冒険者ギルドは特殊な存在だ。

表向きは中立。


魔物討伐。依頼仲介。情報共有。


そして――治安維持も含む。


人が集まる場所には必ず必要になる。

私は小さく呟いた。


「理にかなってる」


人が増える。魔物も増える。

だから冒険者が必要になる。


そしてギルドが来る。

文明の流れとして自然だ。


私は少し考える。


「……もしかしたら」


文官を見る。


「ギルドもチェックしないとね」


情報の集まる場所。

つまり――監視も必要だ。

私は立ち上がった。


「さて」


次の仕事だ。


トンネルはすでにレールが敷かれている。

ゆきちゃんの方で設置してくれたらしい。

私は外を見た。


地下鉄道。いよいよ動かす時だ。


「試験運転」


文官が目を丸くする。


「もうですか?」


私は笑った。


「試さないと分からないでしょ?」


蓄電型機関車。トンネル専用。

煙も出ない。静かに走る鉄の車両。


私は言った。


「行くわよ」


文官達が慌てて後を追う。

トンネルの奥。

そこには小型の機関車が待っていた。

私はその車体を軽く叩いた。


「さあ」


そして笑った。


「動いてもらいましょうか」

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