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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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娯楽という発想

トンネル補強工事は順調に進んでいた。


コンクリートアーチは着実に設置され、崩落の危険もかなり減っている。


私はトンネル内部を歩きながら、その様子を眺めていた。


「いい感じね」


文官も頷く。


「予定より早く進んでいます」


さらに横穴トンネル工事も始まっている。

こちらは将来の地下工場用だ。


私は腕を組んだ。


「ガンガン行くわよ」


作業員達も慣れてきたのか、機械をうまく使いこなしている。


カーデン・ロイド型車両系列。

ショベルカー。トラック。ブルドーザー。


数はまだ多くないが、確実に増えている。

それだけで工事速度はまるで違う。

私は満足そうに頷いた。


「やっぱり機械ね」


人力だけの作業とは比べ物にならない。

さらに。温泉施設の建設も始まっていた。

配管はすでに設置済み。

あとは建物と浴場を作るだけだ。

私は設計図を見ながら笑った。


「楽しみだわ」


開拓地で温泉!最高じゃない。

私は少し歩きながら考えた。

この拠点。最初は何もなかった。


草原。岩山。それだけ。


今は違う!工場。トンネル。

鉄道予定地。温泉施設。


かなり立派な拠点になりつつある。


私はふと立ち止まった。


「……そういえば」


一つ疑問が浮かんだ。


「この世界の娯楽って何?」


私は文官を見る。


「何かある?」


文官は少し考えた。


「娯楽……ですか?」


私は頷く。


「そう!休みの日とか遊びとか」


文官は少し困った顔をした。


「特には……」


私は首を傾げる。


「特に?」


そこで私は作業員達にも聞いてみた。


「ねえ」


「娯楽って何してる?」


すると返ってきた答えは。


「酒」


「寝る」


「賭け事」


「歌」


私は少し考え込んだ。


「……うーん」


なんというか。娯楽というより。

息抜き程度。文明としての娯楽ではない。


私は腕を組んだ。


「なるほどね」


理由は分かる。この世界は魔物が出る。

生活も厳しい。余裕があまり無い。

だから娯楽文化が育っていないのだろう。


私は小さく呟いた。


「でも娯楽は必要よね」


人は働くだけでは続かない。

楽しみ。息抜き。

それがあるから生活は回る。


私は文官を見る。


「建てるわよ」


文官が首を傾げる。


「何をです?」


私は笑った。


「娯楽施設」


文官は少し驚いた顔をする。


「娯楽……ですか?」


私は頷く。


「そう、温泉もあるしついでに作る」


まだ具体的な内容は決めていない。

劇場。酒場。遊技場。

色々考えられる。


私は設計図の紙を取り出した。

そして書き始める。


「娯楽施設(仮)」


私は小さく笑った。


「文明ってのは」


そしてペンを走らせながら呟いた。


「こういう所から広がるのよ」

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