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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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拡張の壁

朝の拠点。

私は執務室で書類を確認していた。

そこへ文官がやってくる。


「お嬢様」


私は顔を上げた。


「どうしたの?」


文官は報告書を差し出す。


「田畑の開墾面積ですが、予定通り終了しました」


私は思わず顔を上げた。


「本当?」


文官は頷く。


「はい」


私は窓の外を見る。

広がる畑。

以前はただの草原だった場所だ。


「……やったわね」


文官も満足そうに頷く。


「農業用車両の効果が大きいです」


カーデン・ロイド型農業車両。

あの機械が、開墾速度を大きく変えた。

文官は続ける。


「この面積ですとこの拠点の住人が消費する小麦の倍以上は収穫出来る予定です」


私は腕を組んだ。


「倍?」


そして笑った。


「それならここから出荷出来るわね」


文官も頷く。


「はい」


そして少し興奮した様子で言う。


「この農業機械を領内に普及させれば農業の大革新になります」


私は苦笑した。


「まあね」


確かにその通りだが問題もある。

私は指を折る。


「操縦士」


「整備士」


「燃料」


文官が少し黙る。


「……あー」


そして苦笑した。


「そうですね」


機械を普及させるには、それを扱える人間が必要だ。


整備も必要。燃料も必要。

そう簡単ではない。


私は少し考えそして言った。


「なら」


文官が顔を上げる。


「ここの開拓面積を広げた方が早いかも」


拠点の周囲はまだ広い草原がある。

機械を使えば開墾出来る。

文官は頷く。


「確かに」


だがそこで、文官は少し困った顔をした。


「しかし……」


私は続きを言う。


「人手不足」


文官は苦笑した。


「はい」


どれだけ土地を広げても。

働く人がいなければ意味がない。

私はため息をついた。


「中々歯痒いわね」


文明が進むほど、人手が足りなくなる。

文官は少し考えてから言った。


「お嬢様、一つ提案があります」


私は顔を上げる。


「何?」


文官は静かに言った。


「経済奴隷」


私は少し黙った。

そして言う。


「……増やす?」


文官は頷く。


「はい」


借金で身動きが取れなくなった者達。

この世界では珍しくない。

彼らを引き取り、労働力として使う。


私は考えた。最近はこの手の話の抵抗も薄れて来た。奴隷は働けば働く程借金は早く返せるし。


「受け入れる余裕は?」


文官はすぐ答える。


「問題ありません!食料も住居も確保出来ます」


そして頷く。


「……分かった」


文官を見る。


「手配して」


文官は深く頭を下げた。


「承知しました」


拠点は拡大している。

それに伴って、新しい問題も増えていく。

私は窓の外を見る。

広がる畑。そして呟いた。


「まだまだ、やる事は山ほどあるわね」

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