表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/135

光の向こう

それは突然だった。


「お嬢様!」


執務室の扉が勢いよく開いた。

かなり慌てた様子で、文官が飛び込んでくる。


私は顔を上げた。


「どうしたの?」


文官は息を整えながら言った。


「トンネルが……!開通しました!」


私は一瞬固まった。


「……え?」


そして思わず声が出た。


「うぇ!?そんな早く!?」


文官は興奮した様子で頷く。


「はい!工事が順調に進み、予定よりかなり早く!」


私は椅子から立ち上がった。


「じゃあ」


すぐに言う。


「見に行くわ!」


文官も頷いた。


「トラックを準備しています!」


私はそのまま外へ向かう。


拠点の外では、すでにカーデン・ロイド型トラックが待っていた。

私は荷台に乗り込む。


「行くわよ!」


エンジンが唸る。


ガガガガ……!


履帯が動き出し、トラックはトンネル入口へ向かう。

入口はもうかなり整備されている。

レンガで補強された壁。照明。支柱。


私はトンネルの中へ入った。

ひんやりした空気の中の機械の音。

作業員達が忙しく動いている。


そして――トンネルの奥。


私は目を細めた。


「……あれ」


遠くに光が見える。私は思わず呟いた。


「本当に」


そして小さく笑う。


「貫通してる」


トラックはさらに奥へ進む。

そしてついに掘削地点へ到着した。


そこには大きな穴。そしてその向こう。


私は思わず声を上げた。


「すごい……」


そして向こう側から声が聞こえた。


「まきちゃーん!」


私はすぐ分かった。


「ゆきちゃん!」


穴の向こう。

ゆきちゃんの姿が見える。

同じように工事現場に来ているようだ。

私が手を振ると、向こうも手を振った。


その時、両側の文官達が同時に声を上げる。


「お嬢様!」


「まだ危険です!」


「崩落の可能性があります!」


「完全な補強が終わるまで近づかないでください!」


私は思わず苦笑した。


「まあ」


確かにその通りだ。

まだ掘り抜いただけ。

補強工事はこれからだ。


私は向こうに向かって声を上げた。


「ゆきちゃん!」


「また後でね!」


向こうから元気な声が返ってくる。


「はーい!」


私はトンネルを見上げた。

長かった。このトンネル。

国境を越える道。


そしてついに――貫通した。


私は小さく呟く。


「成功ね」


これはまだ始まりに過ぎない。

補強工事。鉄道。輸送路。

やる事はまだ山ほどある。


それでも私は笑った。


「いよいよ」


二つの領地を繋ぐ近道が、生まれたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ